ブックタイトルメカトロニクス2月号2017年

ページ
10/52

このページは メカトロニクス2月号2017年 の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

メカトロニクス2月号2017年

10 MECHATRONICS 2017.2 御社の概要についてお聞かせ下さいアルトハウス : 当社の親会社であるPINK GmbH(略称:PINK 社)は、真空特殊システム、線形加速器用UHVシステム、イオンビーム治療システム、精密コーティングシステム、リークテストシステム、真空リフローオーブン、標準真空コンポーネントなど、真空技術に関する製品を提供するPINK GmbH Vakuumtechnik(ピンク有限会社バキュームテクノロジー)と、真空ソルダリングシステム(はんだ付け)、表面加工のための低圧プラズマ装置、乾燥および加工技術用装置など、サーモシステムに関する製品を提供するPINKGmbH Thermosysteme(ピンク有限会社サーモシステム)の2つの事業グループによる企業になります。本体となるPINK GmbH Vakuumtechnik は1986年に設立し、PINK GmbH Thermosystemeは1992 年に設立され、両社ともドイツのヴェルトハイムに本社を設置しています(写真1)。そして、日本支社となる当社は、サーモシステムに関する事業のみを行う現地法人として、2015 年1月に設立されました。 ドイツに本社を置くPINK GmbH(ピンク有限会社)は、このたび初めての現地法人を日本に設立した。今回は、日本支社における事業の概要と技術などについて、会長 アンドレア アルトハウス 氏、代表取締役社長 三浦 節朗 氏、シニア エンジニア 五百井 理文 氏、アプリケーション エンジニア 相子 和也 氏の4名にお話を伺った。ピンク・ジャパン株式会社会長アンドレア アルトハウス 氏代表取締役社長三浦 節朗 氏アプリケーション エンジニア相子 和也 氏シニア エンジニア五百井 理文 氏サーモシステムに関する事業を目的に日本支社を設立~3つの技術を柱にユーザーニーズにマッチする製品を提供~三浦 : 日本支社を設立する以前は、代理店制度を行っており、近年では電気自動車の普及などでパワー半導体の需要が好調な伸びをみせていることから、日本国内において自動車業界を中心に2009 年頃からすでに20台以上の装置を販売していました。特に日本は、パワー半導体の売り上げ規模などが欧州に続いて世界第2 位に位置付けられており、今後も成長していく市場であるということがいえます。そのため、すでに代理店制度を行って知名度もありましたが、直接お客様の声を聞きながら販売を進め、さらにアフターサービスも直接行っていきたいという思いから、今回の現地法人設立に至りました(写真2)。 PINK 社にとって、当社が初めての現地法人設立になり、他の地域では現在も代理店制度を行っています。設立した2015 年の1 年間は、代理店からの引き継ぎなど事業展開への準備を行い、2016 年から本格的に活動をスタートさせています。現在は、真空ボイドフリーソルダリング接合のための装置およびシステムを提供するソルダリング、信頼性の高い耐熱性焼結接合を提供するシンタリング、「第4の状態」ともいわれるプラズマ、といった3つの技術を柱に事業展開を進めています。 では、ソルダリング技術について お聞かせ下さい。五百井 : 先程も当社の概要で話が出ていましたが、代理店を通じて日本国内に設置されている20台以上の装置は、すべてソルダリング技術に関連する真空リフローはんだ装置で、大手パワー半導体メーカーなどの研究開発部門を中心に導入されており、一部では量産にも使われています。また、その企業が海外に工場をもたれている場合に、そちらにも導入しているケースがあります。ソルダリングに関する事業としては、それらすでに設置した装置のアフターサービスや引き合いなどの対応、今までに実績のない分野などにプロモートしていく準備を現在行っている状況です。 装置についての概要は、コンパクト構造と高い信頼性を実現する研究開発/実験室/小規模連続生産向けの『VADU 100』(写真3)、2つの分離されたプロセスチャンバを装備したバッチ型の『VADU 200XL』(写真4)、3つの分離されたチャンバを装備した大量生産に最適なインライン型の『VADU 300XL』(写真5)をシリーズとして用意しています。基本的に装置内の技術に関しては、処理容量以外ほとんど同じような内容になっています。装置の特徴としては、はんだ付けをする際に熱を加えて溶かしたり、はんだの中にあるボイド(気泡)を真空状態にして取り除くという過程がありますが、その過程の中で表面をきれいに(還元)処理するためにプロセスガスというものを使用しており、PINK 社ではそのプロセスガスにギ酸を使い、表面を活性化させて濡れ性をとっています。 現在、国内の競合他社もギ酸を使うようになってきましたが、これまではそれほど馴染みがなく、また刺激臭があるためこのような用途で使われていませんでした。ただ、欧州では古くから穀物の殺菌にギ酸を使うなど馴染みがあったので、PINK 社では当初よりギ酸を使う手法を確立していました。国内では、今までフラックスを使って濡れ性を確保するケースが多く、その場合フラックスが気化した際に装置内に再付着し、装置に影響を与えます。また、はんだ加工時に生成した写真1 ヴェルトハイムの本社外観写真2 日本支社のスタッフ