ブックタイトルメカトロニクス11月号2014年

ページ
12/68

このページは メカトロニクス11月号2014年 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

メカトロニクス11月号2014年

12 MECHATRONICS 2014.11 御社の概要についてお聞かせ下さい梅島:当社は、アジレント・テクノロジーから会社分割により誕生した、電子計測事業を柱とした企業になります。 アジレント・テクノロジーは、ライフサイエンス/診断/応用化学市場(LDA)向け事業と電子計測事業の大きく分けて2つの分野を柱に事業展開していましたが、この2つの分野は市場的に異なったおもむきを見せていました。例えば、半導体サイクルの影響を受けやすい電子計測市場に比べ、LDA 市場はその影響を受けないといった状況で、社内においても2つの事業の接点というのがほとんどないような状態でした。また、投資家サイドからみても判断するのが非常に難しいという声を多く頂いていました。 そして2つの事業は、それぞれ独立できるだけの売り上げ規模と利益率が確保できるまでに成長してきたというのも会社分割の背景になっています。アジレント・テクノロジーは、1999 年にヒューレット・パッカードから会社分割をして、当時は電子計測を柱に事業展開を行っていましたが、現在はLDA 事業が売り上げ規模では電子計測事業を上回るまでに成長し、利益率もほぼ追いついてきています。 このようなことがきっかけとなり、2013 年9 月に会社分割の発表を行い、2014 年8 月より営業を開始しています。社名のキーサイトは、「他では見られない事象を可視化する能力を提供する」という意味が込められています。重要/本質的な知見を提供し、変わりゆくテクノロジーの世界への扉を開いていきたいという“ キーサイト” の思いが込められており、ロゴマークも計測をイメージさせるようなデザインを取り入れています。 また、ヒューレット・パッカードは1939 年に会社を アジレント・テクノロジーから会社分割により、誕生したキーサイト・テクノロジー。電子計測事業を承継する形で、電子計測器の専業メーカーとなった同社の概要と新たな事業内容などについて、職務執行者 社長 梅島 正明 氏、電子計測本部 マーケティングセンター マーケットディベロップメント マネージャー 井本 健太郎 氏、電子計測本部 マーケティングセンター マーケットディベロップメントマネージャー 徳田 裕司 氏にお話を伺った。キーサイト・テクノロジー合同会社職務執行者 社長梅島 正明 氏電子計測本部マーケティングセンターマーケットディベロップメントマネージャー井本 健太郎 氏電子計測本部マーケティングセンターマーケットディベロップメントマネージャー徳田 裕司 氏会社分割により電子計測事業を継承する新会社を設立 ~計測器という原点に戻ったスタート~設立して計測器で事業をスタートさせ、コンピュータ、半導体部品、化学分析機器、医用電子機器など様々な分野の事業を展開してきましたが、アジレント・テクノロジーとの会社分割、そして今回の当社キーサイト・テクノロジーとの会社分割により、計測器という原点に戻った形になります。社内的にも、「ヒューレット・パッカードの原点に戻った再スタート」という位置づけで捉えています。 電子計測器の専業メーカーになる メリットについてお聞かせ下さい梅島:先程の話に少し絡んできますが、ヒューレット・パッカードから会社分割をしてアジレント・テクノロジーとしてスタートした時に、電子計測事業が大きな割合を占めていました。その後、計測と少し離れた半導体部品事業を2005年に売却し、翌年の2006年には、半導体テスタ事業に関してもスピンオフを行うなど、色々と事業内容を整理していきましたが、まだその時点でも電子計測事業の方が大きい状況でした。 ただ、その時点でグローバルに将来を見据えると、バイオや環境問題、ライフサイエンスや化学分析などが、大きな成長を期待できると考えていました。そのためアジレント・テクノロジーとしては、柱となる電子計測事業で得た利益の大半をLDA事業に投資する形で資金を回し、その間電子計測事業にはほとんど投資がされない状態が続いてきました。 今回の会社分割により完全独立会社にすることで、LDA 事業を引き継ぐアジレント・テクノロジーとは完全に袂を分かつ形になるため、電子計測事業で得た利益はすべて電子計測事業に投資できるようになることが大きな強みとなってきます。そのため、これまで投資できなかった分野の強化や、あるいは今までコアとなっていた製品群をより強化することに大きな期待がもて、またユーザーニーズにも益々対応することが可能になります。そういったことがこれからの戦略でもあり、当社キーサイト・テクノロジーとしての今後の方向性になると思います。 新たに力を入れ始めた事業に関して お聞かせ下さい井本:私の方からは、新しい事業となるサーモグラフィについての説明をさせて頂きます。まず私は、デジタル・マルチメータという電圧/電流/温度など様々なパラメータを計測していく基本となる測定器や、ファンクションジェネレータなどの製品を担当しています。デジタル・マルチメータは、基本の測定器でありながら使い勝手や性能なども含め改良し、昨年新しいモデルを発売しましたが、今後もシリーズとして新しいモデルを発売していく予定です。また、ファンクションジェネレータ写真1 赤外線サーモグラフィ『U5855A』