実装技術8月号2012年特別編集版

実装技術8月号2012年特別編集版 page 24/48

電子ブックを開く

このページは 実装技術8月号2012年特別編集版 の電子ブックに掲載されている24ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
2878910LED照明商品と実装技術はんだ付け関連技術ソルダーソリューション   白色LEDの構造解析事例 照明用に使用されている白色LED の構造を解明するためには断面方向から光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡を使用し....

2878910LED照明商品と実装技術はんだ付け関連技術ソルダーソリューション   白色LEDの構造解析事例 照明用に使用されている白色LED の構造を解明するためには断面方向から光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡を使用し、各部材の材質を調査するためには電子線マイクロアナライザを使用する。市場から調達した照明用白色LEDの構造解析結果の一例を表1に示す。   LED照明用鉛フリーはんだ合金 LED素子を実装するはんだは、当然、RoHS指令を遵守した鉛フリーはんだ合金であると共に、LED素子周辺の温度変化を考慮したはんだ合金を選択する必要がある。現在、家電分野で一般的に使用されているSn-Ag-Cu系鉛フリーはんだ合金は従来のSn-Pb系共晶はんだ合金と比較して固くてもろい特性をもつ合金であり、照明用LEDの急激な温度変化に対応するための最適な合金とはいえない。照明用LEDの実装には点灯時⇔消灯時の急激な繰り返しの温度変化を吸収できる柔らかな合金が望ましく、In入り鉛フリーはんだ合金が有望である。しかし、家電量販店で調達した照明用LED電球を解析した結果(図8を参照)、Sn-Bi系鉛フリーはんだを使用しているものを発見した。この合金は融点が低く且つ安価な合金であるが、Sn-Ag-Cu系鉛フリーはんだ合金よりもさらに固くてもろい性質を有しており、国内では限定された環境下で稼働する製品(常時一定温度に空調でコントロールされており、製品自身を一度設置すれば移動することがない)にしか実績のない合金である。したがって、本合金を温度変化の大きい照明用LEDの実装に使用するためには、十分な検証が必要と思われる。   不具合解析事例■ボンディングワイヤの剥離 海外で生産した表示用LED の不点灯品を解析したところ、ボンディングワイヤが剥離しているものを確認した(図9 参照)。日本製のLED 部品では、このような不具合を発生することはなく、国内で生産された部品の品質は高い。   まとめ 青色LED を用いた白色LED の開発は、我々に『半導体の灯』をもたらした。この『灯』には電力事情に厳しい日本の現状を救う救世主として期待されている。この新しい灯が『ものづくり日本』復活の旗手として、国内産業発展の一助になることを期待する。表1 分析結果図9 ボンディングワイヤの剥離図8 LED素子の解析結果