ブックタイトルメカトロニクス1月号2017年

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概要

メカトロニクス1月号2017年

MECHATRONICS 2017.1 43・2002年8月:(森林)ブラジルはアマゾン北部に、総面積390万ヘクタールにおよぶ世界最大の国立雨林公園を設置。・2002年9月:(森林)アメリカは世界で2番目広大な手つかずの熱帯林の地域であるアフリカのコンゴ川流域を保護するために、3600万ドルの援助を約束。・2003年5月:(森林)アマゾンの森林破壊は2001年より40%も拡大しており、ブラジルでは15年間で2に高い数値を記録。・2003年8月:(森林)科学者は、伐採や森林の細分化、侵入性の外来種のプランテーションなどにより、世界の樹木の種の10%が絶滅に瀕していると報告。・2004年4月:(森林)世界的なブラジル牛肉の需要の高まりにより、アマゾンの森林伐採が急速に高められていると研究者が報告。・2005年5月:(森林)ブラジル・アマゾンの森林破壊率が1年で6%上昇し、史上2番目に大きい2万6000平方キロメートル消失。・2005年7月:(森林)政府の衛星による調査で、インドの全森林被覆は増加する一方、密林地帯が鉱業や産業開発のために減少。・2005年11月:(森林)世界食糧農業機関(FAO)は、過去5年間で世界の森林の純損失が、年間730万ヘクタールまで下がり、減少傾向にあると発表。・2006年1月:(森林)環境保護団体は、現在、ペルー・アマゾンの1/4以上(2200万ヘクタール弱)が石油と天然ガスの採掘のために分断されていると報告。・2006年3月:(森林)アメリカとEUの中国からの木材製品の輸入量は、1998年から10倍近くに増え、世界各地で、森林破壊と違法伐採を加速化していることが判明。・2006年10月:(森林)ブラジル政府によると、アマゾンの森林伐採は前年のおよそ半分のペースに減速。1988年に記録を始めて以来、2番目に遅いペース。    ・2006年12月:(森林)ブラジルは、アマゾンを伐採や農業から守るために、パラ州にある1500万ヘクタールの地域を世界最大の熱帯雨林保護区に指定。(以下、次号に継続)(2016年11月23 日記)<参考資料>1)蟹江憲史:「SDGs ~世界の動きと日本企業に期待されること」:日刊工業新聞(2016年7月29日)2 )G a i a V i n c e:「A d v e n t u r e s i n t h eAnthropocene A Journey to the Heart of thePlanet We Made」(2014)(日本語版)小坂恵理訳:「人類が変えた地球~新時代アントロポセンに生きる」化学同人(2015)3)(代表的に2012年版のみを記載)Worldwatch Institute,“State of the World2 0 1 2 ‐ M o v i n g T o w a r d S u s t a i n a b l eProsperity‐“ISLAND PRESS(2012)(日本語版)エコ・フォーラム21 世紀監修:「(ワールドウォッチ研究所編集)地球白書 2012-2013 特集:持続可能で豊かな社会経済を目指して」ワールドウォッチジャパン(2015.2) パリ協定では、森林問題に関しては温室効果ガスの吸収源として、以下の内容を規定している。【吸収源(森林等)】(第5条)・締約国は、温室効果ガスの吸収源及び貯蔵庫の保全及び適当な場合には強化のための措置をとるべき。・締約国は、開発途上締約国における森林減少及び森林劣化等による排出量を減少させる取組のため、気候変動枠組条約(以下「条約」という。)に基づく関連する指針及び決定に規定する既存の枠組みを実施及び支援するための措置をとることが奨励される。■森林問題に関連する論議の経緯 森林問題について、過去に国際連合を中心とした国際的な論議が交わされてきた。その経緯の概略を以下に紹介する。・1948年:「国際自然保護連合」設立(IUCN)。・1966年:レッドリスト、レッドデータブック:絶滅のおそれのある野生生物のリスト。国際自然保護連合が作成を開始。日本では環境省(現環境省)が1991年より作成を開始。・1985年:国際連合:国際年として「国際森林年」を制定。・1985年:国連食糧農業機関:「熱帯林行動計画」を採択。・1992年6月:国連環境開発会議(通称「地球サミット」UNCED)。採択された『アジェンダ21』で、「第11章 森林減少対策」を記載。また「森林原則声明」を採択(森林問題に関する初めての世界的な合意文書)。(正式名称:「全てのタイプの森林の経営、保全及び持続可能な開発に関する世界的合意のための法的拘束力のない権威ある原則声明」)・1993 年10 月:森林管理協議会(FSC、ForestStewardship Council)が、国際的な森林管理の認証を行う協議会(NGO)としてカナダに創設され、「森林認証制度」が同協議会によって提案された。・1995~1997年:国連は「森林政府間パネル」(IPF:Intergovernmental Panel on Forests)を設立。1997年:国連はIPF解散の後、「森林政府間フォーラム」(IFF:Intergovernmental Forum on Forests)を設置。・1998年:「東アジア酸性雨モニタリングネットワーク」を設立。・2001年:国連は、国連森林フォーラム(UNFF:United Nations Forum on Forests)を設立。・2011年:国際連合:国際年として2回目の「国際森林年」を制定。・2012年:国際連合:国連総会の決議(2011年)により、3月21日を「国際森林デー」と制定し、2012年より実施。■「森林問題」の紹介事例(1)地球における「森林」の誕生と成長の意味 宇宙に存在する地球以外の星から、地球と類似する環境と生命体の存在が未だに発見されていない現在では、地球における森の誕生は奇跡としか言えない。その誕生と成長のもつ意味について、文献のひとつからその解説を紹介する2)。 “誕生してからほとんどのあいだ、地球の表面は岩だらけの殺風景な場所だった。その様子は、ほかの惑星の表面と似ていなくもない。やがて温暖化の時期を経験しながら40億年ちかくの時間をかけ、陸地は植物に支配されるようになった。植物の登場によって地球は生まれ変わった。緑に覆われ、大気を構成する成分に変化が生じ、最初の生物が誕生する環境が整ったのである。それからおよそ1億年後、維管束系を発達させた植物が登場し、湿地から離れた場所でも根を張って高く成長するようになった。30センチメートル程度だった植物は、デボン紀の終わりには、30メートルにまで成長し、最初の森が誕生する。” 陸上植物の繁茂により、炭酸同化作用が活発に行われ、大気中の酸素が増加し、酸素分子の反応でオゾン量も増え、生物に有害な紫外線を遮蔽するオゾン層が成層圏に形成され、水中の生物が陸地で生活できるようになり、多くの種類の生物に囲まれて人間が登場することとなった。 地球の誕生から約46億年経過したと言われる現在、生態系と生物多様性の恩恵をもう一度考え直す必要がある。(2)「地球白書」が取り上げた森林問題 地球環境問題を永年にわたって取り上げている米国の環境経済学者・環境活動家レスター・R・ブラウン氏(Lester Russell Brown、1934~ )は、1974年に地球環境問題に関する民間シンクタンクとしてワールドウォッチ研究所を設立し、1984 年より毎年「State of the World」を発表している。 同書の日本語訳の最新版は、「地球白書2012-13」(原著は“State of the World 2012 ”)であり、2013年版以降の日本語版は未刊である。また、2012年版以降の同白書の副題には、以下のように6年間連続して「持続可能性(Sustainability)」を取り上げている。・2012年版:Moving Toward SustainableProsperity・2013年版: Is Sustainability Still Possible?・2014年版: Governing for Sustainability・2015年版: Confronting Hidden Threats toSustainability・2016年版: Can a City Be Sustainable? 「地球白書」では、冒頭の数ページを割いて、過去1年間の環境問題の特筆すべき環境問題のトピックスを、2003年版を第1回目として“環境界の1年間の主要動向”のタイトルで紹介していた。以下に森林問題に関係する事項を抜き出して紹介する(2011年版は未調査)3)。(「森林問題」は、他の重点的トピックス(地球温暖化、砂漠化、黄砂、生物多様性等)と密接な関係があるものも含める。)・2001年10月:(森林)国連は、熱帯諸国で農地開発、伐採、その他の脅威により年間1500万ヘクタ?ルを超える森林が消失していることを報告。・2001年11月:(生物多様性)ブラジルの森林から推定で年間3800万頭の動物が、ブラックマーケットで密売するために、違法捕獲されているとの調査報告が発表される。・2001年12月:(水資源)国連は、森林破壊が土壌浸食とダムの土砂堆積を引き起こしているため、世界の貯水池の貯水容量が減少していると警告。・2001年12月:(森林)メキシコの森林消失の速度が以前の推定のほぼ2倍にのぼり、世界の森林のなかで2番目に早いことが衛星画像で判明。・2002年4月:(森林)ニュージーランドは国有雨林13万ヘクタールにおよぶすべてを、木材生産用の森林から保護区に転換すると発表。・2002年4月:(砂漠化)韓国ソウルで、約1200km離れた中国の急拡大する砂漠からの巨大な黄砂の襲来により、市内の学校が閉鎖された。・2002年6月:(森林)ブラジルは2001年にアマゾン流域の雨林の破壊の速さが13%減少したものの、年間消失面積は依然として1600万ヘクタールにのぼると報告。・2002年6月:(森林/鉱業)コスタリカは国内の森林伐採に規制を課し、金鉱の新規露天掘の凍結を発表。