ブックタイトルメカトロニクス12月2020年

ページ
43/52

このページは メカトロニクス12月2020年 の電子ブックに掲載されている43ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

メカトロニクス12月2020年

MECHATRONICS 2020.12 43日本の産業構造の変化にともなう電子機器分野の話題商品を追う第30回 <微小チップ部品の登場で話題商品が変わる>い存在であるが話題商品には欠かせない必須な機能をもつ重要な部品である。3)3. 受動部品の技術動向 日本の受動部品業界が強いその秘訣は、表1に示すように“材料の内製化”、“製造装置の囲い込み”、“不断の技術革新”の3点に尽きる。今やその受動部品も「砂粒」ほどまで小さくなり、見えなくなってきた部品となり、世界を席巻している。 それでは代表的な“コンデンサ”、“抵抗”、“インダクタ” の動向について触れることにし、業界動向を体系化すると表2 のようになる。3-1. コンデンサ コンデンサは薄い金属板の間に絶縁物を挟んだ構造をしており、電荷を蓄え、放電も行う電子部品である。 コンデンサには固定コンデンサ、可変コンデンサ、アルミ電解コンデンサ、タンタルコンデンサなどがあり、タイプとしてチップ型、アルミ電解型、タンタル型、フイルム型、導電性高分子アルミ固体型などがある。 コンデンサなどの部品は、1980年代に積層手法が取り入れられて小型化が進んだ。 1980 年代は、3216(3.2×1.6mm)であったのが、現在は1/64 の0402(0.4×0.2mm)と砂粒ほどになり、さらに0201(0.2×0.125mm)へと進展した。 回路のデジタル化や大規模化に伴って、機器1台当たりのコンデンサ搭載個数は増加しており、例えば、携帯電話1 台に約200個、薄型テレビに約1,500個使用されている。3-1-1. アルミ電解コンデンサ 1984 年に松下電器が業界に先駆けてチップ化技術を開発し、その技術をニチコン、日本ケミコン、エルナー、ルビコン、サン電子工業(以上、日本)三蛍、三和電機(以上、韓国)の計7 社に技術供与の実績がある。アルミ電解コンデンサは低コストで小型、大容量が得られるのが特徴である(写真3)。3-1-2. セラミックコンデンサ セラミックコンデンサは、高密度実装を実現するためにサイズは 2012(2.0×1.25mm)→  1608(1.6×0.8mm)→  1005(1.0×0.5mm)→  0603(0.6×0.3mm)→  0402(0.4×0.2mm)→  0201(0.2×0.125mm)と推移し、電極材はパラジウムから銀・パラジウム、さらにニッケルに変えることで大容量化を達成している(写真4)。3-1-3. タンタルコンデンサ タンタル粉末を誘電体として陰極に二酸化マンガンあるいは導電性高分子を使ったのがタンタルコンデンサで、小型、大容量を特徴としてデジタル機器に使用されている。1005(1.0×0.5mm)まで微小チップ化されてスマートフォンへの搭載が可能になっている。3-2. 抵抗器 抵抗器は、半導体を動作させるために電圧を加える機能をはじめ、電流信号を電圧信号に変換する機能、流れる電流の制限、信号電圧の確定などの機能があり、抵抗器は汎用の厚膜チップ、高精度の薄膜チップ、超精密級の金属箔チップがある。 厚膜チップ抵抗器は、セラミック基板上に内部導体である銀系電極およびメタル系グレーズ抵抗体を形成し、一定の焼成温度で複数回の焼成工程を経て、所定の電気特性を得る。 さらに電極は鉛フリー化の条件を満足し、しかも高信頼性はんだ付けを維持しなければならない。内部電極、ニッケルめっき、すずめっきの3 層構造の電極が採用されている。 デジタル携帯機器の生産増に伴い、より小型化や部品点数の削減で、アレイ化(2→ 4→ 6→ 8 連)が進展している(写真5)。3-3. インダクタ インダクタは、① 電流の変化を抑えノイズを吸収する② 交流の電圧を下げたり、上げたりできる③ 直流は通して周波数で信号を選り分けるといった役割をもった電子部品であり、図2 のような種類がある(写真6)。 インダクタのチップ化が進展し、サイズは以下のように推移し、機器の小型化に寄与することになる。 3225(3.2×2.5mm)→  216(3.2×1.6mm)→  2520(2.5×2.0mm)→  2518(2.5×1.8mm)→  2016(2.0×1.6mm)→  2012(2.0×1.25mm)→1608(1.6×0.8mm)→  1005(1.0×0.5mm)→  0603(0.6×0.3mm)→  0402(0.4×0.2mm)→  0201(0.25×0.125mm) 以上、能動部品の小型化・軽量化・薄型化が進展し、それらを搭載するプリント配線板の板厚も1.6mm の標準板厚から0.6~0.8mm の薄物を採用することができ、電子機器の小型化・軽量化・薄型を達成することができるようになった。<参考資料>1)パナソニックデザイン History https://panasonic.co.jp/design/about-us/ history/1970/2)三木弼一、“私の技術者暦 新商品の開発と事業化に賭けて” 通信ソサイエティマガジン No.14[秋号] p7(2010)3)梶田 栄、“たかがコンデンサ、されどコンデンサ” エレクトロ ニクス実装技術 Vol.36 No.10 p18(2020)写真3チップアルミ電解コンデンサ写真40402タイプセラミックコンデンサ写真54連チップアレイ抵抗器写真63225タイプ巻線インダクタ表2 代表的な受動部品の業界対応動向技術対応項目内 容小型化・軽量化・高機能化? 0603や0402タイプチップ部品の充実と0201 の開発? ファインピッチのSMD? 多連チップ、アレイ化? タンタルコンデンサは1005サイズで薄型、大容量化? 巻線コイルは高さ1mm 以下で大電流対応? 極小チップと高密度回路基板を使った高機能モジュール? 低ESR 化? 低背化(部品内蔵化対応には厚み 0.05mm の極薄セラミックコンデンサ・チップ抵抗器の商品化)? 長寿命化環境保全? 鉛フリー対応端子(電極)? EU のRoHS 指令/ REACH 規則への対応? 紛争鉱物規制への対応? 環境配慮型部品の開発? 部品で使用する材料および接続での「鉛」の全廃電力供給? 電池の小型軽量化および長寿命化? スイッチングアダプターの小型、軽量、高効率化ノイズ対策? 高速差動伝送ノイズへの対応? 自家中毒現象への対応? 静電気対策回路保護? 電源の安全、高信頼性化図2 インダクタの種類