ブックタイトルメカトロニクス6月号2016年

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概要

メカトロニクス6月号2016年

10 MECHATRONICS 2016.6 御社の概要についてお聞かせ下さい牛田:当社は1974 年8月に、低湿保管庫の事業を目的として設立しています。元々私は、大手電機メーカーの技術部門に勤務しており、冷蔵庫の開発に携わっていました。またその後、別の大手電機メーカーに勤務していた時は、冷凍機の開発と設計に携わり、それぞれの経験の中で低湿保管の必要性を実感し、防湿庫の製品開発にチャレンジしたいと思うようになっていきました。そして、今まで培ってきた知識を活かし独自に防湿庫の心臓部である電子ドライユニット(全自動低湿保管方式)を開発したのが、独立して当社を立ち上げるきっかけになりました。 当初は、この電子ドライユニットを乾燥食品類の防湿保管用途で開発を行い、私が以前勤めていた大手電機メーカーで食品関連の保管を目的に採用していただき、OEM 供給を行っていきました。 1982 年8 月には、日本における形状記憶合金 量産化第1号として電子ドライユニットに採用するという今までにない発想を考え、無音で耐久性に優れた小型の電子ドライユニットを開発しました。その後、そのユニットを搭載した全自動防湿保管庫『オート・ドライ』(写真1)の製造販売を行うようになりました。当初の用途としては、カメラのレンズのかび防止に大きな潜在需要 電子ドライユニットのコア技術を基本に、低湿保管庫の分野で事業を展開する東洋リビング株式会社。今回、電子ドライユニットに新たな改良を加えることで、低湿度性能を画期的に向上させた全自動低湿保管庫の新製品を発売した同社の概要と技術、製品などについて、代表取締役 牛田 唯一 氏にお話を伺った。東洋リビング株式会社代表取締役牛田 唯一 氏低湿度性能が画期的に向上した全自動低湿保管庫~日々、技術改善を進めることで製品の差別化を図る~がありました。 さらに、理化学分野では当時、半導体生産が急速に高まり、その過程で半導体の吸湿による不良が発生し問題になっておりました。半導体素子の吸湿によるマイクロクラックの発生予防として、低湿度管理が重要視されるようになり、当社も半導体関連分野に参入することになりました。 1987 年には、業務用大型機種である全自動低湿保管庫『スーパードライ』を発売し、その後は用途に応じて様々なシリーズを展開しています。2007 年には、カメラ/レンズの保管に最適な光触媒機能を搭載した全自動防湿保管庫『オートクリーンドライ』(写真2)を発売しました。 このように、当社独自の電子ドライユニットをコアとし、この技術を活かしたオリジナル性溢れる製品群を柱に事業展開しています。 御社のコアとなる電子ドライユニットと、 それを搭載した主力製品について お聞かせ下さい牛田:当社の電子ドライユニットは、1974 年の開発以来、改良を重ねながら日本製にこだわって製造し、性能と耐久性が大変優れています。このユニットにより、『スーパードライ』(写真3)は、庫内の空気をファンで強制対流させ、乾燥剤に水分を吸着した後、水蒸気にして庫外に放出します。この方式は、ペルチェやSPE 素子を利用した除湿方式よりも強力に急速除湿することが可能です。また、庫内湿度を1 ~50% RH(1 %RH刻み)に設定でき、さらに電子ドライユニットの最新プログラムによるマイコン制御(特許登録済)により、優れた省エネ効果を実現し、実装部品/基板、化学品/薬品/食品などの保管に最適な製品で、用途に応じた豊富なラインアップを用意しています。 「スタンダードシリーズ」(全7機種)は、キャビネット内容積150~1,200?とサイズも豊富で、幅広い用途に適しています。電子ドライユニットを2 台搭載し、庫内湿度0% RH安定保持を実現した「ウルトラシリーズ」は、扉開閉の多い工程や負荷の大きい収納物を保管するのに適しています。フィーダのまま収納可能な「フィーダーシリーズ」(写真4)は、奥行き約915mmで大型長物部品の収納にも適しています。低湿機能写真3 全自動低湿保管庫『スーパードライ』写真1 全自動電子防湿保管庫『オート・ドライ』写真4 『スーパードライ』フィーダーシリーズの保管例(リールラック使用)リールラック(据置タイプ)リールラック(スライドタイプ)写真2 全自動電子防湿保管庫『オートクリーンドライ』