実装技術6月号2012年特別編集版

実装技術6月号2012年特別編集版 page 36/54

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34高品質なプリント配線板製造を実現する6ガラスエポキシ銅張積層板(FR-4)の再区分化を考える合成樹脂工業協会(JTPIA)図4 FR-4の真の姿とはULから見た『FR-4』日本から見た『FR-4』 我々から見る『FR-4』と、U....

34高品質なプリント配線板製造を実現する6ガラスエポキシ銅張積層板(FR-4)の再区分化を考える合成樹脂工業協会(JTPIA)図4 FR-4の真の姿とはULから見た『FR-4』日本から見た『FR-4』 我々から見る『FR-4』と、UL の主張する『FR-4』との間には、単なる現象の解釈の差ではなく、とてつもなく広い技術開発上の隔たりがあるといわざるを得ない。図4 は、FR-4 が両者にとってどう見えているかを象徴的にあらわした2 枚の写真である。 FR-4 が分割化された時には、製品安全の向上もないままにその取得費用は数倍になるとUL 自身が見積っていることが判明している。これも分割案に反対する理由の一つである。我々が分割案にあくまで反対し、UL が伝家の宝刀として『NON-ANSI』を宣言した場合、驚くべきことに、部材としてのUL 取得費用が200倍になると記載された文書を我々はすでに入手済みである。これは本来の製品価格を大きく上回る経費である。誰がそのような法外な金額の支払いを負担するのであろう。その際にOEMsはULマークの取得のためにそれだけの金額を自分で負担するのだろうか? そもそもUL は必要なのだろうか?   終わりに これら一連の規格改訂の動きも国際投票で『両案否定』に終わったが、今後もこのような騒動が繰り返されるであろう。本年6月に開催されるJPCASHOWの舞台裏でも色々な協議が予定されているが、この場ではまだ言及できない。 今後も筆者らは、単にUL との交渉のみならず、本問題を実装業界の共通課題として広く取り上げていきたいと考える。主にアメリカのOEMs で作っているiNEMIという、純粋に技術問題を扱う団体があるが、iNEMIでもこのUL認証問題が取り上げられるようになったとも聞く。今後はiNEMI とも広く情報を交換して、FR-4 に関わる課題を業界全体として軟着陸できるように動いていきたい。 なお、本稿ではUL関係に論点を絞ったが、同様の問題がすでに発生しつつある。最近、中国のCCC 或いはCQC という言葉が新聞紙上などにも表れだしたが、これは実は『中国版『UL』』である。実際の市場の大きさからいえば、こちらの問題の方が大きくなる可能性が高い。このような動きは『国家認証』に関わる問題であり、一民間企業や団体が背負える問題ではない。一方、日本ではWTO 加入と同時に旧電取法から電安法に改正され、国家として一部の品目だけに留まった認証制度しかもっていない。CMJ もその一環であるが、対象品目も少なく、普及しているとはいえない。国家認証の後ろ盾なくして、今後これらの対外機関との関係をどうしていくのか、真剣に考えるべき時が来た、といえる。 末筆となるが、以上説明してきたこととは関わりなく、我々は今後とも実装技術の進展と顧客のニーズに応え、時代に合った安全で高性能な製品を、今まで通り開発し、提供していくことに変わりはない。<参 考 文 献>1)山寺 隆,“FR-4 新区分化の動きについて”  JPCA NEWS 508(1), 37, 20112)Takashi Yamadera, KPCA Magazine, 2011(10), 43-463)山寺 隆,“FR-4 再区分化の動きについて(第2 報)”  JPCA NEWS, 516(9) 4, 20114)日経新聞ニュース2012 年4 月26 日(Web 参照のこと) 「 新iPadの主回路基板は様変わり、両面実装に新型iPad分  解(4)」5)JPCA Show1999 特別展示「ここまできた!パッケージ  ング技術」より