ブックタイトルメカトロニクス10月号2016年

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概要

メカトロニクス10月号2016年

44 MECHATRONICS 2016.10《第90 回》表4-1 混用されやすい光学用語群(その1)4-1)図4-1 光度・層度・輝度の光学特性の関係4 測定し検査する(その1)1. 混同されている光学用語 今回まで論説は、1.仕様書で計画しよう、2.設計から始めよう、3.製造をみてみよう、と執筆を進めてきたが、いよいよ最終段階である“検査工程”に入る。検査はその製品が意図する目標程度を満足しているかを測定しながら判断することである。 制定時期から既に30年以上の歳月が経過して、光学用語は非常に整理された規格になっている。この光学用語の工業規格(JIS Z 8113照明用語、JIS Z8120光学用語)4-1)をすべて通読してゆくと、自然に光学技術の体系が習得できる。液晶バックライトは光学素材の一つであるから、ぜひともこの規格を通読されたい。この規格集には説明図面がほとんどないが、その場合は他の参考書籍を見ればよい。 開発目標を表現するのに際し、技術専門用語を用いるのであるが、昨今の文献書籍では自己流の用語に誤用している事例が少なくない。この光学用語集の存在を知らないで、液晶バックライトの開発に挑むとき、技術者自身の狭い解釈を交えて用語を乱用しているのではないだろうか。 光線の進行方向が曲げられる現象を「偏向」とか「回折」の言語が入り乱れている。「光線束」とすべきところを「光束」と称しては“幾何光学”と“波動光学”との物理現象を混同しているのだ。液晶バックライトの導光機能は在来の光学技術よりやや異なった位置に存在するので“誘導光学”と呼称してもよいだろう。 「入射」に対して「出射」と表現しているのは、光学用語規格にある「射出」の用語を全く無視している衒学者のなすこと。同一のページ面でありながら「出射」と「射出」とが混在した書物を見ると、その著者自身すら未だに迷っているようだ。 視認者から物体を視認する角度が「視野角」の用語であって、画面から発射される光線束が形成する角度は「視域角」である(既出図2-18)。画面からの光線束で形成された「視域」が観察者のひとみに届いていなければ、観察者から「視野角」内の画面は見えても、画像を観察できない。“視野角”と“視域角”とを挿入図面で明記した論文に出会い、私は安堵した。4-2) 課題解決をする前には正確な情報を多く習得し、目前の専門性を深く掘り下げておくこと。そして幅広い知識を身につけ準備する。こうして視野狭窄に陥るのを回避し、志向を定めて全力でやり続ける意欲が開発には肝要である。 まずは、光の明るさ、特に照度と輝度の違いに関して図解し(図4-1)、混用されやすい光学用語を整えてみた(表4-1)。用語の相互関係に留意しながら、参考にされたい。【参考文献】4‐1)日本規格協会19854‐2)北海道大学工学部情報研究科「視野・視域の拡大に関する研究」濱崎・岡田・宇都宮「連続視域型レンズ板三次元テレビジョン」生産研究1989.1濱崎・深沢「連続視域レンズ板三次元像の幾何学的性質」生産研究1989.74 測定し検査する(その2)JIS番号用語意味Z6103-1001 計測特定の目的をもって、事物を量的にとらえるための方法・手段を考究し、実施し、その結果を用い所期の目的を達させること。※ 公的に取り決めた標準を基礎とする計測を計量ということがある。Z6103-1006 観測ある事象を調べるために観察し、事実を認める行為。Z6103-2001 測定ある量を、基準として用いる量と比較し、数値又は符号を用いて表すこと。 ※直接測定。間接測定。絶対測定。比較測定。Z0182-101 試験工作機械の性能(機能、運転性能、動静特性、特性、温度特性,工作精度,切削制度,安全性など)を明らかにするために、器械を運転し、又は各種の測定を行うなどして、機械の挙動又は応答を確かめること。Z0182-102 検査試験の結果をあらかじめ設けた基準に照合して、合格、不合格の判定を下す行為。Cf 受渡し検査。受け取り検査。Z8101-1.3 検査品物またはサービスの一つ以上の特性値に対して、測定、試験、検定、ゲージ合わせなどを行って、規定要求基準と比較して、適合しているかどうかを判定する活動。Cf 全数検査。間接検査。Z8101-2.1 真の値ある与えられた特定の量の定義と合致する量。これは理想化された完全な測定によって得られる値である。Cf 取り決めによる真の値。合意Z8105-3047 視認性対象物の存在又は形状の見易さの程度Z8105-3048 可読性文字、記号又は図形の読みやすさの程度Z8113-2007 視感度波長λの放射に対する視感度K(λ)は、その波長における光束の分光密度をそれに対応する放射束の分光密度で割った値であるZ8113-3001 放射単位時間内に空間を伝播して行く放射エネルギー。記号・単位:Φe.[W]Z8113-1001 放射(1)電磁波(または粒子)によって、エネルギーが放出または伝播される現象。(2)これらの電磁波(または粒子)。Z8120-A3 放射