ブックタイトルメカトロニクス10月号2018年

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概要

メカトロニクス10月号2018年

10 MECHATRONICS 2018.10 御社の概要についてお聞かせください太田 : 当社は1993年3月に設立した会社で、当初はある印刷機メーカーの制御用ソフトウエア開発を専門に行っていました。元々、私自身北海道出身で、ダムなどの設計を行うまったく違う分野の会社に勤めていましたが、ソフトウエアの開発には以前から興味があり、色々と独自で開発したものを会社の仕事に活かしていました。 東京には、叔父の経営するソフトウエアを開発する会社があり、人手が足りないなどの相談を受けている時期がありました。色々と考えた末、興味のあるソフトウエア開発に携われることもあり、叔父の会社に転職する選択をしました。 そして、先程お話したある印刷機メーカーを担当することになり、そこでは当時ソフトウエア開発を行う部署が設置されていなかったので、出向という形でプログラム開発を行っていました。そのような中である時、会社からは戻るように指示が出たのですが、印刷機メーカー側から独立して引き続きソフトウエア開発を担当してほしいという声を掛けて頂きました。私自身も会社経営に興味があり、それが当社を立ち上げるきっかけになっています。 その後、2009年頃まではその印刷機メーカーの仕事を柱にしていましたが、その印刷機メーカーも徐々に組織が確立し始め、内製化の動きが進むようになり、当社への仕事もだんだん減っていきました。元々、何か自社で新しい事業を始められないかと考えていたこともあり、本格的に色々と模索するようになっていきました。 そのような中、以前私と一緒 3Dスキャナの開発/製造/販売を中心に事業を展開する株式会社ノア。経済産業省が推進する「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポーティングインダストリー:通称サポイン)」に採択されたことにより、下請けからメーカーへ変貌を遂げた同社の概要と技術、製品などについて、代表取締役 太田 初 氏にお話を伺った。代表取締役太田 初 氏3Dスキャナ技術をコアに幅広い分野に事業展開~コスト/技術/使いやすさを追求した研究開発~に仕事をしていた仲間の友人で、3Dに関する研究を行っている日本でも有数な大学の先生がおり、その先生の協力が得られるようになったことで、当時あまり世に出ていなかった3Dスキャナの研究にチャレンジしていきました。そして、2010年度の経済産業省が推進しているサポイン(サポーティングインダストリー)と呼ばれている「戦略的基盤技術高度化支援事業」に採択されたことで、本格的な事業展開をスタートさせています。 拠点としては、会社設立時より何度か移転していますが、すべて茨城県つくば市内に本社を置いています。また、北海道札幌市に技術開発センターを設置しています。実は、3Dスキャナの研究にチャレンジするきっかけとなった、大学の先生を紹介してくれた以前の仕事仲間というのが北海道に住んでおり、たまたま転職を考えているということで当社に誘った経緯から、北海道に拠点を置いています。 現状では、北海道の技術開発センターで光関連の技術開発を行い、それ以外の制御関連の技術開発と営業などは本社で行っています。 サポインに採択された技術について お聞かせください太田 : 当社は、サポインに3度採択されており、すべて3Dスキャナに関する技術開発になります。「価格的にも、技術的にも、誰もが使いやすい3Dスキャナを創る」をテーマにスタートさせたこの取り組みでは、先程お話した3Dの技術に精通された大学の先生の指導により、これまで主流だったレーザ3Dスキャナに代わり、一般ユーザーが幅広い用途に活用できる新しいタイプとなる3Dスキャナの技術開発を進め、これを当社のコア技術として確立させていきました。 二度目のサポインでは、このコア技術を応用し、侵入者をリアルタイムに3D検知する『侵入検知システム』の開発を行っています。このシステムは、3次元で設定した検知エリアのデータを最初に取り込み、その後リアルタイムでその検知エリアのデータを取り込みながら、最初のデータと常に比較することで人の侵入状況が分かるようになっています。 例えば、大型の機械を使用して作業を行う時など、安全/安心面の確保からレーザシステムを使って人の出入り状況を管理したりしますが、中にはイレギュラーなケースも発生して必ずしも正確に管理されているとは限りません。そのような時に、このシステムをレーザシステムと併用することにより、様々なイレギュラーなケースにも対応し、安全/安心な作業環境を確保できると考えています。現状では、大手の自動車メーカーで試験的に導入されており、色々とテストを行っています。 そして、三度目となるサポインは今年(2018年度)採択され、豚などを非接触に計測して推定体重を表示する『非接触体重推定システム』の開発を行っており、ここでもコアとなる3Dスキャナの技術が活かされています(写真1)。当社では、すでに数年前から一般の農家の協力を得て、豚20頭ぐらいのデータを頂き、研究を行っていました。しかし、豚の生活環境や餌、月齢などにより、体重を推定する基礎となる数値は変化すると考えていました。そのため、より多くのデータを収集し、推定体重の正確性を高めることが今株式会社 ノア写真1 『非接触体重推定システム』写真2 3Dスキャナ『Hapimo:3D』