ブックタイトルメカトロニクス5月号2017年

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概要

メカトロニクス5月号2017年

8 MECHATRONICS 2017.5金属3Dプリンタを用いたモバイル端末の虹彩認証やPCの顔認証向けにアルミニウム(AlSi12)の受託造形サービスを開始小型高出力赤外LEDを2機種開発 白銅(株)は、金属が造形できる3Dプリンタを用いて、アルミニウム(AlSi12)の受託造形サービスを2017 年4 月3日より開始した。これにより、従来の特殊鋼(マルエージング鋼)、ステンレス鋼(SUS630)に続き3 鋼種目をラインアップすることで、開発ユーザーの幅広いニーズに対応することが可能となった。 同社は、2015 年1 月に神奈川工場(神奈川県厚木市)に米3Dシステムズ社製の金属3Dプリンタ『ProX DMP300(最大造形範囲:縦250×横250×高さ300mm)』を1 台導入し、受託造形サービスを開始。今回、同工場に米3Dシステムズ社製の金属3Dプリンタ『ProX DMP200(最大造形範囲:縦140×横140×高さ100mm)」を1 台導入したことで2台体制となった。造形するアルミニウムは「AlSi12」で、約12 %のSiを含んだ合金。JIS シチズン電子(株)は、スマートフォンやタブレットといったモバイル端末の虹彩認証や、PCの顔認証などに使用される、小型の高出力赤外LED『CL-1500-IRA』と『CL-1520-IRC』の2 機種を開発した。 『CL-1500-IRA』は、虹彩認証用の光源として最適な810nm波長を出力する高出力赤外LEDで、ピンポイントで照射し、モバイル端末の虹彩認証に最適。『CL-1520-IRC』は、広角レンズ搭載で高出力/広指向角を実現した赤外LEDで、PCの顔認証や監視カメラの夜間撮影に最適。2 機種とも同社が長年の実績から培った小型パッケージング技術により、3.5×3.5mmの小型化を実現。実装スペースが縮小でき、モバイル端末の一層の小型/薄型/高機能化に貢献。また、『CL-1520-IRC』は高さも2.3mmに抑えており、近年加速するノートPCの挟額縁化にも対規格のなかでは、ADC1(アルミダイキャスト合金)に相当する。 金属3Dプリンタは、従来の製造方法では何らかの制約により、実現できなかった形状の部品開発を行うことで、部品/製品の本来の能力を向上させることが可能になる。すでに、同社の金属3Dプリンタで造形した部品が、製品として世の中に出ているものもあり、現在も数社から製品化に向けた試作品の造形依頼を受けている。しかし、まだ3Dプリンタで金属が造形できることが広く知られていないことと、開発ユーザーでもこの新しい技術をどのように活用していくかが見えていないのが現状である。 同社では、アルミニウム(AlSi12)の受託造形サービスを開始することで、軽量化を目的とする部品/製品の開発や、熱交換部品の性能向上、現在の溶接構造から一体構造応。さらに、同社独自の光学設計技術と発光効率を高めたパッケージング技術により、『CL-1500-IRA』は赤外光放射強度2900mW/srを実現し、対象物を確実に照射する。『CL-1520-IRC』は赤外光出力1300mW/1Aを実現し、遠距離まで赤外光を照射することが可能。 スマートフォンやタブレットといったモバイル端末は、インターネットバンキングやオンラインショッピングなどで使用されることが増えており、高精度で安全性の高いセキュリティとして虹彩認証や顔認証といった生体認証が求められている。また、近年世界的に防犯意識の高まりや犯罪抑止効果から、夜間撮影が可能な監視カメラの需要も高まるなど、セキュリティ市場は年々拡大している。 同社では、2機種とも2017年4月よりサンプル出荷を開始する予定。化を検討する試作品などの案件に対応していきたいと考えている。さらに、金属3Dプリンタによる造形のメリットや造形ルール、懸念点なども含めて広く訴求することで需要喚起につなげ、将来的には製品の量産に係わりたいと考えている。2017.5請求番号E5002請求番号E5001請求番号E0004