実装技術7月号2012年特別編集版

実装技術7月号2012年特別編集版 page 26/38

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361. 集中一方向から分散双方向社会への転換 私たちの日常生活は、ものや情報、サービスの提供を受ける受動的なしくみの社会から、能動的にものや情報、サービスを創出して、しくみをつくりあげる社会へと転換しよ....

361. 集中一方向から分散双方向社会への転換 私たちの日常生活は、ものや情報、サービスの提供を受ける受動的なしくみの社会から、能動的にものや情報、サービスを創出して、しくみをつくりあげる社会へと転換しようとしている。受動的な社会では階層構造が存在し、上位階層から一方的に供給され、私たちはそれを需要する立場にとどまる。これに対して、能動的な社会では、ある時は供給する立場であり、また、ある時は需要する立場にある。 初期の情報化社会においても、ホームページなど情報を発信する側と、その情報を見るという受信する側の立場がはっきりしていた。しかし、今や日常の出来事や知識を言葉や動画などによって発信する供給側であると同時に、他の人の情報を受信して楽しむ需要側との両側面をもつ双方向の社会へと進化してきた。 このように両側面をもった双方向の社会は、環境分野においても見られる。エネルギーを電力会社から家庭に供給する社会から、太陽光発電などの普及により、家庭で発電されて余ったエネルギーを供給すると同時に、足りない時には他から補う効率的なネットワーク社会である。 こうした構造は、図1 に示す通り、資源循環型社会においても、あてはめて考えることができる。今まで家庭から出るごみの処理は、地域の自治体やメーカーなどが集中して行なってきた。すなわち、私たち生活者は排出者であり、自治体やメーカーは処理者という一方通行の流れだった。このため、自治体やメーカーへの負担が大きく偏り、リサイクルの普及はなかなか進まなかった。また、排出者である生活者もリサイクルへの意識が希薄になりがちであった。 もし、排出者である私たち生活者がリサイクルの一部に参加し、排出する立場であると同時に処理する立場をかねそなえていたらどうだろうか。使えなくなった製品をそのまま棄てしまうのではなく、部品の一部を分解して分別することである。 このように、メーカーが生活者でも簡単に分解できる製品を開発し、私たち生活者が分解などのものづくりに参加する社会システムが構築できれば、リサイクルの構造は変化していくであろう。生活者が、リサイクルはもとより、生東京造形大学/ 山際 康之資源循環型社会のためのものづくり『ソーシャル・マニュファクチャリング』図1 集中一方向から分散双方向へ