ブックタイトルメカトロニクス5月号2016年

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概要

メカトロニクス5月号2016年

MECHATRONICS 2016.5 43 水循環に関する施策を集中的かつ総合的に推進するため、内閣に、水循環政策本部を置くとして、以下の事項を規定している(第22条~第30条)。①所掌事務・水循環基本計画の案の作成及び実施の推進に関すること。・関係行政機関が水循環基本計画に基づいて実施する施策の総合調整に関すること。・前二号に掲げるもののほか、水循環に関する施策で重要なものの企画及び立案並びに総合調整に関すること。②組織・水循環政策本部長:内閣総理大臣・水循環政策副本部長:内閣官房長官及び水循環政策担当大臣・水循環政策本部員:全ての国務大臣■ロゴマーク 水循環基本法に基づいて、「水の日」、「水の週間」を含んで各種の行事が今後行われることから、政府は皆に親しまれるロゴマークを一般募集した。その募集に対して1,457件の応募があり、最優秀作品については2015年年8月1日(土)に国連大学ウ・タント国際会議場にて開催された「水を考えるつどい」にて披露された(図表1)。 本ロゴマークについて、制作者(奥野美穂さん、大阪府)は、“永遠の循環を表す無限(∞)のマークと、雫のフォルム、そして水に対する親しみと身近さを表す笑顔を組み合わせました。”とそのコンセプトを語っている7)。■ウォータープロジェクト 環境省は、2014 年7 月1日に施行された「水循環基本法」に基づいて、健全な水循環の維持又は回復の推進等を目的とした官民連携啓発プロジェクトとして、「ウォータープロジェクト」(Water Project)の名称で施行1ヵ月後の同年8月1日「水の日」に発足させた(図表2)。 このプロジェクトは、健全な水循環の維持・回復に努めるもので、民間の主体的・自発的・積極的な活動と、官民連携に焦点を置いて、広く国民の関心を深めながら、全国的に具体的な取組みの推進をはかりつつ取組み相互の連携協力の機会をつくり、全国的な幅広い取組みを推進することを狙っている8)。(2016.3.15記)<参考資料>1)法律:「水循環基本法」(平成26 年法律第16 号)2)閣議了解(昭和52 年5 月31日):「「水の日」及び「水の週間」について」3)一般財団法人 国づくり人づくり財団のHPhttp://www.kunidukuri-hitodukuri.jp/4)水制度改革議員連盟 face bookhttps://ja-jp.facebook.com/mizugiren5)水の週間実行委員会:「第38回水の週間実施報告書」(2014年10 月)6)日本政府:「水循環基本計画」(2015 年7 月10日閣議決定)7)水の週間実行委員会:「第39回水の週間実施報告書」(2015年10 月)8)ウォータープロジェクトhttps://www.eeel.go.jp/water-project/する施策に関し、国及び他の地方公共団体との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。(3)事業者の責務 事業者は、その事業活動に際しては、水を適正に利用し、健全な水循環への配慮に努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する水循環に関する施策に協力する責務を有する。(4)国民の責務 第七条 国民は、水の利用に当たっては、健全な水循環への配慮に努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する水循環に関する施策に協力するよう努めなければならない。(5)関係者相互の連携及び協力 国、地方公共団体、事業者、民間の団体その他の関係者は、基本理念の実現を図るため、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならない。 ■「水の日」について(1)「水の日」の設置 本法の基本理念に続いて、「水の日」を設置することを第10条で以下のように記している。①“国民の間に広く健全な水循環の重要性についての理解と関心を深めるようにするため、水の日を設ける。”②“水の日は、8月1日とする。③国及び地方公共団体は、水の日の趣旨にふさわしい事業を実施するように努めなければならない。(2)これまでの「水の日」 2014年7月に水循環基本法が施行される以前にも、水の貴重さや水資源開発の重要性に対する国民の関心を高め、理解を深めるため毎年8月1日を「水の日」とし、この日を初日とする一週間を「水の週間」として定め、各種の行事を国、地方公共団体及び関係諸団体が連携して実施されていた。 すなわち、「水の日」(及び「水の週間」)は、水の大切さや水資源開発の重要性に対する国民の関心を高め、理解を深めるため、昭和52年の閣議了解により政府が定めたものであった。年間を通じて水の使用量が多く、水についての関心が高まる時期である8月の初日を「水の日」(8月1日)とし、この日を初日とする一週間(8月1日~7日)を「水の週間」として、水に関する様々な啓発行事を毎年実施しており、2013年までに37回行われてきた注1)。注1)閣議了解「水の日」及び「水の週間」について」(1977 年5 月31日):“水資源の有限性、水の貴重さ及び水資源開発の重要性について国民の関心を高め、理解を深めるため、「水の日」を設ける。「水の日」は毎年8月1日とし、この日を初日とする一週間を「水の週間」として、この週間において、ポスターの掲示、講演会の開催等の行事を全国的に実施するものとする。上記の行事は、地方公共団体その他関係団体の緊密な協力を得て行うものとする。”2) 特に2014年8月1日は、3月に水循環基本法が成立し、法律で定められた初めての「水の日」となった5)。 2014年には水循環基本法が成立したことから、国民に広く水が健全に循環することによってもたらされる水の恵みや健全な水循環の重要性についての理解と関心を深めてもらうため、「健全な水循環により、水の恵みを享受できる社会を目指して」をテーマとして、関係府省や都道府県等と連携し、全国的に水に関する啓発行事を実施されることとなった。(3)「水の週間」の中央行事 2014年度「水の週間」の中央行事は、以下のような関係組織が主催及び後援機関として係わって行われた。・主催機関:水循環政策本部(2014年度より新たに参加)、国土交通省、東京都、水の週間実行委員会(14団体により構成)・後援機関:文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省、(独)水資源機構、(財)日本科学技術振興財団、日本放送協会、(一社)日本新聞協・協賛団体:31団体 関係組織の構成で、唯一変化が認められるのは、主催機関に「水循環政策本部」が参加していることである。同本部は水循環基本法に基づいて設けられたもので、本部長には内閣総理大臣が任命される(後述)。■「水循環基本計画」 政府は、水循環に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、水循環に関する基本的な計画を定めなければならないとして、これを「水循環基本計画」として、本法第13条において以下の事項を規定している。初めての「水循環基本計画」は、2015年7月10日に閣議決定の後に公表された6)。①計画の内容・水循環に関する施策についての基本的な方針・水循環に関する施策に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策・水循環に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項②内閣総理大臣の職務・水循環基本計画の案について閣議の決定を求めること・閣議の決定後、遅滞なく、水循環基本計画を公表すること③見直し・おおむね5年ごとに、水循環基本計画の見直しを行い、必要な変更を加える④政府の対応・政府は、本計画について、その実施に要する経費に関し必要な資金の確保を図るため、必要な措置を講ずる。■基本的施策 本法では、基本的施策として以下の事項を挙げている(第14条~第21条)。①貯留・涵養機能の維持及び向上(第14条)②水の適正かつ有効な利用の促進等(第15条)③流域連携の推進等(第16条)④健全な水循環に関する教育の推進等(第17条)⑤民間団体等の自発的な活動を促進するための措置(第18条)⑥水循環施策の策定に必要な調査の実施(第19条)⑦科学技術の振興(第20条)⑧国際的な連携の確保及び国際協力の推進(第21条)■水循環政策本部<図表1>水循環基本法に関係するロゴマーク<図表2>ウォータープロジェクトのシンボルマーク7)