ブックタイトルメカトロニクス7月号2016年

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概要

メカトロニクス7月号2016年

44 MECHATRONICS 2016.7《第87回》図3-34 シートレス導光板に関連した特許(その1)3-28)3 製造をみてみよう(その13)1.導光板の放出素子の敷設(7)シートレス導光板(その1) 液晶画像表示板は自発光性表示でないために、液晶画像表示板の裏面から照明する部材、つまりバックライトを必要とする。そして大画面の場合は、液晶画像表示板の裏面側に複数の光源を配置して、照明する方式を採用しているが、中小画面サイズの場合は、側方に配置した光源からの光線束を導光板に誘導し、裏面で反射させて液晶画像表示板の裏面を照明する。バックライト方式において、この導光板は偉大な発明である(既出図2-66、既出図2-69)。しかり導光板から放出される光線束は放出角が乱雑でかつ過大であるために、液晶画像表示板に対して直射できない。放出光線束の放出角度を整理するには、散乱板や偏角板を複数枚も重ねなくてはならなかった。 これら複数枚の光学薄板は一瞥すると余計なものにも感じられ、事あるごとに「シートレスバックライトはできないか」を要望する声が次第に高くなってきた。このようなおり、第二導光板を第一導光板に積層した構成を知った(図3-34(その1))。第二導光板の裏面には円錐曲面で形成された複数の微小な突起が、第一導光板の表面に密着されている。第一導光板の側面から誘導されてきた光源の光線束は、突起の密着面から進入し、円錐曲面の内面で反射して円錐曲面の軸方向に偏角されて、第二導光板から液晶画像表示板の裏面を照射する。 この特許事例の図面には光線束の挙動が詳細に記載されている。しかし、いかなる理由であろうか、この出願事例は特許査定を要求していない。独占権がえられたかもしれないのに、惜しいことだ。この時点で、この出願内容の独占権が一般人に開放されたとみなされる(図3-34(その1))。 とはいえ、この着想に種々の工夫を加味して確固たる特許権へと構築されている事例が続いている(図3-34(その2))。詳細に見てゆくと得る事柄は多い。【参考文献】3-28)工業所有権情報・研修館J-PlatPat3 製造を見てみよう(その14)ソニー株式会社 「平面表示装置および平面表示装置用バックライト装置」出願1995.5.12 特開平8-221013 みなし取り下げ【目的】 光の利用効果が良くかつ出射光の角度分布の制御を可能にし、しかも輝度を向上させることができる透過型平面表示装置およびそのバックライト装置を提供する。 【構成】液晶パネル16およびその裏面側に配置されたバックライト装置を有する透過型の液晶表示装置である。バックライト装置が、液晶パネル16 に平行に配置された屈折率n1 を有する第1 導光板13 と、その端面の少なくとも1 辺に隣接配置された線光源12 と、液晶パネル16 側の第1 導光板13 上に配置され、n1 に略等しい屈折率を有する第2 導光板17 とを備える。第2 導光板17 の第1 導光板13 側の面には、光源12 から第1 導光板13 内を全反射の繰り返しにより導かれる光を液晶パネル16 に向けるコリメーション輪郭18 が形成してある。【図3】 細長い楕円曲面で反射させた出射光の角度分布を表す【図4】 短い楕円曲面で反射させた出射光の角度分布を表す【図5】 放物曲面で反射させた出射光の角度分布を表す【図6】 台形曲面で反射させた出射光の角度分布を表す 【図 8】(A) 光源の光が第一導光板から第二導光板に誘導される状態  【図 8】(B) 第二導光板の裏面に敷設された凸部形状