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超高耐久性を示すプロパン脱水素触媒を開発(触媒科学研究所 准教授 古川森也)

2020年6月8日
北海道大学
科学技術振興機構

ポイント

●厳しい運転条件下で世界最高の耐久性を示す新規合金触媒を開発。
●石油化学工業において重要なプロピレン製造において触媒再生のコストを大幅に削減可能。
●白金原子が孤立した特異的かつ熱安定性の高い活性点構造を構築できた点が鍵。

概要

北海道大学大学院総合化学院修士課程の中谷勇希氏,触媒科学研究所の古川森也准教授,清水研一教授,京都大学触媒・電池元素戦略拠点の平山 純特定助教,東京都立大学大学院理学研究科の山添誠司教授らの研究グループは,プロパン脱水素によるプロピレン製造において,高温条件下で世界最高の耐久性・選択性を示す新規合金触媒を開発することに成功しました。

研究グループは,白金とガリウムの合金ナノ粒子の表面に鉛を添加した触媒が,本反応において高い触媒性能(プロパン転化率30%,プロピレン選択率99.6%)を高温(600℃)で長時間維持できる(96時間以上),極めて高い耐久性を有することを見いだしました。プロパン脱水素においては通常,高温による著しい触媒劣化のため触媒を連続的に再生処理するプロセスが必要ですが,本研究結果の応用により触媒の再生処理にかかるコストを大幅に削減できる可能性があります。

なお本研究成果は,科学技術振興機構さきがけ研究領域「電子やイオン等の能動的制御と反応」研究課題「インターメタリック反応場でのプロトニクスを利用した高効率触媒系の開発」(課題番号:JPMJPR19T7)の支援を受けて得られたものであり,日本時間202065日(金)にNature Communications誌にオンライン掲載される予定です。

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