リチウムイオン電池の負極用水系バインダー「WATERSOL®-LB」を開発 ー環境負荷の低い水系で膨張抑制・低い内部抵抗率の特性を持ちLIBの長寿命化に貢献ー

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2023年4月11日
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DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:猪野薫)は、リチウムイオン電池(以下「LIB」)の負極用水系バインダー『WATERSOL(ウォーターゾール)®-LB』を開発しました。同製品は、環境負荷が低い水系の製品であり、優れた膨張抑制効果や低い内部抵抗率などの特長を持ち、LIBの長寿命化に貢献します。現在サンプルワークを開始しており、今後、日本、中国、米国、欧州地域での販売を視野にグローバルでの供給体制を確立し、2025年には売上高10億円を目指します。

LIBは、1990年代に日本で商品化されて以来、電気自動車(EV)やスマートフォン・携帯電話、ノートパソコン、電動工具、産業機械、航空機、照明器具、コードレス小型家電など、さまざまな分野で使用されています。LIB製品の高機能化に伴い、耐久性(長寿命)、航続距離(長時間駆動)、急速充電(短時間充電)などの性能向上に寄与する素材開発が求められています。

負極バインダーは、リチウムイオンが出入りする負極材料や活物質、その他補助添加剤や集電体を結着させる接着剤の役割を果たし、電極の機械強度と電池性能に影響を及ぼすLIBの重要な構成材料です。

当社が開発した『WATERSOL®-LB』は、LIBの負極向けアクリル系合成樹脂バインダーであり、溶剤系に比べ製造時の環境負荷が低い水系の製品です。現在、広く使われている負極用バインダーは、高温や低温環境では劣化しやすく、高容量化のためのシリコン系活物質の膨張収縮に対応しにくいなどの課題があります。当社の開発品は、従来品と比較し、高温(45℃)および低温下(-10℃)での充放電時の容量維持において、数倍の改善が見られるなど、環境変化への適応性に優れています。また、LIBの内部抵抗の低減を可能にし、低容量から高容量の幅広い容量帯の負極材に適応します。これらの要求性能を満たすことで、LIBの長寿命化に貢献します。

DICグループは長期経営計画「DIC Vision 2030」において、社会課題や社会変革に対応した新事業の創出を基本戦略とし、サステナブルエネルギー領域における次世代二次電池用の機能性材料の事業化を掲げています。今後も、社会変革に対応した省エネルギーや環境への負荷低減に寄与するサステナブル製品を開発・提供することで、社会の持続的繁栄に貢献します。

以上

DIC株式会社について
DICは日本で有数のファインケミカルメーカーのひとつであり、DICグループの中核企業です。DICグループは、世界全体でSun Chemical Corporationを含む約190の子会社によって構成され、60を超える国と地域で事業を展開しています。グループ全体として、人々の生活に欠かせない包装材料 、テレビやPC等のディスプレイに代表される表示材料 、スマートフォンなどのデジタル機器や自動車に使用される高機能材料を提供するグローバルリーディングカンパニーと認知されています。これらの製品を通じて、社会に安全・安心、彩り、快適を提供しています。DICグループは持続可能な社会を実現するため、社会変革に対応した製品や社会課題の解決に貢献する製品の開発にグループ一丸で取り組んでいます。連結売上高1兆円を超え、世界全体で2.2万人以上の従業員を有するなか、DICグループはグローバルで様々なお客様に寄り添っていきます。詳しい情報は、https://www.dic-global.com/をご覧下さい。

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