ブックタイトルメカトロニクス5月号2015年

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概要

メカトロニクス5月号2015年

10 MECHATRONICS 2015.5 御社の概要についてお聞かせ下さい田中:当社は、1986 年6 月に愛知県小牧市に事務所を設置してスタートしています。設立当初は、制御部品およびシステム販売を中心に商社的な立場で事業を展開し、主にSUNX 株式会社(現在のパナソニック デバイスSUNX株式会社)の製品を取り扱っていました。1987 年4 月には、有限会社フォステックのマイコンボード製品の取り扱いを開始し、1992 年9月に同社と業務提携を行ってメーカーとしての事業もスタートさせています。 1994 年2月には、本社を現在の所在地である愛知県春日井市に移転し、会社の規模も少しずつ拡大していきました。そして1999 年5月に、有限会社フォステックと当社の業務の効率化を図るために組織を一本化し、新たなスタートを切っています。 2000 年4月には、シリコンリナックス株式会社と技術提携を行い、技術面でのスキルアップなどにも力を入れていきました。翌年の2001年4月には、台湾の産業用コンピュータメーカーであるIEI IntegrationCorp.(以下、IEI 社)と日本における代理店契約を行い、同社製エンベデットボードの取り扱いを開始しています。また、自社のオリジナル製品となるオンチップデバッガについても、2002 年、2004 年に新製品を発売しています。 2005 年10月には、東京都小平市に東京営業所を開設し、首都圏のお客様にも身近でフォローできるような体制を整えていきました。そして現在も、高度かつ迅速な対応が求められるお客様の要求に対して、我々が様々な分野で培ってきた豊富な経験と想像力豊かな創造性により、お客様に喜ばれ信頼される、製品やサービスを提供しています。 組込み用マイコンボードやオンチップデバッガの設計/製造販売、センサ/画像処理装置/計量計測機などFA機器やFA関連部品の販売、などで事業を展開しているエーワン株式会社。メーカーという立場だけでなく、商社としても事業を行う同社の概要と新規事業などについて、常務取締役 田中 康雄 氏、開発設計グループ 開発ツール担当マネージャー 長谷川 正博 氏にお話を伺った。エーワン株式会社常務取締役田中 康雄 氏開発設計グループ開発ツール担当マネージャー長谷川 正博 氏新しい組込みシステム環境の開発で事業の幅を拡大~CPUとFPGAを同じ基板上に搭載~ 御社の事業内容について お聞かせ下さい長谷川:現状、メーカー部門としてはデバッグツールとマイコンボード、商社部門としてはFA関連機器とインダストリアルPCが事業の柱になっています。 デバッグツールは、組込みシステムのハードウエアの検証から各種ドライバ開発、OSポーティング、アプリケーション開発デバッグ、製造工程に至るまで、テストデバッグ支援ツールとして幅広く利用されています。主力の製品としては、ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下、ルネサス社)のCPUに対応したオンチップデバッガ『H-debugger 7000』になります(写真1)。特徴としては、1 台でルネサス社製CPU の多品種に対応することができ、コストパフォーマンスに優れていることなどが挙げられます。 マイコンボードは、当社オリジナルバスによる低コストで信頼性の高い製品を提供しています。主力の製品としては、『CATシリーズ』の名を冠にした製品で、最近では『CAT321』、『CAT68501』を発売しています(写真2、3)。両製品とも、ルネサス社製の32ビット高性能RISCマイコン『SH-2A/SH7267』を搭載したCPUボードになります。CPUは、144MHzで動作し、浮動小数点ユニット、キャッシュ、1.5MBの大容量RAM、64KBの高速RAMなどを内蔵しています。また、ボード上に2MBのシリアルフラッシュROM、8KBの不揮発性シリアルF-RAMを搭載しています。 商社部門のFA 関連機器に関しては、センサおよび制御機器、計量器/計測機器、画像処理装置の販売をメインに、PCを含む関連機器/関連システムの販売まで幅広くカバーしています。そして、お客様のニーズを調査/分析し、コンサルティングを含めた企画提案、情報提供などを行っていきます。アフターフォローについても利用者の視点で考えて、最良のソリューションとなるよう心掛け、トータルで高度な専門サービスを展開しています。 インダストリアルPCに関しては、台湾のIEI 社製品をラインアップし、迅速かつスムーズな対応でお客様の要望にお応えしています。IEI 社は、技術研究、製品設計や開発、柔軟な生産、マーケティング、販売および顧客サービスなど、すべての側面において顧客志向であり、市場においても高い評価を得ています。そして、柔軟な生産性は高機能少量生産と低機能大量生産の両方の要求に対応可能なため、組込み製品のメリットを活かしたカスタマイズや、導入後のシステムアップにも対応ができます。当社は、単に機器を販売するだけでなく、利用者にとって最適なシステムインテグレーションを行っています。 また、現状の事業展開以外にも新規で進めている事業があります。 では、新たに進められている 事業についてお聞かせ下さい長谷川:新しい事業としては、組込みシステム開発に必要な元となるハードウエアと基本ソフトウエア(ドライバ)開発に必要な環境を用意するため、CPUとユーザーが自由にプログラミングできるLSIであるFPGA(fi eld-programmable gate array)をワンパッケージにして、小型の基板に搭載した製品の開発を中心に進めています。このような製品は世の中にありそうですが、今の所まだ出ていないと思います。 また、開発しようとしたきっかけは、以前より色々とご指導などを頂いている豊田工業高等専門学校の仲野写真1 オンチップデバッガ H-debugger AH7000 写真2 マイコンボード CAT300シリーズ写真3 マイコンボード CAT68000シリーズ