故障予兆検知システムイメージ

システムの概要

  1. 車両搭載機器の故障予兆を自動検知することにより、鉄道の安定運行に貢献
    • 運行列車の車両制御情報管理装置(TIS※2 装置)が車両搭載機器から動作データを収集し、高速大容量無線通信でクラウド上のデータセンターに随時伝送
    • 伝送された動作データを基にデータ分析サーバーが閾値判定を行い、故障予兆を自動検知
    • 故障予兆を検知した場合は、原因究明のためのグラフや帳票を自動出力し、アラームと共に関係部署へタイムリーに通知し、早期の点検や部品交換による鉄道の安定運行に貢献
    • ※2

      TIS:Train-control Information Management System

  2. 故障予兆データを用いて機器・部品の寿命診断を支援し、交換周期の最適化を推進
    • 運行列車の車両搭載機器から収集した動作データと過去に発生した故障データパターンや機器・部品の使用実績を照合することで、機器・部品の寿命診断を支援し、不要な部品交換の削減も含めた交換周期最適化を推進

今後の展開

  1.  今回の試験運用の結果を踏まえ、2021年2月に運用開始される東京メトロ有楽町線・副都心線17000系にも適用する予定です。さらに、本システムの対象を車両推進制御装置や電源装置、保安装置などにも適用し、定期点検(TBM※3)の効率化と、状態監視による予防保全(CBM※4)を実現することで、さらなる安全・安定運行と鉄道車両保守業務の最適化に貢献します。

    • ※3

      TBM:Time Based Maintenance/経過時間を基準とした保守業務

    • ※4

      CBM:Condition Based Maintenance/機器の状態を基準とした保守業務