完全人工光型植物工場「AN」の初導入が決定、10月から福井県おおい町で栽培を開始
~おいしい、安全な野菜の安定的な栽培で、食料供給の課題解決に貢献~

2023/03/23 事業関連

三菱ケミカルグループは、三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社(以下、MCAS)の完全人工光型植物工場「AN(アン)」が販売開始後初めて、福井県おおい町に建設予定の植物工場に導入され、2023年10月より栽培を開始することをお知らせします。
 
気候変動の影響を受けにくい植物工場は、農産物の安定供給の手段として、近年ますます注目を集めています。また、コロナ禍でテイクアウトやデリバリーなどの中食利用が増えたことにより、安定した品質で、菌や異物が少なく洗浄等の手間が削減できる野菜へのニーズが増加しています。
 
「AN」は、高品質な野菜を収穫できることをコンセプトとして、徹底した栽培効率の向上を実現し、菌数の低減、生産原価の引き下げにも成功した、業務用に対応できる植物工場システムです。今回の初導入を契機に、国内外で「AN」の販売を促進することで、食料供給の課題解決に貢献していきます。

「AN」で収穫したフリルレタス

1.完全人工光型植物工場「AN」について
「AN」は、MCASが株式会社クレオテクノロジー(本社:埼玉県比企郡)と共同開発した完全人工光型植物工場システムです。定植した苗が栽培室内を自動で循環しながら成長し、作業者が栽培室内に入らずに収穫まで行うことができるため、菌や異物の混入リスクを低減します。また、栽培室内の光や気流を制御することで、業務・加工用にも対応可能な高品質で丈夫なフリルレタスを生産することが可能となり、従来の当社完全人工光型植物工場と比較して約3倍にあたる約300g/株以上のフリルレタスを播種後45日程度で収穫することができます。

2.「AN」が初導入される植物工場について
株式会社タガヤス(本社:大阪市)が、福井県おおい町に建設予定の大型植物工場に「AN」が導入されます。タガヤスが野菜の生産・販売などの事業運営を行い、MCASはタガヤスに対し、種子・培地・液肥の販売、栽培指導を行います。
栽培開始:2023年10月1日(予定)
建設場所:福井県大飯郡おおい町
延床面積:約3,700㎡
栽培品目:フリルレタスなど
収穫重量:約1.3 t/日 (フリルレタス約300g/株で換算)

■「AN(アン)」の主な特長
MCASの完全人工光型植物工場「AN」は「Agriculture Next」から命名されました。
太陽光を用いずに閉鎖された空間で、人工光、空調設備、培養液の制御が可能な水耕栽培等により、計画的な周年生産を行うことができる次世代型の閉鎖型植物工場システムです。
 
①定植した苗が栽培室内を自動で循環しながら成長し、作業者が栽培室内に入らずに収穫まで行うことができるため、作業者の負担や異物の混入リスクを低減。
②レタス(フリルレタス、バタビアレタス、ロメインレタス等)に最適な栽培環境を自動的に制御でき、大きく、葉肉が厚く、シャキシャキとした高品質レタスの安定栽培が可能で、業務用やカット野菜などに最適。
③ANで栽培されたレタスは菌数が102~103/gであり、菌数の変化、バラつきが少ない。(菌数は検査会社による測定値)


上:「AN」で栽培されたレタス  下:当社の従来型人工光植物工場のレタス

完全人工光型植物工場「AN」


■三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社(MCAS)について
MCASは植物工場システムの開発・販売のパイオニアです。薄膜水耕(NFT、Nutrient Film Technique)法の葉菜類水耕栽培システム「ナッパーランド™」の開発・販売をはじめ、トマトやキュウリのNFT法の植物工場システムの販売を行っています。また、育苗専用人工光装置「苗テラス™」は苗生産業や農業従事者・企業、研究機関などに使っていただいており、国内で累計500台以上を販売しています。「ナッパーランド™」と「苗テラス™」を組み合わせた太陽光利用型植物工場システムは、全国120か所、中国25か所の累計販売実績があります。https://www.mcas.co.jp/

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