ブックタイトルメカトロニクス11月号2014年

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概要

メカトロニクス11月号2014年

60 MECHATRONICS 2014.11日本産業洗浄協議会専務理事 相模環境リサーチセンター 所長 小田切 力「ESDに関するユネスコ世界会議」を迎えるに当たって~【「国連ESDの10年」後の環境教育推進方策懇談会報告書】より~【第152回】■同懇談会について(1)目的 同報告書を作成した目的については、環境省の報道発表に以下のように説明されている。 “日本が提案して2005 年から開始された「国連ESDの10年」は、本年(2014 年)に最終年を迎え、11月に「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」が日本で開催されることから、同会議を契機として環境教育を始め関連する国内のESDの取組の推進方策を検討するため、外部有識者の参画も得て、北川環境副大臣の下に「国連ESDの10年」後の環境教育推進方策懇談会を、本年(2014年)1月~7月までに5回開催した2)。その懇談会での議論を受けて同報告書がこのほど公表された。 同報告書は2015年以降のESDの取組方策をまとめ、施策について反映させるとともに、本年11月のESDに関するユネスコ世界会議の機会に我が国の取組として、国内外にPRすることを目的としている。”また、背景と趣旨については、報告書冒頭で“はじめに”において北川知克環境副大臣が以下のように説明している。 “2002 年9月、日本政府は、南アフリカで開催されたヨハネスブルグ・サミットにおいて、NGOの皆様とも協力して、「ESD(持続可能な開発のための教育)」を各国それぞれが積極的に取り組むとともに、国際協力を進めることを提案し、その年の国連総会で、2005年からの10年間を「国連ESDの10年」とする決議がなされました。 我が国では、2005年からこれまでに、行政、NPO、教育機関、企業等の関係者による「国連持続可能な開発のための教育(ESD)の10年円卓会議」の設置(2008年)や、「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律(環境教育等推進法)」の一部改正(2011年)などを実現しています。また、本年(2014年)は、この「国連ESDの10年」の締めくくりとして、11月に岡山県岡山市と愛知県名古屋市において、「ESDに関するユネスコ世界会議(以下「ESD世界会議」という。)」が開催されます。この会議は、これまでの世界での取組の成果を総括し、2015年以降のESDの推進方策について議論する重要な会議となります。 ESD世界会議では、今後更にESDを発展させていくためのグローバル・アクション・プログラムの開始が正式に発表されます。ESD世界会議に向け、日本政府としても、政府を挙げて取り組んでいかなければなりません。一方で、このESD世界会議は、ESDによる持続可能な社会の実現という、世界的かつ長期的な目標に向かっての一里塚でしかなく、この会議の終了をもって、ESDの取組が停滞するようなことがあってはなりません。そのため、今回、有識者の皆様にお集まり頂き、2015年以降のESD、なかんずく、環境教育の推進方策を中心に、様々なご意見を頂き、本報告書を取りまとめました。 私自身は、環境問題を含む様々な課題の解決にあたっては、環境教育などを通じて、国民一人ひとりの意識改革をしなければ、根本からの解決は図れないと考えています。これを地球の病として捉え、私たち一人ひとりが、行動を見直して、病を克服していくことが重要です。特にESDは、環境問題だけでなく、貧困や男女間の平等といった問題も包含しており、環境教育のアプローチが他の様々な社会的課題にも応用出来るものと考えます。 また、私はESDを日本、そして世界で広げて行くため、個人的に3つの言葉を発信していきたいと考えています。一つは、相手のいうことにきちんと耳を傾け、その立場を理解する「認め合い」。次が、相手の立場になって物事を考える「思いやり」。最後が、資源や食料・水などを独り占めするのではない「分かち合い」の心です。いずれも、ESDにとっての重要な要素が、日本語に溶け込んでいるものであり、このようにESDを育んできた我が国が、引き続き世界のESDを牽引していく必要があります。(後略)2c)”(2)同懇談会のメンバー 同懇談会のメンバーは以下の9名で構成され、他にオブザーバーと省内メンバーが参加した。<座長>・北川 知克:環境副大臣<有識者> 「国連ESDの10年」に関連して「ESDに関するユネスコ世界会議」が本年11月に日本で行われることは、本シリーズの第146回において紹介した1)注1) 。 環境省は、その行事の準備のために、「「国連ESDの10年」後の環境教育推進方策懇談会」を組織し、2014年1月より作業を開始し、このほど報告書を公表した。環境問題についての議論は、国を超えて地球上の先進国および途上国のすべての国が一致して協力すべきテーマであり、さらに次の世代に引き継ぐことが必須であることから、「国連ESDの10年」のプロジェクトは大変意義深いものである。 今回は、去る8月27日に公表された同懇談会の報告書を紹介する2)。注1)以下で使用されるいくつかの用語をまとめて紹介する。・ユネスコ:国際連合教育科学文化機関、UNESCO、United Nations Educational, Scientifi c and Cultural Organization・ESD:Education for Sustainable Development、持続可能な開発のための教育・DESD:The United Nations Decade of Education for Sustainable Development(2005-2014)、国連持続可能な開発のための教育の10年(2005年-2014年)・ESDに関するユネスコ世界会議:The UNESCO World Conference on Education for Sustainable Development(ESD)<図1>図示された同報告書概要2c)<表1>同報告書の目次2b)はじめに1.ESD を巡る経緯とESD の正しい理解 (1) 背景・経緯 (2) ESD とは何か2.「国連ESDの10年」のこれまでの主な取組 (1) 政府全体の取組 (2) 環境省の取組 (3) 文部科学省の取組 (4) 地方公共団体・民間の取組3.環境省におけるESD 推進に向けた課題 (1) 人材育成に係る課題 (2) 教材・プログラムに係る課題 (3) 連携・ネットワーク上の課題 (4) ESD に係る取組を効果的に推進していく   上での課題4. 環境省及び関係機関における  今後の環境教育の推進方策 (1) 人材育成 (2) 教材・プログラムの開発・整備 (3) 連携・支援体制の整備 (4) ESD に係る取組の効果的な推進・継続方策おわりに