ブックタイトルメカトロニクス5月号2017年

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メカトロニクス5月号2017年

44 MECHATRONICS 2017.5日本産業洗浄協議会名誉理事 相模環境リサーチセンター 所長 小田切 力「中小企業における地球温暖化対策」のアンケート調査~(1)調査票の内容~【第182回】■本調査報告書のねらい(1)調査目的 わが国の「地球温暖化対策計画」(2016年5月、閣議決定)では、温室効果ガス排出量を「2030年度に2013年度比26%削減」する目標を掲げた。特に、中小企業が多数を占める卸・小売・サービス業や事務所ビルなどを抱える「業務部門」では約4割削減する必要があるとされている。 しかし、多くの中小企業にとって、省エネ対策をはじめとする地球温暖化対策に自主的に取組む意欲はあっても、省エネ推進の企画・実行に人員を割くことは難しく、自社の電力使用量や節電可能な作業工程の把握などノウハウに乏しい場合も多い。また、電力コストの高止まりが続く中、新たな省エネ関連設備等への投資余力にも乏しい状況にある。このため、中小企業に対する省エネ対策等の取組促進にあたっては、ハード・ソフト両面での環境整備がとても重要となってくる。 そこで、本調査を通じて中小企業における地球温暖化対策(省エネ対策等)の取組状況や課題等を把握するとともに、中小企業の実態やニーズ、地域の実情に応じた課題解決に向けたアプローチ策を検討・提案することを目的に調査を実施することとする。(2)調査方法 日本商工会議所が各地商工会議所を通じて全国の会員企業を対象にアンケートを実施した。書面(郵送またはFAX)またはWebにより、全国801社から回答を得た。(3)調査期間 2016年9月21日から同年11月30日まで。■調査票の内容 今回の調査が行われた時の「調査票」は、以下の通りであった。Ⅰ.わが国の地球温暖化対策を巡る動きについて問1.昨年末に開催されたCOP21で「パリ協定」が採択されました。日本においても、①温室効果ガスを2030年度に2013年度比で26%削減するという中期目標の達成に向けて着実に取り組むこと、②長期的目標として2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指すという方向性が示されました。本件の内容をご存じですか。該当するものを選択してください。【それぞれ○は1つ】①「2030年度に26%削減する」という中期目標について1.知っている2.言葉は聞いたことがある3.知らない②「2050年までに80%削減する」という方向性について1.知っている2.言葉は聞いたことがある3.知らない問2.現在、政府において、家庭部門を中心にCO2削減を呼びかける「COOL CHOICE(クール・チョイス)」活動を通じて、地球温暖化対策に係る取組を推進しております。本件の内容をご存じですか。該当するものを選択してください。【○は1つ】1.知っている2.言葉は聞いたことがある3.知らない問3.本年5月に閣議決定された、わが国唯一の地球温暖化に関する総合計画である「地球温暖化対策計画」において、森林吸収源対策として「森林整備等の財源に充てる税制(森林環境税(仮称))などの新たな仕組みを検討する」ことが記載されています。今後、仮に個人に加え企業にも森林環境税が新たに課税(増税)されることとなった場合、どのように考えますか。該当するものを選択してください。【○は1つ】1.新たな課税(増税)には反対2.どちらかというと新たな課税(増税)には反対3.どちらとも言えない4.どちらかというと新たな課税(増税)には賛成5.新たな課税(増税)には賛成6.わからない(注)地球温暖化対策計画(平成28年5月13日閣議決定/該当部分を抜粋)(2)温室効果ガス吸収源対策・施策①森林吸収源対策 このため、森林整備等に関する市町村の役割の強化や、地域の森林・林業を支える人材の育成確保策について必要な施策を講じた上で、市町村が主体となった森林・林業施策を推進することとし、これに必要な財源として、都市・地方を通じて国民に等しく負担を求め、市町村による継続的かつ安定的な森林整備等の財源に充てる税制(森林環境税(仮称))などの新たな仕組みのCO2排出量を減らすための規制的手法として、「大型炭素税」の導入(増税)や、企業のCO2を検討する。その時期については、適切に判断する。問4.CO2の排出量を減らすための規制的手法として、「大型炭素税」の導入(増税)や、企業のCO2排出量に枠(キャップ/上限)をはめて罰則を科す「排出量取引制度」を導入してはどうかとの意見があります。事業活動や国民生活における炭素価格の費用負担増についてどのように考えますか。該当するものを選択してください。【○は1つ】1.新たな規制的手法には反対2.どちらかというと新たな規制的手法には反対3.どちらとも言えない4.どちらかというと新たな規制的手法には賛成5.新たな規制的手法には賛成6.わからない(注)炭素税:化石燃料等の炭素量に応じて課税するもの。(注)排出量取引:全体又は事業者ごとに排出枠(キャップ/上限)が設定され、事業者は自らの実排出量相当の排出枠を調達する義務を負う。未達の場合は罰則があることが一般的。(参考)地球温暖化対策のための税(温対税):低炭素社会の実現に向け、「再生可能エネルギーの導入」や「中小企業の省エネ対策」をはじめとする地球温暖化対策(エネルギー起源排出抑制対策)のため導入された税。全化石燃料に対してCO2排出量に応じた税率を上乗せ。<問4で「1」「2」と回答した方にお聞きします>問5.新たな規制的手法として「大型炭素税」や「排出量取引制度」の導入に反対の理由は何ですか。以下にあげた項目ごとに、該当する理由を選択してください。【○はいくつでも】1.導入により、家計や企業の負担が重くなるため2.導入により、経済への影響が懸念されるため(景気回復の足かせとなる、企業の国際競争力が低下する、産業の空洞化が起こる等)3. 炭素税等により生じた税収が政府によって無駄に使われるかもしれないため4.各種エネルギーには既に多くの税が課かっていて、これ以上の負担に耐えられないため5.他の手法(温対税、自主的取組、JCM等)の方が優れているため6.導入の具体的・定量的効果がないと思うため7.特にない8.その他<補足説明:            ><問4で「4」「5」と回答した方にお聞きします>問6.新たな規制的手法として「大型炭素税」や「排出量取引制度」の導入に賛成の理由は何ですか。以下にあげた項目ごとに、該当する理由を選択してください。【○はいくつでも】1.エネルギーの価格を上げれば、人々が損得勘定の下で自然とエネルギーの節約などをするようになり、地球温暖化防止につながると思うため2.国民一人一人の環境を大切にする気持ちを呼びさますと思うため3.地球温暖化対策には、社会全体で相当のお金がかかり、その費用負担は、温室効果ガスの排出量に応じてなされるべきだと考えるため4.家庭やオフィス、マイカーを中心にCO2の排出量がなかなか減らないので、この解決のために新たな仕組みを取り入れることが必要と感じるため5.現在の温暖化対策は、規制を受ける人・企業や、自主的に取り組む人・企業が取り組んでいるだけで、何もしていない人も大勢いるが、新たな規制的手法の導入により、全員参加の仕組みができるため6.特にない7.その他<補足説明:            >Ⅱ.貴社の地球温暖化対策(省エネ対策等)の取組状況について問7.貴社の経営課題や経営計画などの中に「地球温暖化対策(省エネ対策等)」を明記したり、取り組んだりしていますか。以下にあげた項目で該当する状況を選択してください。【○は1つ】1.積極的に取り組んでいる2.ある程度取り組んでいる 問8-1~問8-4へ3.あまり取り組んでいない 経済産業省は、2017年3月17日に報道発表を行い、“中小企業の地球温暖化対策を初めて調査し、集計結果をとりまとめた”ことを紹介した。同発表には、添付資料として、「中小企業における地球温暖化対策(省エネ対策等)の取組みに関する調査結果<全体詳細版>」と題する80数ページの報告書と、そのスライド版6ページが紹介されている。 今回は、地球温暖化対策では、現在特に省エネ問題が中小企業および家庭で問題視されていることを考慮して、そのアンケート内容を紹介する。紙面の都合でアンケート結果の紹介の余裕がなく、是非インターネットの集計結果をご参照頂きたい1)。