ブックタイトルメカトロニクス1月号2016年

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概要

メカトロニクス1月号2016年

MECHATRONICS 2016.1 11所在地:U R L:事業内容:埼玉県川口市http://www.sid-sid.com真空注型機の開発/製造/販売、新製品開発支援サービス、プラスチック成形受託サービス、など。sid株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テールまで再現した試作品を製作し、このできあがった試作品で、製品の外観、内部の性能、製造コストなどのあらゆる評価検討を行い、得られたデータを最終設計仕様へと反映させていきます。当社では、このプロセスを工業デザイン、機構/電気設計、試作、製品受託生産という流れで行っています。 また、これら3 本柱の事業に加え、成形する樹脂材料についても自社で開発を行い、新たな事業展開を検討しています。 御社が開発された樹脂材料について、 開発背景や特徴などをお聞かせ下さい清水:元々は、「割れないガラスの靴をつくって欲しい」という依頼を受けたことがきっかけでした。そのお客様からは、「ガラスの靴を模したガラスの靴らしく見えるもの」という要望で、その通りに制作した後に、私自身技術者として「人が履いて歩ける、本物のガラスの靴をつくってみたい」という衝動にかられていました。もちろん、ガラス素材を使って人が履ける靴をつくるのは難しいため、透明にできる有り物の素材で試作品の制作を始め、かかとを固く、ボディをやわらかくし、人が履けるように制作を行い、実際に足を通しても問題のない靴ができました。しかし、2、3 週間経つと表面が黄変してしまい、透明度が損なわれてしまうという問題が発生しました。 そのため、黄変しない樹脂材料がつくれないものかと取り引き先の材料メーカーに依頼し、約2 年間お手伝い頂きました。しかし、柔らかくて透明度を維持させるということが非常に難しく、最終的にはできないという結果でした。ただ、私としてはどうしてもクリアしたいと思い、その後当社独自で開発を行いました。そして、試行錯誤を繰り返しながらようやく黄変しない樹脂材料の開発に成功しました。 それが『Hare hare(はれ はれ)』という新素材で、当社の『サンクロン真空注型機』で使用することができ、この素材を使用してつくられた製品全般を『Harehare』のブランド名称で統一しています。『Harehare』は、ガラスとほぼ同じ光屈折率をもちながら、柔軟で軽量な新素材で、重量はガラスの1/2 以下です(写真4)。ガラス製品と変わらない美しい見た目ながら、素材のもつ柔軟性によりカラーやフォルムが自由自在になります。これまで、ガラスやプラスチックでつくられていた製品はもちろん、今までガラスでは不可能だったものも可能になります(写真5)。例えば、和紙を内部に入れ込んだり、布を入れ込んだり、金粉やラメを和えてみたりなど、制作者の発想により可能性は無限大に広がると思います。 現在は、リース会社の依頼により、内装/インテリア関連で使われるシャンデリアの制作を行っています。貸店舗やビルなどで、飲食店を経営される方からシャンデリアを付けたいという要望は非常に多いようです。しかし、ガラスのシャンデリアを付けるには安全面などから補強工事が必要になります。補強工事をするとなれば、大家の許可も必要ですし、構造上の問題で補強工事ができなかったりするケースもあるので、現在はリースの項目にシャンデリアが入っていないようです。 この『Hare hare』をつかって制作したシャンデリアは、重量も軽いので補強工事は必要なく、ガラスではないので割れたりもせず安全性に優れています(写真6)。少しコストが掛かっても、リースで対応できれば需要は伸びると予想され、市場的にも期待されているようです。 この様に当社では、さらなる可能性に向けて、コラボレーションや共同開発により、新しい方向を模索し続けています。 今後の展開のついてお聞かせ下さい清水:今までは、プラスチック真空注型技術を活かして試作品を中心に事業を展開していましたが、今後は量産を視野に入れた事業展開も検討しています。そのため、量産に対応する自動機の開発も進めており、技術的なノウハウの蓄積を行い、ようやく目処が立ってきた状況です。 事業展開としては、まず食品関連の分野で進めていきたいと考えています。色々なデザインの食器やコップなどを、この量産に対応する自動機で製造し、『Harehare』ブランドとして食器メーカーなどに提供していく予定です。「割れない」「折れない」「軽い」「有害物質を含まない」「耐熱性に優れる」など、安全で安心して使用することができ、ガラスのような透明度でデザイン性にも優れた製品をラインアップしていきたいと考えています。 また、大手食品加工機械メーカーと共同で、真空調理機の開発も進めています。これは、当社のプラスチック真空注型技術を応用することにより、真空の状態で食材などを冷却、浸透、解凍できる機械です。今までの真空調理機は、冷却しかできなかったようですが、これに浸透と解凍という機能を合わせることにより、この1 台で調理の幅が広がるようになります。この機械の開発には6 年程の期間を要しましたが、今年の2月に試作機が完成し、現在最終チェックを行っている状況です。真空調理機の市場は、かなりの規模があると予想されており、機械の開発/製造は当社が担当して製造は中国で行い、販売については大手食品加工機械メーカーにお任せするような流れで検討しています。 このように、『Hare hare』ブランドの量産化だけでなく、特注機ではありますが自動機の量産にもチャレンジし、まずは食品関連の分野に展開を進めていますが、当社の技術は様々な分野に対応できると思っています。それには、お客様が当社の技術をどのように活用して頂けるかが重要になってきますので、今後も様々な案件に対応しながら、新たな市場開拓を模索していきたいと考えています。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真4 『Hare hare』とガラス製品(左が『Hare hare』)写真6 『Hare hare』のシャンデリア写真5 『Hare hare』製品の一例