ブックタイトルメカトロニクス2月号2015年

ページ
10/52

このページは メカトロニクス2月号2015年 の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

メカトロニクス2月号2015年

10 MECHATRONICS 2015.2 御社グループの概要などについて お聞かせ下さい吉田:2004 年に4 人の技術者が創業したAkribisSystemsは、シンガポールに本社を置き、モータ関連では後発ながら高い技術力をもったモーション専門メーカーです。多くのモーション装置関連企業に各種モータを供給し、各種装置の高速/高精度化に貢献しており、現在は従業員数200 名で、そのうち52 名がエンジニアになります。シンガポールと上海に製造拠点をもち、タイ、韓国、米国シリコンバレーに営業兼サポート事務所を設置しています。そして2014 年10月には、日本支社となるAkribis Systems Japan 株式会社を設立しました。 Akribis(アクリビス)とは、ギリシャ語で「精密、正確」を意味し、Akribis の頭文字である“a”の丸と線は、リニアモータとロータリーモータを表し、四面体上にあります。四面体は、ダイアモンドと同じ結晶で当社グループの信頼に足る技術を表し、それを基にお客様のモーションニーズに応えることを会社の理念としています(写真1)。4名で設立した当社グループの創業者は、現状に満足することなくお客様の要望に沿って、さらに技術的に高い製品の開発を続けてきました。 リニアモータ/ダイレクトドライブロータリーモータ(DDR モータ)/ボイスコイルモータの3つをコア技術とし、それぞれ標準製品をラインアップするとともに、標準製品で対応できない場合はカスタマイズの要求にも対応しています。このような、地道な活動の積み重ねなどが技術力の向上にも繋がっていき、わずか シンガポールに本社を置くモーション専門メーカーのAkribisSystemsグループは会社設立後わずか10 年で、欧米各国の機械メーカーの製品に広く採用されている。同グループは、この度日本支社となるAkribis Systems Japan株式会社を設立。今回は、同グループの概要や製品などについて、日本支社 代表取締役吉田 耕 氏にお話を伺った。Akribis Systems Japan 株式会社代表取締役吉田 耕 氏アジアの新しいモーション専門メーカーが日本市場に展開~高い技術力で各種装置の高速/高精度化に貢献~10年程で会社をここまで成長させた要因にもなっています。 その結果当社グループの製品はすでに欧米各国の機械メーカーに広く採用されています。 リニアモータの特徴などについて お聞かせ下さい吉田:リニアモータは、コアレス(可動子に鉄心が無い)とコア付きタイプがあります。コアレスリニアモータは、軽量で高速な動きに向いており、同種のリニアモータは多くの装置アクチュエータとして使われていますが、製造元は欧米メーカーが中心で重要なスペックのコイル長、連続トルク、モータ定数はどれもほとんど違いがありませんでした。その理由は、コイル構造が同じような構造になっているためで、多くのコアレスリニアモータは、コイル部の銅線間に??間(デッドゾーン)があるため、固定子からの磁束がフルに活用されていませんでした。しかも熱放出が悪く、推力を上げるにはより長い可動子を選ぶ結果となり、同じストロークを保つためには、モータ全体が長くなるような状況でした。 そこで当社グループは、コイルを重ねるような方法で銅線間の??間がない、いわゆるデッドゾーンがなく磁束をフルに活用する方式を満たす技術を開発しました。推力を上げることができ、また緊密な熱放出も実現できるなど、同じ長さのコイルと比べて約2倍の推力を得ることも可能です。他社同類モータの仕様と比較しても、コイル長は一番短い反面、連続推力とモータ定数が高い水準で維持されています。 コア付きリニアモータについては、コアが磁束を集中させるため、より効率の良い高連続推力が得られます。しかし、可動子と固定子間に強い磁気吸引力があるため、メカシステムとして扱いにくいケースもあり、大きな磁気吸引力には、より大きなリニアガイドを使用しなければなりませんでした。 当社グループでは、カスタマイズの声を反映した磁気吸引力の無い構造の開発に成功し、2 つの対向した固定子を用いた構造のモータをつくりました(写真2)。これにより、磁気吸引力=0 の鉄心入りリニアモータをスタンダードモータとして提供しています。このタイプのモータは、ACM2-D / ACM3-D /ACM4-Dシリーズで245mmと413mm 可動子長の空冷と水冷タイプがあり、連続/最大推力は、304/ 913 ~4,685 / 7,027Nまでのモデルを用意しています。また、個別のニーズに合わせたカスタマイズにも対応しています。 DDRモータの特徴や 主力製品などについてお聞かせ下さい吉田:DDRモータは、伝達機構(ギアボックスやベルトなど)を介さず直接負荷を駆動する方式のため、トルクモータとも呼ばれ、高い磁力をもつ永久磁石の力を利用してトルクを発生します。当社グループのDDR モータには、いくつかの工夫を加えてパフォーマンスを向上しています。そして、ADR / ACD / ATR / ACWシリーズといった4つの標準ファミリーを用意しています。 ADRシリーズは、回転トルクを上げるために固定子の通常コイル形状を見直し、より銅巻線密度を上げることに成功しています。通常DDRモータの巻線は、製造性を高めるため固定子の歯間に差し込む構造にしています。上から見たコイルは長方形になっており、どう写真1 Akribis Systems社のロゴマーク写真2 リニアモータ ACM-Dシリーズ写真3 DDRモータ ADR-AシリーズとADR-Pシリーズ