ブックタイトルメカトロニクス12月号2016年

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概要

メカトロニクス12月号2016年

MECHATRONICS 2016.12 11所在地:U R L:事業内容:東京都葛飾区http://www.leccompany.co.jp赤外線放射温度計、マルチプレクサ、計測制御機器などの製造/販売。レック株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・社は非接触タイプの赤外線放射温度計で2014 年の第8 回に認定されました。 認定のきっかけになった 赤外線放射温度計の特徴などについて お聞かせ下さい井野口 : 認定のきっかけになった製品は、マイコンなどの搭載により3000℃までの高温に対応する非接触タイプの赤外線放射温度計『KTL』になります(写真1)。 一眼レフ構造を採用することで、計測場所の位置決めがより厳密化できるようになり、また当社独自の光ファイバを採用することで、微小面の測定が可能です。現在も、改良などを重ねることで、当社主力製品の1つになっています。 主な特徴としては、①φ0.4mm~の微小面積の測定が可能、②最速0.01sec の高速応答、③ガラス越しの測定が可能、④RS-232C、0~10V、4~20mAの3 出力を標準で装備、⑤Windows 用の温度計測ソフトウエアを標準装備、⑥通常のピークホールドのほかにオートリセットピークホールドを装備し、ラインでの温度管理も簡単にできる、などが挙げられます。 真空加熱炉の温度管理、チップのロー付け、金型温度管理、高速応答性を活かした高周波加熱ラインでの温度管理など、幅広い用途に使用することが可能です。 また最近では、『KTL』よりさらにコンパクトな非接触タイプの赤外線放射温度計『L-300』を開発し、販売を行っています(写真2)。 3000 ℃までの高温だけでなく、0℃までの低温にも3タイプのセンサによりシリーズで対応し、レーザによるクロスターゲット方式を採用することで、ターゲット合わせがしやすくなっています。 主な特徴としては、①表示器一体型の手のひらサイズ、②レーザによるクロスターゲットビーム照準、③ガラス越しの温度測定が可能(0~1000℃を除く)、④各種設定を直接入力、⑤アナログ出力標準装備(4種の出力をユーザーにて設定可能)、などが挙げられます。写真7 光ファイバ式機器組み込み型非接触温度計写真4 赤外線放射温度計『L-1000』 写真6 機器組み込み型非接触温度計『L-350』写真5 赤外線放射温度計『FL-8』 その他の主力製品についても お聞かせ下さい井野口 : まずは、創業以来販売を続けているメータリレーを紹介します。当社のメータリレーは、アナログタイプとデジアナタイプの2 種類があり、特にアナログタイプの『MKシリーズ』はロングランのヒット製品になっています(写真3)。 主な特徴は、①設定値までメータ指針が振れると、リレー接点が自動的に切り換わる、②指示はいつでも読み取れる、③通過式で、指針は設定値に無関係で目盛全長を指示できる、④発光ダイオードとシリコン受光素子によって、高信頼性が確保されている、⑤スケール面のワイド化で見やすい、⑥耐振性、耐衝撃性にも優れていてコンパクト、⑦豊富なオプションを用意、などが挙げられます。 そして、赤外線放射温度計に関しても『KTL』や『L-300』以外に豊富な製品をラインアップしています。その中で『L-1000』は、当社独自の「D.SETキー」により、ダイレクトにアラームを設定することができる製品です(写真4)。これにより、人間の感覚を設定値に変換することができます。 主な特徴は、①表示値をダイレクトにアラームに設定する機能を搭載、②ガラス越しの温度測定が可能(サーモパイルを除く)、③測定温度0~3000 ℃をシリーズで測定可能、④各種設定値を10パターン保存可能、⑤位置合わせ用のビームに高輝度LEDを採用し、視認性を向上、⑥アナログ出力4~20mA、0~10Vは標準装備、⑦デジタル出力に、RS-232C、Bluetoothをオプションで用意、⑧機能を限定し、光ファイバ一体型のセンサヘッドを選択するとプライスダウン、などが挙げられます。 次に『FL-8』は、フッ化物赤外線用ファイバを使用した非接触放射温度計になります(写真5)。 低温、微小面の測定ができ、鏡面物質の表面温度測定に適した製品です。低温度計側には、一般に熱応答型センサのサーモパイルが使われますが、熱電対と同様に応答速度が遅いという欠点があり、そのため『FL-8』では光応答センサのPbSを採用することで、最速0.01secの高速応答を実現しています。金属ロールやアルミの押し出し、はんだ付け、金型等の温度測定など用途も豊富で、ガラス越しの計測も可能です。 主な特徴は、①φ1mm の微小スポット測定が可能、②内蔵ビームでターゲットを簡単に確認できる、③最速0.01secの高速応答で瞬時に温度を捕える、④各種内部設定値は不揮発生メモリに保存し、消える心配がない、⑤温度表示部はデジタル大型LED表示、などが挙げられます。 そして、機器組み込み型の非接触温度計も用意しています。『L-350』は、組み込みが容易で輻射熱や粉塵などの悪い環境に空冷ジャケットを準備した製品です(写真6)。測定方式はセンサヘッド式で、測定温度は常温から対応しています。 また、当社の出展している展示会に参考出品レベルではありますが、光ファイバ式の機器組み込み型非接触温度計も開発しています(写真7)。ローコストで小ロットにも対応し、小型、小スペース設計を実現するモデルです。 それから、当社が長年培ってきた計測技術や最先端のマイコン応用技術を活かし、計測分野だけでなく、異業種となる幅広い分野の様々なニーズに対応するOEMにも力を入れています。 今後の展開についてお聞かせ下さい井野口 : やはり中心になっていくのは、製品開発になると思います。その中で、エミッタンスのできるだけ少ない、絶対温度的に図れる製品開発を目指していきたいと考えています。 また、私自身が放射温度計について、赤外線センサやバンドパスフィルタといった光学フィルタなど色々と研究してきたので、ガス計測やフィルムの厚さを計測するなど今も徐々に始めていますが、温度計測以外の分野にも視野を広めたいと思っています。 そのためには、当社の力だけでは厳しいと思うので、葛飾ブランド『葛飾町工場物語』で知り合った企業などと連携し、さらに最近では東京理科大学の葛飾キャンパスが葛飾区金町に開設され、そのキャンパス内に産学官連携を支援する葛飾区のインキュベータ室もあり、そういった施設も利用しながら進めたいと考えています。 それから、昨年から開始したプリント事業にも力を入れていきます。元々は、今まで業者から購入していたアナログ計器で使用するスケール盤を、UVプリンタを使って自社で目盛を印刷することで内製化していくことから始まりましたが、最近では外注に依頼していた筐体のシルク印刷などもUVプリンタで内製化しています。 また、内製化に向けた動きだけでなく、スマートファンなどの民生品にイラストや模様を印刷する需要が結構あるようなので、インターネットなどを利用した事業展開を進めていき、少しでも社会に貢献できればと考えています。本日はお忙しい中ありがとうございました。