ブックタイトルメカトロニクス5月号2019年

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概要

メカトロニクス5月号2019年

MECHATRONICS 2019.5 11所在地:U R L:事業内容:東京都八王子市http://sio-miu.co.jp流体せん断装置、工程管理ソフトウエア、工作機械加工ノウハウの提供。株式会社 塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 御社のコア技術と それを活かした主力製品について お聞かせください駒澤 : 当社のコアとなる技術は「流体せん断技術」と呼んでいるもので、この技術に特殊なノズルを組み合わせた主力製品が流体せん断装置『SIO』になります(写真1)。主に研削盤やマシニングセンタなどの工作機械に設置するだけで、現在ご使用の加工液が大幅に性能向上され、優れた冷却効果と洗浄効果を発揮します。 基本的な機能は、水が撹拌/拡散され、加圧減圧による沸騰も作用し、水素結合が壊れて小さな分子の集合体になり、活性化されたせん断機能水となります(写真2)。このせん断機能水は、水溶性加工液との親和性も良く、表面張力が落ちて狭い部分に浸透し、加工熱の発生源に迫っていきます。 また、加工液が砥石や刃物、ワークにまとわりついて満遍なくかかるので、狙ったポイントにも届き、濡れ性が良く加工液本来の性能を発揮することが可能です。さらに、特殊な内部構造で生成されたマイクロファインバブルの爆発による衝撃波により、砥石や刃物、ワークへのスラッジや切り粉の付着を防ぎ、洗浄能力が高まりドレスサイクルも延長できます。 ただ、これらの機能はあくまでも基本的なもので、加工液の管理などを怠ると必ずしも導入した時と同じような結果が続くとは限りません。また、導入する装置やユーザー側の仕様変更などでも色々と状況が変ってきます。 そのため当社では、ユーザーが使用する装置や様々な仕様を想定し、デモや色々な実証実験が行えるような環境と設備を、当社の工場である秘密基地に整えています(写真3)。さらに、3Dプリンタや工作機械など試作品を製造する装置も導入しているため、すべてここで対応することが可能になっています。 『SIO』以外の最近注力している 製品についてお聞かせください駒澤 : まずは、今までなかなか行き届かなかったワークと砥石の??間に入り、より確実に加工熱を下げることが可能なクーラントホース用ノズル『スナイパーノズル』を紹介します(写真4)。 この製品は、クーラントホースの先端に取り付けるだけで、加工液の集中度や均一性が桁違いに変化し、これまでにないような加工を実現します(写真5)。品質面でも優れた結果が期待でき、砥石幅、ドリル径などサイズに応じたラインアップを用意しています。 主な特徴としては、①平面研削盤、円筒研削盤、センターレス研削盤、マシニングセンタ、NC旋盤など、幅広い工作機械に使用できる、②構造計算されたノズル形状が加工液の流れを整流し、均一な流量の加工液を確実に加工点に届ける、③ワークと刃物に合わせてスナイパーノズルのサイズを選択することができ、また研削盤用は縦に使うことで、側面研削に合わせて加工液を当てることが可能(写真6)、などが挙げられます。また、『SIO』と組み合わせることにより、さらに工作機械などのスペックを上げることも可能です。 次に、整流加工液を勢いよく加工点に送り込むことが可能な整流クーラントノズル『レクティファイヤー』を紹介します(写真7)。 金属の切削加工やマシニング加工において、「加工液をどれだけ効率良く刃具やワークに当てられるか」は重要課題の1つになっています。しかし、クーラントノズルから吐出された加工液が乱流のままだと、加工点に到達しにくくなります。この製品は、整流加工液を勢いよく加工点に送り込むことを目的に開発した高機能ノズルです(写真8)。 主な特徴としては、①現在使用されているクーラントホースの先端を『レクティファイヤ?』に替えるだけで、勢いのある整流加工液が確実にワークを捉え加工効率が向上する、②取り付けもワンタッチで従来のクーラントホースもそのまま使える、③切削加工を対象とした使い勝手のよい、省スペースタイプに完成されている、などが挙げられます。 現在は、1/4インチ型(REC-1/4)と1/2インチ型(REC-1/2)の2機種をラインアップしています。 今後の展開についてお聞かせください駒澤 : 近々では、4月17日(水)~20日(土)までの4日間、東京ビッグサイト青海展示棟で開催される『INTERMOLD 2019』に出展します。今回は、当社単独で6小間のスペース内にロボドリルや研削盤を配置し、実際に加工を実演して当社製品の効果を体験していただける展示を予定しています。 特に、中小企業の方々が抱えている課題解決のお手伝いができるような内容を目指しているので、多くの来場者の方にお立ち寄り頂きたいと思っています。 それから、当社の保有する特許が結構充実してきましたので、これを上手くビジネスに繋げていきたいと考えています。現状当社は、日本をはじめ、アメリカ、ドイツ、中国、台湾、シンガポール、韓国の特許事務所を使っており、これを活かして製品の販売だけでなく知財関連にも力を入れていく予定です。 そして最後に、当社の秘密基地に是非足を運んでいただきたいと思っています。この場所が、今後も当社のビジネスを支える拠点になっていきますので、まずはお越しいただいて当社の技術力を実感してもらえれば幸いです。 秘密基地にご興味のある方は、当社ホームページから「秘密基地潜入フォーム」を利用し、お申し込みしていただければと思います。本日はお忙しい中、ありがとうございました。写真6 『スナイパーノズル』を縦型に装着した側面研削の事例写真8 一般的なクーラントノズルと『レクティファイヤー』を通した整流水の比較写真4 クーラントホース用ノズル『スナイパーノズル』写真5 『スナイパーノズル』をクーラントホースに装着した事例写真7 整流クーラントノズル『レクティファイヤー』