2022年01月25日経営リリース

EUV露光用フォトマスクブランクスの生産能力を倍増

AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:平井良典)は、グループ会社であるAGCエレクトロニクス(本社:福島県郡山市、社長:佐藤弘昌)において、EUV露光用フォトマスクブランクス(以下、EUVマスクブランクス)の生産能力を増強することを決定しました。2023年1月より生産を開始し、段階的に増強を行うことにより、AGCグループのEUVマスクブランクス生産能力は2024年に現在の約2倍になります。

近年、半導体生産においてEUVプロセスは、ロジック向けに加えDRAM*1などのメモリー向けにおいても採用が進んでいます。これに伴うEUVマスクブランクスの需要増に加え、次世代・次々世代半導体向けEUVマスクブランクスの出荷も見込まれることから、今回生産能力の増強を決定しました。

AGCは、2003年にEUV露光技術を用いた半導体生産プロセスで用いられるフォトマスクブランクスの研究開発に着手しました。自社で保有するガラス材料技術、ガラス加工技術、コーティング技術などを融合し技術開発を進め、2017年にEUVマスクブランクスの生産を開始。「ガラス材料」から「コーティング」までを一貫して手掛けることができる、世界で唯一のEUVマスクブランクスメーカーとして、市場のニーズに応じ必要な投資を段階的に実施し、2020年7月にはAGCエレクトロニクスにおいて、建屋拡張を含めた大型増強工事を決定し*2、2022年1月に生産を開始しています。
AGCグループは、経営方針 AGC plus 2.0 のもと、エレクトロニクス事業を戦略事業のひとつと位置付けています。今後も大きな需要の伸びが見込まれるEUVマスクブランクス事業に対し積極的な設備投資を実施し、2025年には売上高400億円以上を目指すとともに、半導体産業の発展に貢献していきます。

*1  DRAM:Dynamic Random Access Memoryの略。半導体記憶装置(半導体メモリー)の一種で、一般的にはパソコン用のメインメモリー(主記憶装置)などに使われている。
*2  2020年7月27日発表、「EUV露光用フォトマスクブランクス供給体制を大幅増強」
        https://www.agc.com/news/detail/1201108_2148.html

<ご参考>

■EUVマスクブランクスについて
EUVマスクブランクスは、低膨張ガラス基板の表面に複数の組成から成る膜を積層したものです。EUVマスクブランクスの表面に半導体チップの回路原版を形成したものがEUVフォトマスクであり、その回路をシリコンウェハ上に転写して半導体チップを形成します。回路の微細化に伴い、EUVマスクブランクスに対する、
・非常に小さなサイズの欠陥を限りなくゼロに近づけること
・非常に高い平坦度であること
といった要求水準は、更に高くなっています。
■AGCエレクトロニクスについて
社名 AGCエレクトロニクス株式会社
資本金 300百万円
代表 佐藤 弘昌
本社所在地 福島県郡山市
従業員数 約700名
主な事業内容 ガラスフリット・ペースト、光ピックアップ等のオプトエレクトロニクス製品、及び半導体製造装置用合成石英製品、EUV露光用フォトマスクブランクス
◎本件に関するお問い合わせ先:
AGC株式会社 広報・IR部長 小川 知香子
担当:藤山
TEL: 03-3218-5603
E-mail: info-pr@agc.com