ブックタイトルメカトロニクス9月号2018年

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概要

メカトロニクス9月号2018年

MECHATRONICS 2018.9 9レーザ誘起ブレークダウン分光法の原理を採用しインクジェットデジタル捺染機の最新機種について半導体洗浄液中の微量な金属元素を短時間で測定する新技術を開発国内生産および販売を開始 (株)島津製作所は、レーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS:Laser Induced Breakdown Spectroscopy)の原理を用いて、微量な金属元素を測定する新技術を開発し、試作機による実証実験を開始した。 今回開発した新技術は、専用のプレート上で蒸発乾固させた測定対象物にレーザを照射することでプラズマを発生させ、このプラズマから放たれる光を検出することで、対象物に含まれた金属元素を数ppm(1ppmは100 万分の1)オーダーで同定/定量できる。この感度は、LIBSの原理を基礎にした測定手法として世界最高レベル(2018年7月現在、同社調べ)。この技術を用いて開発した試作機は、幅1×奥行き1mに収まる設置面積ながら、半導体洗浄装置との連動が可能。洗浄液のサンプリングから測定までを自動化しており、洗浄液を汚染する銅やアルミニ セイコーエプソン(株)は、インクジェットデジタル捺染機『Monna Lisa(モナリザ)』シリーズの最新機種『MonnaLisa Evo Tre』について、日本国内における生産および販売を開始する。 従来、同社のデジタル捺染機の生産/販売は欧州が中心だったが、同製品を機に国内生産を強化していくとともに、国内における販売も開始し、アジア/オセアニア地域へも拡大していく。これにより、同社のデジタル捺染ビジネスのグローバル展開を進め、捺染分野におけるインクジェットによるデジタル印刷へのシフトを加速させていく。 同社は、強みとするインクジェット技術を生かしてデジタル捺染にいち早く取り組み、2003 年にFratelliRobustelli S.r.l.(以下、ロブステリ社)とデジタル捺染機『Monna Lisa』を共同開発した。同製品は、ロブステリウム、チタンなどの微量な金属12成分を1分程度で同時測定することに成功している。同技術の実用化により、洗浄プロセスにおける微量な金属のモニタリングを通じた歩留まりの向上や、洗浄液交換周期の把握による製造コストの低減などが期待される。 半導体の製造工程では、ウエハ上の金属や異物を洗浄液によって取り除く洗浄工程が、プロセス全体の20~30 %程度を占めている。現在は、使用時間で洗浄液の交換周期を決めることが一般的なのに対し、近年は洗浄液の効率的な利用による製造コストの削減や環境負荷の低減が必要とされるため、製造現場でリアルタイムに洗浄液の汚染状態をモニタしたいというニーズがある。同社はこうしたニーズに応えるため、保有するレーザ光学技術や分光技術を生かしたLIBS 技術の研究を進めてきた。社が製造および販売を担い、高級捺染業の拠点であるイタリア・コモ地域をはじめとする欧州において高い評価を集め、確固たるブランドを確立している。 今回の最新機種は、同社最先端のインクジェットプリントヘッド『PrecisionCore(プレシジョンコア)プリントヘッド』を搭載しており、従来機種と比較して画質および生産性が大幅に向上している。 今後は2019 年度に、同社広丘事業所内に商業/産業用大型印刷機の試作・量産工場およびデジタル捺染のテストラボを備えた新棟を建設し、日本とイタリアの2 拠点からグローバルに製品/サービスを提供する体制を確立する計画。また、プリンティングソリューションズ事業の本社機能が集約されている同事業所において、関連部門と密接に連携しながら研究開発や企画設計を行うことで、デジタル捺染の技術と製品をさらに進化させていく。2018.9 同社では今後、半導体製造装置メーカーや半導体メーカーでの実証実験を進めて試作機のユーザビリティ改善や性能向上を図り、2020 年内の実用化を目指していく。請求番号J5004請求番号J5003請求番号J0005