実装技術9月号2012年特別編集版

実装技術9月号2012年特別編集版 page 19/44

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17モジュール型高速多機能装着機『NXTⅡc』部品搭載技術富士機械製造(株)56と同時に、自動的にどのような部品が装填されたか、データベースに照合を行なうため、生産に必要な部品が装置(モジュール)の任意の位置....

17モジュール型高速多機能装着機『NXTⅡc』部品搭載技術富士機械製造(株)56と同時に、自動的にどのような部品が装填されたか、データベースに照合を行なうため、生産に必要な部品が装置(モジュール)の任意の位置にセットされていれば、そのまま生産を行うことができる。わざわざ数枚の生産のために、大掛かりな部品のセットアップ作業を行う必要がない。   止めない・止まらない生産の継続 前節では、生産準備の効率的なソリューションを紹介したが、生産中にむだ・むらがあっては意味がない。ここまで紹介した効率的な準備を殺すことなく、生産活動に活かすことができるかが重要になってくる。 特に、生産ライン稼働中における生産稼働率低下の要因の一つに、部品切れによる『チョコ停』が挙げられる。その対策として、当社ではいくつかのソリューションを用意している。1.無停止供給 生産性を大きくスポイルする要素の一つに生産途中の部品補給がある。特に高速実装が主体の小チップ部品ではいかに効率よく正しく部品補給をするかが重要である。一般に、テープ部品の補給ではフィーダの掛け替えによる補給と、テープの繋ぎ合わせる(スプライシング)2通りがある。部品切れが発生してからフィーダの掛け替えるのでは、部品切れの間生産ラインが止まり、稼働率が低下する。また、スプライシングは繋ぎ目の良し悪しがオペレータによって異なり、ジャミングや吸着不良の原因になりやすいことや、部品の繋ぎ間違い対策が万全でないなど問題がある。 稼働中にフィーダの挿抜が可能である『NXT Ⅱc』では、その特徴を生かした効果的な供給方法がある。ダイナミックネクストデバイスと呼ばれている機能で、フィーダのインテリジェント機能と稼働中の挿抜機能を利用して、同一ステージ上ならどの空きスロットにでも補給部品をセットしたフィーダを取り付けられるという機能である。装置は部品切れになると自動的に新しいフィーダに吸着点を変更する。オペレータは空になったフィーダを取り外し、適当なタイミングですでに吸着の始まっている新しいフィーダをオリジナルのスロットに差し替える。こうすることで、吸着位置が最適な位置に戻るため、効率の低下が最小限に抑えられる。部品の掛け間違いもリール単位で確認できるのでバーコードによる通常の確認作業で対応できる。 無停止の部品補給はトレイ部品においても対応している。着脱可能なトレイ部品の供給ユニットを用意しており、段取り替えレベルでトレイ部品を取り扱えるように変更でき、汎用性が高い。トレイユニットには、複数種類のトレイを蓄えることができるトレイマガジンが2つ搭載しており、装置が生産状態であっても、部品を供給していないトレイマガジンに対して、トレイ部品の供給作業が行えるような構造になっており、トレイ部品の無停止供給が難なく行える。2.部品切れ予告 無停止供給をするシステムがあったとしても、部品を消費してしまう前に的確に部品を補給しなければ意味がない。当社では、部品の消費量を常に監視し、部品ある一定時間内に消費してしまう状況になったら、部品補給を促すアプリケーションを用意している。オペレータは、このアプリケーションによる予告指示に従い部品補給を行えばよい。一方、短時間により多くの部品種の補給をしなければならない状況もあり得るが、このような部品切れラッシュがいつごろ発生するのかを知らせることも可能である。オペレータは部品切れラッシュが発生するまでに、あらかじめ補充部品を用意することや、他のラインで作業をしているオペレータを呼び、一時的に集中して部品補給作業にあてるなど、部品切れによるライン停止を防ぐことができる。   まとめ 本稿では、『NXT Ⅱc』を例に挙げ、高品質・高生産性を継続的に維持することができる当社独自の機能・システムを紹介した。 時代の変化と共に、生産に求められる品質的な要求は、常に高くなっている。それと同時に、幅広い生産形態に対応し、不良を排除し、より生産効率が向上するようなソリューションが求められている。今後も当社は、変化するユーザーニーズ・求められる生産形態を的確に捉えた、機能開発を進め、技術を提供していく。