ブックタイトルメカトロニクス11月号2016年

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概要

メカトロニクス11月号2016年

54 MECHATRONICS 2016.11JIS番号用 語意   味Z8130-1006 観 測ある事象を調べるために観察し、事実を認める行為。Z8130-1001 計 測特定の目的をもって事物を量的に捕らえるための方法。手段を考慮し、実施し、その結果を用い所期の目的を達成させること。Z8130-2001 測 定ある量を、基準として用いる量と比較して、数値又は符号を用いて表すこと。Z8130-2016 測 度測定量の大きさの目安に使う量又は数。一般には普遍性がない。Z0182-101 試 験工作機械の性能(機能、運転性能、動静特性、特性、温度特性,工作精度,切削制度,安全性など)を明らかにするために、器械を運転し,又は各種の測定を行うなどして、機械の挙動又は応答を確かめること。Z0182-102 検 査試験の結果をあらかじめ設けた基準に照合して、合格、不合格の判定を下す行為。Cf 受渡し検査。受け取り検査。Z8101-1.3 検 査品物またはサービスの一つ以上の特性値に対して、測定、試験、検定、ゲージ合わせなどを行って、規定要求基準と比較して、適合しているかどうかを判定する活動。Cf 全数検査。間接検査。Z8101-2.1 真の値ある与えられた特定の量の定義と合致する量。これは理想化された完全な測定によって得られる値である。Cf 取り決めによる真の値。合意値。Z8103-2203 測定量測定しようとする量・状態など。《第91 回》図4-2 映像の観視手段図4-3 視域角と視野角表4-2 計測に関する用語(その1)4-3)4 測定し検査する(その2)2.検査の準備 流体力学では、研究対象の流体はいわゆる流線を描いて遅速変化する媒体を取り扱わなくてはならない。熱力学では、眼に見えない媒体が、温度や体積を変化させながら大きな圧力変動を発生させている。 これらに対して、光学では直進する光線束を主として取り扱うので、光学技術は数理基礎を確実に理解すれば、他の技術分野よりも、光線の挙動に関して真実の姿を捉えやすい。しかし導光板や直下照明レンズなど、この論文で見受けしてきた今までの光学媒体には奇異に見える状態が少なくなかった。既出図2-245では、レンズ表面に円錐面の窪みを形成したり、蝶のような羽根でレンズ表面を飾っている。流体力学的な手法までも付加して、光学素子の機能を変更させているのだ。レンズのこの個所を通過する光線束に、更に有効な効果を発揮させようと、開発技術者は意地らしくも努力を費やしている。 光学技術分野を理解すれば、このような回り道をしなくてすむ。前回で勧めたように、光学用語に親しくなれば、近道を歩み進められる。今回も検査工程に入る寸前ではあるが、光学空間の雰囲気に接してみよう。映像の成り立ちを対象として、その関係を図示してみた(図4-2)。 そして“視域角”と“視野角”との差異を、明確に知っていただきたいと思っている(図4-3)。観視者が“視距離”を隔てて対象物を見つめる。対象物が明るい場所“可読視野”にあれば細部も認識できるが、少し暗くなる“可識視野”では細字などは読めなくなる。環境がさらに暗くなる“光覚視野”では、対象物の存在を感じるだけだ。(ここで“射出光線”はJIS用語にあるが、昨今流行の“出射光線”の用語はJIS規格にはなく、本来の日本語にもない。) たとえば、車両の運転手は前方を凝視している狭い範囲は“瞬時視野”であろう。道路交差点では精神が落ち着き、両眼の瞼を全開して“全視野”に注意する。こうして対象物を見つめる観視者の眼の付近に形成されているのが“視域”であって、対象物からの光線束が“視域”を照射していなければ、対象物の映像を観視者は認識できない。液晶表示装置の存在を理解していても、液晶画面の光線束が狭角であったり、側方に偏奇している状態であると、観視者は液晶画面の映像を楽しめない。(ここで“視野”はJIS用語にあるが、“視域”の用語は表示されていない。両者を混同誤用している現状を残念に感じている。) 検査工程に入る前に工程技能を理解するために、必要な用語にも留意されたい(表4-2)。光学系空間に関する用語を辿ってゆくと、観視する我が身は光線束と一体になってゆく気分だ(表4-3)。バックライトは大半が幾何光学で解析できる素子から成り立ている。算数には“代数”や“幾何”があるが、“解析幾何”にも精通すれば最良だ。【参考文献】4-3)日本工業規格:品質管理用語Z8101、照明用語Z8103、光学用語Z8120、他4 測定し検査する(その3)