「SUSTIE」外観写真
年間の一次エネルギー消費量の収支

運用段階における『ZEB』の概要

 「SUSTIE」では、新たに開発した事前計画型のZEB運用技術を活用し、竣工直後の運用開始からビル設備の最適な運転を実現しました。本技術は、空調や照明などビル設備の運転状態と、室温や室内の明るさなどオフィスの状態を事前にシミュレーションし、その結果を用いてエネルギー消費量の収支と快適性を1年先まで予測します。さらに、当社AI技術「Maisart®(マイサート)※3」を活用した多目的最適化技術を組み合わせ、繰り返しシミュレーションすることで、快適性を維持しながら消費エネルギー量を最小化するビル設備の運転計画を自動的に導出します。

 これにより、1年間の創エネルギー量が571.75MJ/m2・年、消費エネルギー量が366.07MJ/m2・年、エネルギー消費量の収支が-205.68MJ/m2・年となり、創エネルギー量を含めた年間の一次エネルギー消費量の収支は基準値比で115%削減し、設計段階の性能を上回りました。

 また、本技術により、各部屋の設定温度や調光率など、運用段階で必要なビル設備のパラメーター設定の試行錯誤にかかる負荷を削減でき、運用開始日から1年という期間※4で運用段階での『ZEB』を達成しました。

 6,000m2以上の中規模かつ太陽光パネルを建物上だけに設置したオフィスビルにおける運用段階での『ZEB』達成により、敷地面積に余裕がない都市部でも、快適で働きやすい環境を高次元で維持しながら『ZEB』を実現した事例を示しました。

  • ※3
  • ※4

    「SUSTIE」では2020年10月19日~2021年10月18日の1年間で運用段階における『ZEB』を実現。2020年10月19日が入居日のため、上記期間が『ZEB』の最短の評価期間となる