実装技術7月号2012年特別編集版

実装技術7月号2012年特別編集版 page 23/38

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25設計・解析・シミュレーション設計品質向上のためのシミュレーション導入手法メンター・グラフィックス・ジャパン(株)要が出てくるが、複数のビアに正しく電流が流れているかを確認しないと、どれか1 つのビアに....

25設計・解析・シミュレーション設計品質向上のためのシミュレーション導入手法メンター・グラフィックス・ジャパン(株)要が出てくるが、複数のビアに正しく電流が流れているかを確認しないと、どれか1 つのビアに電流が集中し、そのビアホールの電流密度が上がりすぎてしまい、溶断や焼損の恐れが出てくる。 プレーンや配線の電流量が増えるにつれ、ジュール熱による発熱が熱シミュレーションを行う際にIC 以外の熱源として考慮が必要にもなってきた。HyperLynx には、SI 解析の他にPI 解析のツールがあるが、PI 解析では、電流密度の計算を基板全面及びビアホールについて計算し、電流密度が設定以上の場所についてレポートする機能がある。また、電流分布をHyperLynx の熱解析ツールに送ってデバイスの発熱と合わせて熱解析を行い、その結果を再度電流分布の計算に返すことにより、銅箔の温度による依存を考慮した熱解析ができる。このような連成解析は、従来はファイルの変換を行いながら複数のツールで行う必要があり、非常に手間暇がかかっていたが、HyperLynx では自動で連成解析のループが定常状態に達するまで実行される。 AC では、IC が安定動作するためにターゲットインピーダンスを設定した上で、電源系全体としてどのようにこのターゲットインピーダンスを達成するか、シミュレーションを使って最適な解(コンデンサの容量、数、配置)を見つけていくことになる。 さて、ここまで、大まかに各種シミュレーションについて解説してきたが、メンター・グラフィックスのツールは、どの機能をとっても、プリシミュレーションとポストシミュレーションの両方に対応している。プリシミュレーションにおいて設計するためのルールや指針を作成し、それに沿って開発を進めた後に、きちんとできているかをポストシミュレーションで確認するというコンセプトを貫いている。 これまで見てきたように、基板設計における電気的なシミュレーションは従来よりも多用な技術が必要とされており、基板設計とシミュレーションのデータ管理は非常にやっかいなものとなっている。PDCAサイクルを回していくとき、どのような『Plan』をどのデザインに適用し、どのような結果が出て、それに対してどのように対応したか、SI、PI、EMC に対して管理していく必要がある。 メンター・グラフィックスでは、設計データ、使用したドキュメントやシミュレーション結果、オフィス文書などを設計データのバージョンごとに、関係するデータやドキュメントとリンクして管理するツールがあり、それらを利用することで、出てきた結果を次の対策に効率的にフィードバックすることが可能になる。図4 SerDesでは、『Eye Pattern』のシミュレーションが必須