ブックタイトル実装技術9月号2013年特別編集版

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概要

実装技術9月号2013年特別編集版

261.はじめに わが国の電子情報機器産業は、1980年代まで得意とする『ものづくり』技術に牽引され国際競争力を誇っていたが、1990年初めのバブル景気崩壊後20年経って、いまだに、国際ビジネスモデルの変化という世界の潮流に翻弄され自信を喪失し、新しい技術開発へ挑戦する気概を失ってしまっている。 日本実装技術ロードマップでは、主に電子機器セット、半導体パッケージ、電子部品、プリント配線板、実装設備の主要5 分野に係わる関連団体との連携で隔年に改定しており(図1)、1996年以来、この日本の衰退兆候に警鐘を鳴らし続けてきたが、このたび新たに発行した2013 年度版日本実装技術ロードマップ(以下、本ロードマップ)においては、次世代技術を駆使した新しい市場創生と開拓が勝ち残れる最後のチャンスというであることを、技術開発だけではなく、事業戦略の観点においても提言をしている。 この日本の苦境は、戦後の輸出型製造産業が牽引したことによって開発途上国から先進国入りしたその成功体験から抜け切れず、世界のビジネス構造変化にいまだに対応できていないことに一つの要因があると考えられる。かつての、『追いつき追い越せ』から『守り』に入った経営体質の変換がいまだに十分ではない状況にある。 この日本の危急存亡時において、日本が培ってきた『ものづくり』を捨てて、『ファブレス』志向へ、という近視眼的な経営判断により、日本『ものづくり』のコア技術が消滅の危機に瀕している。 そのような状況に対して、本ロードマップでは、わが国の電子情報機器産業が長年育んできた『ものづくり技術』をさらに進化させながら、一つの戦略策としてアジア各国と協働しつつ『ものづくり(ハード)』に『サービス・安全(ソフト)』を付加価値として取り込むことで、従来の『ものづくり』製造産業からグローバルな『システム統合』産業として新規市場を創出する戦略転換にチャレンジする必要性を強調している。2.日本が得意とする電子機器の動向 本ロードマップでは、電子機器分類について、2011 年度版の分類を継続する形で記載している(図2)。 従来、日本が得意としてきた電子機器単体の製造技術だけではもはや国際競争力の余地はなく、様変わりした市場の動向である急速なる電子化、安全性追求の要求、インターネットへの対応と様々な標準化とそれへの対応によって、より人に優しい社会と関わり合いをもつ多様な機能を融合したシステムが必要とされる新しい市場を創出していく必要がある。こJEITA実装技術ロードマップ実行委員会 / 春日 壽夫変局点にきた日本の電子情報技術産業のチャレンジ?2013年度版日本実装技術ロードマップの概要と課題?図1 実装技術ロードマップ関連団体