実装技術7月号2012年特別編集版

実装技術7月号2012年特別編集版 page 27/38

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37産、メンテナンス、アップグレードなどのものづくりに参加することは、いうなれば、『ソーシャル・マニュファクチャリング(Social Manufacturing)』と呼ぶことができる。まさしく、ソーシャル・マニュファクチャ....

37産、メンテナンス、アップグレードなどのものづくりに参加することは、いうなれば、『ソーシャル・マニュファクチャリング(Social Manufacturing)』と呼ぶことができる。まさしく、ソーシャル・マニュファクチャリングは『生活者参加型ものづくり社会』である。 ソーシャル・マニュファクチャリングに基づき、生活者でも組み立てが容易な製品開発により、メーカーは生産コストを低減することができ、生活者も安価に手に入れることができる。 また、生活者でも分解しやすい製品開発をすることで、生活者は従来のごみの分別方法で取り扱うことが自宅で日常的に無理なくできる。そして、リサイクルに参加したという社会貢献への心地やすさも実感するかもしれない。一方、メーカーや自治体では新たな回収、リサイクルルートを構築する必要がなくインフラへの投資が軽減される。さらに、事前に製品をある程度の素材別に分解していることから純度の高い希少資源が抽出することが可能であり、リサイクルコストの軽減やリサイクル率を向上させることができる。 そして、自分だけのカスタマイズや、簡単な修理、使わないときに収納できるなどの付加価値を生み出す。長期的な視野では、子供たちへのものづくりへの興味を深めたり、科学教育にもつながることだろう。 このように、ソーシャル・マニュファクチャリングは、メーカーだけではなく、さまざまな生活者によるものづくりの集合知として新たな社会が創出されるであろう。2.ソーシャル・マニュファクチャリング製品の  種類 日常生活を見まわしてみると、意外にも生活者自身が製品の組み立てや分解に参加するものづくり参加型製品がすでにあることがわかる。いうなれば、ソーシャル・マニュファクチャリング製品の元祖といえる。 図2 に示す通り、これらは、その特徴から、製品のライフサイクルといえる生産、使用、排出の各段階で見ていくと分類することができる。 まずは製品の生産段階から見ていくことにしよう。近年、イケアに代表されるように、北欧家具メーカーの販売スタイルは大人気である。生活者自ら店舗で好みの椅子、テーブル、棚などの家具を選び、その家具の部品を購入して持ち帰り、自宅で組み立てを行う。ねじが共通化されているためドライバー1 本で組み立てが可能である。もし、組み立てがわからなくなっても安心である。イケアのサイトにアクセスすると、組み立て方法の動画やコツなどのアーカイブを見ることができるようになっており、ものづくりとネットワークがうまく融合しているのである。生活者にとって、おしゃれな家具を安価で手に入れることができ、家具メーカーにとっては、生産、輸送コストの低減を実現している。『リデユース』という言葉は『減らす』という意味から、ごみを減らすなどの環境問題に用いられるが、この場合、まさしく、生活者の経済的な負担や、メーカーのコストを低減する意味として『リデユースモデル』と呼べるだろう。 生産段階においては、この他にも、組み立てる過程を楽しむ『ホビーモデル』がある。もともとPC は自分で部品を購入して組み立てを行ってきた。今もその名残りともいえる図2 ソーシャル・マニュファクチャリング製品の種類