ブックタイトルメカトロニクス12月号2015年

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概要

メカトロニクス12月号2015年

10 MECHATRONICS 2015.12金属を投入する炉の口径を30mmにコンパクト化した土壌環境のリアルタイムモニタリングが可能な卓上型瞬間溶解装置を開発土壌センサを開発 シンフォニアテクノロジー(株)は、融点の高い金属が扱え、金属を投入する炉の口径を30mmにコンパクト化した卓上型瞬間溶解装置『QM-1 / 2』を開発した。 従来は、セラミック製のルツボが一般的だったが、その破片が金属に混在し成分が変わってしまうことや、酸化物で金属が汚染される問題があった。卓上型瞬間溶解装置では、金属を投入するルツボに銅を使ったコールドクルーシブルを採用している。コールドクルーシブルとは、高周波の加熱コイルで熱する一方、銅ルツボには冷却水を循環させる方式で、得られる金属の純度を高めることができる。また、セラミックスでは1,600 度までの加熱が上限だったが、コールドクルーシブルは水冷銅ルツボのため温度の制約がなく、チタンやニオブ、モリブデン、タングステンといった高融点の金属にも適している。さらに、誘導加 ラピスセミコンダクタ(株)は、IT 農業や社会インフラ監視などのIoT(Internet of Things)ソリューション向けに、酸性度(pH 値)、水分量、温度といった土壌環境をリアルタイムに測定できるセンサを開発した。 同製品は、静岡大学工学部二川准教授との共同開発によるもので、半導体の適用領域とは異なる多くの大学や研究機関と協力し、技術改良を行ってきた。酸性度の測定部にISFET(Ion Sensitive Field Eff ect Transistor)方式を採用するとともに水分量や温度計測のセンサをワンチップ化し、小型化を実現。構造面の最適化により土壌モニタリングの精度面での課題であった、接触性、耐久性も向上させることに成功。土の中に直接埋め込みが可能で、無線通信LSIやローパワーマイコンと組み合わせ、地中環境情報のリアルタイムモニタリングと、データを活かした熱のため合金化も容易である。こうしたコールドクルーシブル溶解炉は、同社がかねてから得意とする技術だったが、さらに近年では、鉄系だけでなく様々な金属でのニーズが生まれており、試作開発をより手軽にできる溶解炉のニーズは高まっている。 今回開発した卓上型瞬間溶解装置は、金属を投入する炉の口径を従来の100 ~600mm から30mm へと大幅にコンパクト化。これにより導入コストが低減され、設置工事の簡易化が可能となった。また、ルツボを小さくするための電磁解析など、従来から同社が強みとし、実績がある技術が活かされている。加えて、コールドクルーシブルでは加熱と冷却の双方を行うため高出力の高周波電源がネックだったが、コンパクト化したことにより電源も50kWとし、試作開発に適切な規模になっている。新しいアプリケーションの創出に貢献する。 近年IoTへの注目とともに、様々な環境情報をセンシングし、データを解析することにより、安心安全や生産性向上に役立てる動きが活発化してきている。特に大気に比べて環境情報のばらつきが大きいといわれる土壌環境を見える化し、農産物の生産性向上や、土砂災害防止といった防災対策への市場ニーズが高まってきている。こうした中、一部で農産物の圃場モニタリングが始まっているが、従来は土壌を実際に採取した後、評価施設に持ち帰り、分析する必要があった。そのため、数メートルで大きく変化する土壌環境のリアルタイム計測や広範囲の土壌情報を同時に取得することは困難であった。 同社では、社会インフラ分野、農業分野、ヘルスケア分野などへの応用に向けて、ソリューションパートナーとともに実証実験を開始している。2015.12 同社では、2016年度以降年間20台以上の販売を目標にしている。請求番号M5002請求番号M5001請求番号M0008