本文へ
ここから本文です

固体蓄電デバイスの3Dプリンティング製造法を開発~ウェアラブルデバイス電源の基盤技術として期待~

【本学研究者情報】

〇本学代表者所属・職・氏名:多元物質科学研究所・教授・本間 格
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 3Dプリンティング技術により成形可能なプロトン伝導膜(注1)の開発に成功し、固体蓄電デバイスの3Dプリンティング製造を可能にした。
  • 本研究で開発した3Dプリント可能なプロトン伝導膜により、疑似固体電気化学キャパシタ(注2)の安定動作を実証。
  • 近年注目されているウェアラブル/フレキシブルデバイスに搭載可能な電気化学キャパシタ/バイオ電池へ展開できると期待。

【概要】

3Dプリンティング(注3)によるデバイス作製技術は、オンデマンドによるデバイス作製や微小デバイスの設計を可能とすることから注目されています。東北大学多元物質科学研究所本間格教授、シュタウススヴェン准教授、岩瀬和至助教らの研究グループは、プロトン伝導性イオン液体(注4)、無機ナノ粒子、光硬化樹脂を混合して作製したインクを用いて、3Dプリント可能かつ固体蓄電デバイスに応用できるプロトン交換膜を開発することに成功しました。

本研究で用いた手法は、多様なイオン液体や無機材料を出発原料として利用できることから、現在開発が活発に行われているウェアラブルデバイスやフレキシブルデバイスの電源として機能する固体蓄電デバイスを作製するための基盤技術となると期待できます。

本成果は、2021年3月29日に、ACS Applied Energy Materials誌にオンライン掲載されました。

図 本研究の概略図。(a)3Dプリント可能なプロトン伝導性インクの開発。(b)疑似固体電気化学キャパシタの作製。(c)作製したキャパシタの充放電特性。

【用語解説】

注1.プロトン伝導膜:プロトンが伝導する絶縁膜であり、電池やキャパシタの電解質材料として使用される。

注2.電気化学キャパシタ:炭素電極材料と電解質材料との界面に形成される電気二重層により蓄電を行うデバイス。

注3.3Dプリンティング:立体物を表す3次元データをもとに3D形状を造形する技術。

注4.イオン液体:室温で液体として存在する塩であり、陽イオン(カチオン)と陰イオン(アニオン)のみから構成される。燃えにくいという特徴を有していることから安全性に優れている。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学多元物質科学研究所
教授 本間 格(ほんま いたる)
電話:022-217-5815
E-mail:itaru.homma.e8*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学多元物質科学研究所
広報情報室
電話:022-217-5198
E-mail:press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

このページの先頭へ