実装技術5月号2012年特別編集版

実装技術5月号2012年特別編集版 page 17/40

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15『地球環境』を守るための施策を探るものづくりにおける環境対応の諸動向を探る機器の処理問題があがってEU内で議論されるよう3になった。その解決手段として電気・電子機器の廃棄に関する指令(WEEE 指令)の策定....

15『地球環境』を守るための施策を探るものづくりにおける環境対応の諸動向を探る機器の処理問題があがってEU内で議論されるよう3になった。その解決手段として電気・電子機器の廃棄に関する指令(WEEE 指令)の策定であった。WEEE指令として1998 年に草案が策定され議論された。廃棄する電気・電子機器をいかにしてリサイクルするかであった。リサイクルするプラスチック、部品などに有害物質が含有していると問題であるということから6 物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル(PBB)、ポリ臭化ジィフェニルエーテル(PBDE))の使用制限となった。これがWEEE 指令から切り離されたRoHS 指令である。 一方、リオ・デ・ジャネイロ会議の10 年後の2002年8 月には、『持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)』(ヨハネスブルグ・サミット)を開催し、この会議(別名 リオ+10)で化学品の悪影響を2020年までに最小化をすることや化学物質管理のための戦略的行動計画(SAICM) などを策定した。 2005 年8 月にはWEEE 指令が、2006 年7 月にはRoHS指令が、それぞれ施行され、EU加盟国(当時は25 カ国、現在、27 カ国)で実施された。このRoHS 指令は多くの国に影響を及ぼすまでになり、化学物質管理のデファクトスタンダード的な扱いになった。 その後、電気・電子機器のみに対象とするのではなく、全分野で、全ての物質を対象とする物質の管理を主体とするREACH 規則が施行されるようになった。特に高懸念物質が0.1 %以上含有した場合には情報を開示しなければならないとする物質管理を重視した内容となった。『リオ+10』で決定した化学品の悪影響を2020 年までに最小化する大きな目標があるがゆえに、REACH 規則は2018 年を最終年度として対策をとっているといえる。 さて、1992 年にリオ・デ・ジャネイロで開催された『環境と開発に関する国連会議』は別名『地球サミット』ともいわれるもので、この会議から今年で20 年が経過することになる。 2012年6月に、同じくリオ・デ・ジャネイロにて、持続可能な開発会議(リオ+20)が開催される予定で、『グリーンエコノミー』と『持続可能な開発ための制度的枠組み』をテーマとして議論されることになっている。ここでどのような内容が検討され、どのような環境対応の結論となっていくかが大きな関心事でもある。   環境法規制で地球環境を守る 地球環境を守るには、法律で規制することが重要との認識となり、主に欧州からその必要性が叫ばれ、アドバルーンがあがり、次第に世界的に認知されるようになった。ここでEU と中国の最近の環境法規制の主な動きについて紹介する1) 2)。1.EU の改正RoHS 指令 EU のRoHS 指令は、2006 年7 月1 日から施行され、4 年ごとに改正される仕組みとなっており、改正RoHS 指令が検討された。 この『改正RoHS 指令』は対象物質を多くすることや対象範囲を増やすことが改定の趣旨であったために『拡大RoHS 指令』とも言われている。なお、欧米ではこの改正RoHS に関しては『RoHS2』とも呼称されている。 現行のRoHS 指令は6 物質(『鉛』『水銀』『カドミウム』『六価クロム』『ポリ臭素化ビフェニル(PBB)』『ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)』)が規制の対象となっているが、この6 物質以外の規制物質の追加案が検討され、多くの物質が候補としてあげられた3)。 最終的には、4 物質(HBCD、DHEP、BBP、DBP)が候補となり、2008 年12 月3 日に改正案が公表された4)。 また、RoHS 指令の対象とするカテゴリーに関しては、医療機器のカテゴリー8 と監視・制御機器のカテゴリー9は、今まではRoHS指令の対象ではなく、除外されていた(電気・電子機器の廃棄指令のWEEE指令は全カテゴリーが対象となっていたので混同しないように注意が必要)。 2008 年12 月に公表された改正案としてカテゴリー8(医療機器)とカテゴリー9(監視・制御機器)について対象とするRoHS 指令の拡大案が公表され、さらにEU のRoHS 指令では、マークの表示義務はないが、検討された改正RoHS 指令では、CE マークを貼付することが提案された。 2011 年7 月1 日付け官報にて改正RoHS 指令(2011/65/EU)が公布され、改正RoHS 指令は公布から20日後の2011年7月21日に施行された。 改正RoHS指令が決着されまでに紆余曲折があったが、追加する物質はなく、今まで通りの6 物質のままとなった。そして、以下の点が改正案に新たに盛NPO 法人 日本環境技術推進機構 横浜支部