ブックタイトルメカトロニクス1月号2016年

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概要

メカトロニクス1月号2016年

10 MECHATRONICS 2016.1 御社の概要についてお聞かせ下さい清水:当社は、2008 年10 月に設立した会社です。元々私自身、40 年程前からプラスチック真空注型技術を主力に試作品を制作する株式会社三愛という会社を経営していました。当時は、プラスチックを専門にした試作品を制作する会社はほとんどなかったため、経営は安定していましたが、リーマンショックの影響やその他の諸事情により、会社の規模を縮小し、社名を変更して再スタートした形になっています。そのため、事業内容も引き続きプラスチック真空注型技術を主力とし、お客様についてもそのまま引き継いでいます。 プラスチック真空注型技術とは、プラスチック成形技術の1つで、金型を使用しないでマスターモデルに忠実な高精度な試作品をつくることができる技術です。しかも、任意の数量に対応ができ、突然の設計変更にも金型を使用する場合とは異なり、柔軟に対応できることも1つの特徴になっています。製品開発分野における試作品や小ロット品などの製作に最適な技術で、お客様の要望に素早く、高いクオリティで対応することができます。 現在当社は、このプラスチック真空注型技術を活かした真空注型機の開発/製造/販売を主軸に、プラスチック成形受託サービス、新製品開発支援サービスと 金型を必要としないプラスチック成形技術の1つである真空注型技術で事業展開を行うsid株式会社。同社製真空注型機で使用するガラスのような透明度を実現する樹脂材料を開発し、新たな事業展開を進める同社の概要や技術/製品などについて、代表取締役 清水 勝明 氏にお話を伺った。sid株式会社代表取締役清水 勝明 氏金型不要で高精度/スピーディーなプラスチック真空注型技術~ガラスのような透明度を実現する樹脂材料も開発~いった3 本柱で事業を展開しています。 御社の3本柱となる事業の内容につい てもう少し詳しくお聞かせ下さい清水:まずは、真空注型機の開発/製造/販売について説明します。この事業は、当社の真空技術を駆使し、金型不要で高精度/スピーディーにプラスチック成形を実現する画期的なシステム『サンクロン真空注型機SCシリーズ』を主力製品として展開しています(写真1)。この製品は、当社の前進である株式会社三愛の時代に、自らのプラスチック試作品成形ニーズにより開発した『サンクロン真空注型機』の最新モデルになります。日々培われてきた試作品成形の深い経験と実績を背景に、成形パフォーマンスはもちろん、随所に高いユーザビリティの向上が図られています。 また、中核に周辺機器、注型材料、作業効率向上を図るオリジナルパーツやアクセサリの開発についても独自ノウハウを投入、その充実を図るとともに、機器本体の購入後も安心して頂けるよう、オペレーショントレーニング、技術サポートなども包括し、試作品成形のトータルソリューション「サンクロンシステム」として、お客様の優位性ある製品開発をバックアップしています。 主な特徴としては、①シリコンゴム型を使うので高価な金型は不要、②高精度でスピーディーなプラスチック成形を実現、③試作品や小ロットの成形品に最適、④研究/開発分野に最適な成形機、⑤ 3Dプリンタとの併用でコストパフォーマンスが向上、などが挙げられます。さらに、成形品を乾燥させる乾燥炉『サンクロンSH-300』(写真2)や、運搬などに使用する昇降台車『サンクロン ST-400』(写真3)も用意しています。 次に、プラスチック成形受託サービスについて説明します。この事業では、変化するものづくりのニーズに柔軟かつ的確に応える提案志向のサービスを展開しています。真空注型による試作品や小ロット品のプラスチック成形はもとより、金型製作による射出成形まで、お客様の要望に最適な成形方法を提案することができます。 また、中国での生産に深い経験を有しており、試作はもとより金型製作から射出成形までの一貫したサービスで、大幅なコストメリットと高品質化を実現しています。しかも、対応数量レンジも幅広く、今まで金型による射出成形を諦めていた小ロット領域でも、当社独自のオペレーションにより対応を可能にしました。金型イニシャルコストについても、約1/2(当社国内製作との比率)を達成し、初期の打ち合わせから品質保証や納品まで、当社がワンストップで安心のサポートを提供しています。 最後に、新製品開発支援サービスについて説明します。この事業では、当社独自のノウハウにより意匠デザインから製品化に至るまで、お客様の想いを機能と形につくり込むプロセスをワンストップでスピーディーに全面サポートしていきます。 まず、お客様のアイデアやイメージをもとにプレゼンテーションを含めた綿密な打ち合わせをベースにデザインし、これを軸に経験豊かな当社スタッフが各部の基本設計を行い、試作のための図面を作成します。次に、当社の試作システム(真空注型)を駆使して細かいディ写真1 『サンクロン真空注型機 SCシリーズ』写真2 乾燥炉『サンクロン SH-300』写真3 昇降台車『サンクロン ST-400』