ブックタイトルメカトロニクス10月号2016年

概要

メカトロニクス10月号2016年

MECHATRONICS 2016.10 9電圧入力保護機能を搭載した電力自由化サービスとスマートメータをつなげる「Wi-SUN」通信に対応したデジタルマルチメータを発表小型汎用モジュールとUSBドングルを開発　日置電機（株）は、電圧入力保護機能を搭載することで安全性を飛躍的に向上させ、使用者が誤操作した際の電気事故を防止し、従来製品よりもより安心して使用できるデジタルマルチメータ『DT4223 ／ 4224』を発表した。　同製品は、電圧入力保護機能の搭載により、抵抗などが接続された際には入力インピーダンスを低く切り替えて測定し、抵抗がテストリードから離れた瞬間に入力インピーダンスを高く切り替えて安全性を確保する。導通チェック、抵抗、静電容量、ダイオード測定レンジに設定した際に誤って電圧を入力した場合、画面が赤色に点滅して警告のブザー音が鳴るため、間違った使い方をしている時はすぐに気がつくことができる。同社従来製品（DT4221 ／4222）の使用温度範囲（－10～50 ℃）に比べ、両機種ともにその範囲を－10℃～65℃に拡大しているため、こ　ローム（株）は、IoTやスマートメータを始めとするスマートコミュニティ構築に最適な国際無線通信規格「Wi-SUN（Wireless Smart Utility Network）」対応の小型汎用モジュール『BP35C0』、USBドングル『BP35C2』を開発した。　『BP35C0』は、優れた受信感度をもつ920MHz 帯無線通信機能（RF）とマイコン、Wi-SUNに最適な大容量メモリを内蔵するラピスセミコンダクタ社製無線通信LSI『ML7416N』を搭載した、アンテナ外付けの小型面実装Wi-SUN モジュール。Wi-SUN Profi le のB ルートとHANに対応し、業界最小クラスの15×19mm サイズを実現しているため、HEMSコントローラや各種家電への採用に最適。ARIB STD-T108に準拠しているため、日本の電波法認証に沿った製品となっている。れにより厳しい暑さの中でも使用が可能。AUTO HOLD機能を搭載し、測定値が安定すると画面上の値を自動でホールドするため、これにより両手で2 本のテストリードをもった状態で測定値をホールドさせ、後から測定値を読み取ることができる。また、オプションのマグネットストラップと組み合わせることで、測定作業効率がさらに向上する。　高電圧を測定するテスタを使用する際には、取扱いに十分な注意が必要となる。高電圧を測定する際に、テスタの設定を誤って抵抗レンジなどにしてしまうと、漏電ブレーカ遮断による停電事故や、火花の発生による火傷など電気事故の危険が伴っている。同製品は「プロの仕事をスピーディーに、停電させないマルチメータ」をコンセプトに開発が進められていた。　同社では、年間2,000 台の販売を目標にしている。　『BP35C2』は、BP35C0を搭載したUSBドングルタイプの製品。アンテナを内蔵して、無線パワー調整済み、日本の電波法認証取得済みのため、ホームゲートウェイなどIT機器のUSB端子にそのまま後付けすることで、簡単にWi-SUN 環境を構築することができる。　経済産業省は「エネルギー基本計画」において、電力受給の効率化を目的に「2020年代早期にスマートメータを全世帯・全事業所に導入する」としており、現在、家庭へのスマートメータ導入が急速に進められている。それに対して、電力会社はスマートメータで構築するネットワークに、低消費電力で通信距離に優れる「Wi-SUN」を採用しており、家庭内ネットワーク（HAN）も含めてWi-SUN通信搭載機器が活躍するシーンが増えている。そして2016年4月、電力自由化が導入されたことにより、このネットワークを使った新しいサービスが立ち上がるようになってきた。　同社では、2016 年8 月から月産5 万個の体制で量産を開始している。2016.10請求番号K5004請求番号K5003請求番号K0005