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2021年4月22日 | プレスリリース 簡単操作・省スペース・低価格の自動化装置が遺伝子解析を効率化
核酸抽出システム「EluNA」を発売

核酸抽出システム「EluNA」

核酸抽出システム「EluNA」

島津製作所は、4月22日に核酸抽出システム「EluNA」を発売いたします。本システムはヒト全血(人間の血液)に対する遺伝子解析の前処理工程において核酸(DNA)を抽出する作業を自動化しました。従来法で30分かかっていた核酸抽出の手作業工程が2分間(装置による自動抽出工程を含めると10分)に短縮でき、人為的ミスの削減につながります。核酸抽出システム「EluNA」は、自動核酸抽出装置「NAX-200」と消耗品キット「EluNA Whole Blood DNA Kit」(試薬が充填されたカラムと細胞溶解液それぞれ20試料分)で構成されています。

新型コロナウイルス感染症の検査において、PCRや次世代シーケンサー(NGS)による配列解析といった遺伝子解析技術に注目が集まりました。これらPCRや配列解析では、試料から核酸を抽出する作業が不可欠です。工程全体を自動化する装置は存在するものの、いずれも大型・高額であるため、検査数が少ない現場では導入しづらく、多くの研究・検査機関では核酸抽出業務は遠心分離機やピペッターの操作を繰り返す手作業のままでした。

核酸抽出システム「EluNA」を使用すると、30分かかっていた核酸抽出の手作業工程が2分間(装置による自動抽出工程を含めると10分)となります。A4サイズ以下というコンパクトな設置面積のため、使用する場所を選びません。島津製作所は、本製品について遺伝子疾患や感染症などの遺伝子検査・研究業務に従事する医療機関や大学病院、検査・研究機関に向けて国内で販売を開始いたします。なお、本製品の性能検証は公益財団法人かずさDNA研究所 小原收先生との共同研究における実証評価を通じて行いました。核酸抽出システム「EluNA」は、「簡単操作」「省スペース」「低価格」という既存製品にない特長を有しており、遺伝子解析の効率化に貢献いたします。

注意:本製品は研究用です。医薬品医療機器法に基づく体外診断用医薬品あるいは医療機器として承認・認証等を受けておりません。治療診断目的およびその手続き上での使用はできません。

 

新製品の特長

1. 迅速・簡便な自動核酸抽出

30分かかっていた核酸抽出の手作業工程が2分間(装置による自動抽出工程を含めると10分)になります。(1)試料(血液)と細胞溶解液を混合しカラムに注入、(2)カラムを装置にセット、(3)スタートボタンを押す、という3ステップだけで作業が始まります。

2. 場所を選ばない省スペース設計

「EluNA」は操作にパソコンが要らず、設置面積がA4サイズ以下という卓上型です。従来法で使う遠心分離機が不要のため、検査場所の省スペース化につながります。

3. 後処理を要する廃液を出さない

試料投入後はキャップとアルミシールによってカラムが密閉されます。密閉したカラム内で核酸抽出の工程が完結するため、廃液は発生せず特別な後処理は不要です。

製品名 核酸抽出システム「EluNA」
希望販売価格 自動核酸抽出装置「NAX-200」49万9000円(税別)
EluNA Whole Blood DNA Kit 4万6000円(税別、カラムと細胞溶解液がそれぞれ20試料分)
販売目標 発売後1年間で「NAX-200」120台

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