ブックタイトルメカトロニクス6月号2017年

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概要

メカトロニクス6月号2017年

14 MECHATRONICS 2017.6500号記念 特別500号記念 特別 会社の概要と沿革について ハイロックスの前身の会社は、レンズを国内で生産しようというのをきっかけに創立されています。創立当初は民生用のレンズを製造していましたが、創立2年後の1980 年からは弱視者用TVレンズを初めとする特殊レンズの設計・販売に乗り出しています。 それを皮切りに、検査機器のシステム開発・設計・販売を開始し、1985 年には世界初のビデオマイクロスコープを開発して、官公庁や民間企業への納品を始めるに至りました。 従来の顕微鏡を使った観察の場合、平面的な映像しか見られないことから、CTスキャンのように画像を重ね、頭の中で立体像として組み立てていたものです。それを、光学的に深く撮って、誰もが拡大映像を立体的に観察できることを実現したのが、1985 年に販売を開始した『KH-2000』です。 当初のマイクロスコープの照明ではハレーションを起こしたり暗部ができたりと、拡大映像を観察するに値するきれいに映像が得られないということから、その後、照明をレンズに内蔵することで、拡大されても対象物を立体的に捉えることができるようになっています。しかも、光を照射する角度や光の拡散などをコントロールできるため、より対象物のディテールを浮き上がらせることができるような工夫も施しました。 照明のノウハウは、「見えないものを、どのような表情で見るかは照明で決まる」という考えに基づくもので、照明自体にも様々な工夫を取り入れています。 現在は、深い深度をさらに深く撮ろうとして、コンピュータでソフト的に重ね合わせも行っています。しかも、ピントが合っているピクセルに対して1つずつ座 1978 年に設立された株式会社ハイロックスは、来年に創業40周年を迎える。独自の技術力でユーザーの信頼に応え、きめ細やかなカスタムメイドにも対応できるフットワークと妥協を許さないものづくり、そして同社の誇る主力製品などについて、代表取締役 上代 洋一 氏にお話しを伺った。株式会社 ハイロックス代表取締役上代 洋一 氏所在地:U R L:事業内容:東京都杉並区http://www.hirox.comデジタルマイクロスコープの設計・開発、製造および販売、並びにレンズを含む関連製品の販売。株式会社 ハイロックス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・拡大ズームレンズと2つの3Dテクノロジーでデジタルマイクロスコープの世界を開拓~観察治具として、高画質と操作性を両立~標を付けていき、CTスキャンの映像から3D 映像を作り出すのと同じような働きをさせることも実現しています。そのデータを利用することで、対象物の拡大映像をあらゆる角度から見られることになり、あたかも自分がその物体を手に取っているかのように観察することができるようになりました。また、CGでモデリングした立体から、図面の作成を可能にするといったところまで進化を遂げています。 主力製品2機種の特徴 現在、当社の主力製品は、オールインワンモデルの『RH-8800』と、機能拡張モデルの『RH-2000』です。 オールインワンモデル『RH-8800』は、「観る」「撮る」「測る」をひとつに集約しながら、すべてに最高性能を追求したタイプです。多彩な機能がなめらかに連携することで、オペレータの立場に立って、誰もが直感的に、しかもやさしく操作できることを追求しました。また、将来的なニーズにも応えられるよう、機能・性能のバージョンアップにも対応できるモデルです。 一方、機能拡張モデル『RH-2000』は、用途に応じて、必要な機能だけを自由にチョイスすることができます。基本的な観察機能に加え、2D 計測、3D 計測、画像連結機能等の構成をテーマに合わせてカスタマイズできますので、システム構築に際して過剰な投資が必要ありません。しかも、購入後の機能追加や機能拡張も可能ですから、研究内容の変化や観察項目の多様化にも柔軟に対応できます。さらに、PCとの親和性で確かな成果をもたらします。 この2製品に代表されるように、当社の優位点は、レンズと照明技術、そしてロータリヘッドです。特に、ロータリヘッドで光学3D観察すると、平面的な観察では映し出されなかった細部までが立体的に見られるため、質感や材質など細かいディテールまで、すべてが手に取るように映像として得られます。CGで3Dモデリングしても同様の画像は得られるものの、立体認識したい場合には、光学3Dの方が圧倒的に解像度が高くなり、より自然な状態での観察を実現できることになります。 また、当社の独自技術によるレンズと、メインユニットのアプリケーションとの組み合わせで、幅広く奥深く、そして迅速な観察アプローチを実現しています。そこには、等倍から7000 倍領域をカバーする業界最高倍率の拡大ズームレンズや、光学メーカー独自の一歩先を行く照明技術、ワンクリックで瞬時に画面全体にフォーカスを合わせる「ライブフォーカス」、表面形状を的確にとらえる3D合成などの特出した技術の裏打ちがあります。 今後の展開 当社では、デジタルマイクロスコープを、専用機としてではなく、「観るための治具」と認識しています。したがって、応用分野は限りなく広いものととらえ、その上でユーザーニーズにあった製品開発を続けていこうと考えています。 マイクロスコープに対し、ユーザーは紙芝居的な映像を求めているのではなく、広い視野で立体的な映像として認識したいという要求があります。しかも、立体視する技術は、様々な分野の応用に広がり、その映像データを活用することによってモデリングから計測まで、あらゆる用途に対応できるようなソリューションに成長していくと考えられます。 従来は光学的に見ていたところから、コンピュータを使うことによって、これからの3Dは、立体的に「測れる」「観られる」「録画できる」「データを保存できる」をどれだけ簡単にできるかにかかってくるのではないでしょうか。いわば「観察治具」です。 将来的には、3Dで、どれだけ簡単に撮影でき、どれだけ簡単に呼び出して、「観る」「撮る」「測る」、そして「解析する」が実現できるかがキーポイントになってくると考えています。オールインワンモデル『RH-8800』35~2500倍のACSレボズームレンズ『MXB-2500REZ』機能拡張モデル『RH-2000』光学3D観察を実現するアダプタ