実装技術2月号2012年試読

実装技術2月号2012年試読 page 6/26

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22検査装置・技術の最新動向今日的な要求に応える、X線ステレオ差分方式による実装基板検査(株)アイビット / 向山 敬介 1  実装基板現場の要求 BGA(Ball Grid Array)が発表されたのは、1990 年頃であった....

22検査装置・技術の最新動向今日的な要求に応える、X線ステレオ差分方式による実装基板検査(株)アイビット / 向山 敬介 1  実装基板現場の要求 BGA(Ball Grid Array)が発表されたのは、1990 年頃であった。当時はQFP(Quad FlatPackage)の狭ピッチ化がさかんで、インチ規格の1.27mm ピッチから日本規格の1.0mm ピッチへと縮小されてからは、0.8mm ピッチ、0.65mmピッチ、0.5mm ピッチへと一気に狭ピッチ化へと進んだ。しかし、0.5mm ピッチ以下は歩留まりなどの問題で普及せず、BGA へと徐々に移行していった。 BGA が出現してからすでに20 年の年月が経過するが、製造工程中の自動検査はいまだに確立されていないのが現状である。 BGA実装が始まった当初から1995年頃までは、ピッチ間隔も1.27 ~ 1.0mm と大きかったこともあり、それまで0.5mm ピッチQFP に対応していた実装現場にとって難しい実装ではなかった。またBGA のはんだボールが大きい(φ 0.75mm)こともあり、セルフアライメントが効くことも大きな要因であったものの、1996 ~ 1997 年以降には、BAGのボールピッチ間隔が0.8mm 以下のファインピッチ化が進むようになり、BGA の自動検査のニーズも高まってきた。 しかし当時は実装基板用のX 線検査装置は高価な海外製品が主流を占めていた。米国のNicolet 社(現・テラダイン社)やHP 社のインラインX 線検査機であった。どちらの装置も購入価格は7 千万円から1 億円近くと大変高価なシステムであり、よほどの高付加価値の基板でなければ導入することはできなかった。 実装現場からはX 線装置は高価すぎる、これでは導入できない。といった声が多く聞かれた。 筆者自身、そのNicolet 社の日本代理店の営業としてお客様を廻る中で直接その現場の声を聞き、どうにかならないものかと考えた。そして、そういった現場のニーズに答えるべきだとして、2000年に、アイビットをX 線検査装置メーカーとして設立したのである。 実装現場の要求としては、①設備価格としてはAOI(Automated Optical   Inspection= 外観検査機)と同等レベル②高速検査を可能としインラインを可能とするもの③ランニングコストとしてはなるべく低く④ 24 時間× 365 日間、安定稼動できるもの⑤設置面積はなるべく小さく⑥データ作成が簡単なことなどがあった。 当社ではこれらの要求を満たすために設立時から実装基板用のX 線装置の開発を行ってきた。そして今回、新方式『X 線ステレオ差分方式』の開発に至った。 今回はその現場の要求に応えるべき製品として発表した『X 線ステレオ差分方式』について紹介する。表1 は、現状のX 線検査機の性能と価格である。表1 インラインX線検査機の性能/価格表