実装技術5月号2012年特別編集版

実装技術5月号2012年特別編集版 page 24/40

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22『地球環境』を守るための施策を探るものづくりにおける環境対応の諸動向を探るNPO 法人 日本環境技術推進機構 横浜支部写真5 木質ペレットストーブ( こうちエコハウス)レ用で、もう1 基は山小屋の電灯、温泉....

22『地球環境』を守るための施策を探るものづくりにおける環境対応の諸動向を探るNPO 法人 日本環境技術推進機構 横浜支部写真5 木質ペレットストーブ( こうちエコハウス)レ用で、もう1 基は山小屋の電灯、温泉の加熱用、冷蔵庫、調理器具などに使用されている。 10 数年安定した電気を発電できるようになったため、電気を使ったバイオトイレも導入されている。このトイレは東京都の間伐材の檜を採用しており、檜の香ばしい匂いがするトイレである。 自然エネルギーの中でマイクロ水力発電機による電気エネルギーを得ることの利点は、太陽光発電や風力発電と比較して、沢に流れる水さえあれば、風がなくても夜でも発電が可能であるといった点にある。 これと同様の方式で、中国の四姑娘山連峰を望む標高3,800m に位置するヤクの番人小屋でも、白熱電灯、薄型テレビ、洗濯機などの電力はマイクロ水力発電で賄っており、比較的な簡単方法で得ている。驚くのは、沢に流れる水もそれほど多くもないにもかかわらず簡単に電気を得ていることである。このように、標高3,600m に位置するベースキャンプでもマイクロ水力発電によって照明用の電気を得ているのであるから、日本も未利用のエネルギーを積極的に活用することが必要ではないかと思う。2. 森林資源の活用 日本の森林率はフィンランド、スウェーデンに続くもので、世界で第3 位に位置付けされる。豊富な森林資源があるにもかかわらず、目の前の資源が放置されて活用されていないという別の問題を日本は抱えている。 たとえば、わざわざ海外から石油を購入して石油ストーブで暖をとるのではなく、地元にある木材を使って木質ペレットにしてペレットストーブで暖をとることも地域活性のために、あるいは放置された資源の有効活用として検討が必要ではないかと思う14)。 日本の中で森林率の高い高知県では、『こうちエコハウス』に木質ペレットストーブを展示して普及活動を実施している(写真5)。 森林を整備することは重要なことで、整備の過程で発生する間伐材が山の中で放置されたままになり、その量も全体の8 割になっていたという。実に『モッタイナイ』話である。この放置されていた間伐材を原料に、電気や熱としてエネルギーを回収、有効利用できるシステムがバイオマス発電である(写真6、7)。 十分に利用されていない森林資源を活用することで、森林整備や環境の保全を図ることができ、森林が保全されると川を伝わって栄養分が河口に運ばれることによって漁場がよくなり、漁業が栄えるといった別の効果も出てくるのでまさに一石三鳥の取り組みである。『森は海の恋人』とも言われるほど重要な位置付けにある。 バイオマスなど未活用エネルギー実証試験事業として葛巻町では、『森林の間伐施行に伴う木質バイオマスガス化熱電併給システム』として月島機械株式写真6 木質バイオマスガス化熱電併給システム