ブックタイトルメカトロニクス12月号2017年

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概要

メカトロニクス12月号2017年

MECHATRONICS 2017.12 11所在地:U R L:事業内容:東京都港区https://jp.tek.com汎用計測器/ビデオ計測器などの輸入販売、アフターサービス。テクトロニクス社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ミックスドシグナルオシロスコープ『5シリーズ MSO』になります(写真3)。この製品には、ユーザーニーズより生まれた今までにない5つの大きな特徴があります。 まず1つ目は、4 /6 /8チャンネルを用意したモデルであるということで、最大8チャンネルのアプリケーションに対応することができます(写真4)。特に三相電力やカーエレクトロニクスでは、実際に4チャンネル以上のオシロスコープが必要とされていましたが、これ以外でも組み込みでマルチチャンネルの測定になると4チャンネルでは足りなくなります。従来では、通常のオシロスコープを2台組み合わせて、大変な労力をかけて信号観測するということもありましたが、この製品では最高で8チャンネルの信号を同時に観測することができます。 2つ目の特徴は、構成自由なオシロスコープ入力です(写真5)。これは、オシロスコープの入力チャンネルが、プローブを交換するだけでアナログ1チャンネル、またはデジタル8チャンネル入力になるという画期的なFlexChannel 技術により実現しています。このFlexChannel技術は、再構成可能なオシロスコープ入力で、今までにない当社独自の技術です。標準では、従来のVPIインタフェース接続で既存のアナログプローブが接続できますが、追加のコネクタにより新しくデジタルプローブにも対応しました。当社新製品のロジックプローブ『TLP058 型』を接続すると、オシロスコープの入力は8チャンネルデジタル入力に変換されます。1本から8本までの必要なだけのロジックプローブが追加できますので、8~64チャンネルまで任意にデジタルチャンネルを構成することが可能です。 3つ目の特徴は、オペレーティングシステム(OS)が選択可能であるということです。オシロスコープのOSは通常、専用のクローズド環境(リアルタイムOS)か、オープンなWindows 環境で、オシロスコープのモデルによって異なります。5シリーズでは、ユーザーがクローズ環境かオープンなWindows 環境のどちらか選択することができるようになりました。OSが異なっても、ユーザーインタフェースや操作方法はまったく同じです。Windows 環境を選択される場合は、オプションのSSDをインストールするだけの簡単な操作で変更ができ、そのSSDをアンインストールすればクローズ環境に戻せます。これは、非常にユニークな機能であり、この製品の特徴でもあります。 4つ目の特徴は、15.6 型HD(1920×1080)静電容量方式のタッチスクリーンディスプレイです(写真6)。オシロスコープとして、今までにない大きさのディスプレイと解像度を実現し、非常に精細で見やすい表示を提供します。ピンチ、ズーム、スワイプといったスマホと同様の直感的な操作が可能で、タッチとマウスの両操作に対応しています。 そして5つ目は、タッチ操作用に最適化されたユーザーインタフェースです。従来から、タッチスクリーンを搭載したオシロスコープもありましたが、多くは従来のユーザーインタフェースにただタッチスクリーンを装備しただけのものでした。この製品は当初からタッチスクリーンをベースにオシロスコープのインタフェースを設計しており、その特性を活かした直感的でダイレクトの操作が可能になっています。 新しいインタフェースの採用により、当社従来製品とは大きく異なる操作方法になっていますが、タッチ操作だけでなく、新しいノブによる操作やLEDリングの採用などで、だれでも簡単に使えるような数々の工夫がされています。今まで、古くても使い慣れている従来の操作を好まれていたお客様からも、「これはいいね」と好評を頂いています。 オシロスコープでもう1つ重要なのは、長く使えるということですが、5シリーズでは多くの性能、機能が購入後でもアップグレードが可能です。将来のアプリケーションの要求の変化にも安心して、長期にわたって使用して頂けます。 今後の展開についてお聞かせ下さい大石 : 5シリーズはユーザーニーズより生まれたこの新しいASICを使った初めてのプラットフォームになります。今後は、このプラットフォーム自体のさらなる性能向上、あるいは他の製品ラインへの展開によって、様々なアプリケーションに対応できるソリューションを提供してゆきたいと思っています。 それから、今回はオシロスコープを中心にお話させて頂きましたが、お客様の信号をオシロスコープに忠実に伝えるプローブも、非常に重要な役割をもちます。そのため、当社でも世界最高クラスのプローブのラインアップを用意しています。 特に、GaNやSiCなどの登場による新しいパワー技術の計測においては、プロービングは大きな課題の1つになっています。当社ではこうしたニーズに対応するため、IsoVu(アイソビュー)という画期的な光アイソレーション技術を開発し、昨年『TIVMシリーズ』、そして今年『TIVHシリーズ』と広帯域の差動プローブの販売を開始しています(写真7)。 IsoVu 技術は、E/Oセンサを利用して電気信号を光信号に変換することにより、オシロスコープとプローブを電気的に完全に絶縁しています。これによりコモンモードノイズに埋もれていた信号を可視化し、差動信号上での高解像測定が可能になります。 プローブ性能がお客様のニーズを満たしていないと、いかに素晴らしい性能のオシロスコープがあっても正しい計測ができません。プローブは当社の特徴の1つにもなっていますので、今後もさらに新しいプローブの拡充に力を入れていきたいと考えています。 また、冒頭にお話しさせていただいたデータセンタやワイヤレス、自動車などの新しい計測課題には、オシロスコープだけでなく、その他の計測器も必要になります。当社では、今紹介させて頂いた製品以外にもスペクトラムアナライザ、ネットワークアナライザ、ジェネレータ、SMUなどの豊富にそろえておりますが、これらの製品群につきましても、お客様の課題にフォーカスした製品展開、ソリューション提供を図っています。本日はお忙しい中、ありがとうございました。写真4 4/6/8チャンネルを搭載写真7 光アイソレーション型差動プローブ『TIVMシリーズ』写真5 構成自由なオシロスコープ入力写真3 ミックスドシグナルオシロスコープ『5シリーズ MSO』写真6 15.6型HD(1920×1080)静電容量方式タッチスクリーンディスプレイ