実装技術5月号2013年特別編集版

実装技術5月号2013年特別編集版 page 32/38

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概要:
50 DesignConではやはり熱解析モデルや電気解析モデルに関する発表もありますが、製造不良解析に対する発表もあります(図13)。 TSV の製造不良については、Hot Chips24でのUMCの発表でも、開発初期ではいろいろ....

50 DesignConではやはり熱解析モデルや電気解析モデルに関する発表もありますが、製造不良解析に対する発表もあります(図13)。 TSV の製造不良については、Hot Chips24でのUMCの発表でも、開発初期ではいろいろなエラーが発生したものの、現在はこれらの問題は解決している、という発表もありました(図14)。 チップの3D 実装に関しては、電気的な特性に関しては多くのメリットがありますが、熱は大きな問題となるといわれています。 このため、学会などでも今回紹介した以外にも多くの発表があります2)。 2.5D 実装にあたっては、シリコンインタポーザはガラスエポキシインタポーザよりも熱導電率が高く、チップ面積も1チップSoCよりも多少大きくなります。このため、チップスケールパッケージ(CSP)LSIよりも多少良くなるともいわれています。 また、現在、すでに実用化がされているメモリチップの3D実装についても熱の問題は大きくありません。 これは、メモリチップのスタッキングはメモリチップの容量を増やすために行われるものだからです。いくらメモリチップを重ねても動作モードが現在の8ビットや16ビットの並列動作では、動作する回路は指定されたアドレスだけで発熱量は増えないからです。逆に、3D 実装によりドライバを微小電流で駆動できるようになり、消費電流が下がります。 しかし、CPUやSoC の積層や同時に512ビットのデータをアクセスするWide I/Oメモリの積層ではパッケージの消費電力が増加し、発熱や同時スイッチングノイズの問題が解決すべき問題として大きく立ちはだかってきます。 2.5D 実装やメモリチップの3D 実装でTSV の普及を図りつつ、2?3 年で課題を解決し、本格的なTSVを使った3D 実装を立ち上げる流れが見えてきました。 日本は個々の技術はあるのですが、3D 実装で何をしたいのか、何が変わるのか、トップマネジメントによるビジネスモデルが見えていないような感じがします。 iPhoneやiPadをAppleが大ヒットさせたときもそうでしたが、「何も新しい技術はない。こんなものはわが社でも簡単に作れる」というようなトップマネジメント丸出しの姿勢を打ち出すのではなく、ビジネスビジョンをもった開発を進めることを期待します。<参考資料>1)http://www.tel.co.jp/news/2011/1206_002.htm2)エレクトロニクス実装学会誌  2013.JanElectronics Packaging2012, 1FEM Analysis on Mechnical Stress of2.5D Packaging Interposers ToshiyaHisada, Toyohiro Aoki, Junko Asai,Yasuharu Yamada IBM■マエダ シンイチKEI Systems、(株)日本サーキット。日米で、高速システムの開発/解析コンサルティングを手がける。前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図14 TSV 開発初期のトラブル(UMC のHot Cjips 24での発表資料より)図13 TSV の不良(DesignCon *1) High-Frequency TSV Failure Detection Method with Z parameter KAIST