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シンプルな窒化ガリウム素子における量子ドットを観測 GaN FETを活用した量子デバイスへ

【発表のポイント】

  • シンプルな窒化ガリウム電界効果トランジスタ構造において、量子ドット※1が形成されることを電気伝導測定により観測した。
  • 半導体量子ビット・センサ等の量子デバイス※2応用や、材料内のミクロな不純物評価等への活用が期待される。

【概要】

窒化ガリウムおよびその積層構造には興味深い電子物性があり、発光素子や大電力素子、高周波素子等で活用されるようになっています。また窒化ガリウム微細構造を用いた量子細線や量子ドット等も報告され、量子系材料としても興味が持たれています。

東北大学電気通信研究所・大塚朋廣准教授、ローム株式会社・中原健研究開発センター長らの研究グループは、シンプルな窒化ガリウム電界効果トランジスタ構造において、量子ドットが形成されることを観測しました。精密な電気伝導測定により、トランジスタのON/OFF領域の境界において量子ドットに特徴的な電気伝導を観測し、不純物による量子ドット形成過程のしくみを解明しました。今回の成果は、半導体量子ビット・センサ等の量子デバイスへの応用や、材料内のミクロな不純物評価等への活用が期待されます。

本研究成果は2020年9月22日に、英国科学誌「Scientific Reports」に掲載されました。

図 窒化ガリウム電界効果トランジスタ構造において観測された量子ドットの電気伝導特性。

【用語解説】

※1 量子ドット
電子を微細な領域に閉じ込めたデバイス。電子の量子力学的な波の大きさと同程度の閉じ込めを実現すると、エネルギーの離散化等の量子力学的な効果が発現する。

※2 量子デバイス
量子力学的な効果を活用したデバイス。量子コンピュータに向けた量子ビットデバイスや、量子効果を利用して測定を行う量子センサデバイス等、研究が進められている。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究内容に関して)
東北大学電気通信研究所 量子デバイス研究室
准教授 大塚 朋廣
電話 022-217-5509
E-mail:tomohiro.otsuka*riec.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関して)
東北大学電気通信研究所 総務係
電話 022-217-5420
E-mail:somu*riec.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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