ブックタイトルメカトロニクス6月号2014年

ページ
12/56

このページは メカトロニクス6月号2014年 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

メカトロニクス6月号2014年

12 MECHATRONICS 2014.6 御社の概要についてお聞かせ下さい今瀬:当社は、1977 年に前社長(現会長)の当時住んでいた自宅の庭を利用し、前社長自身がそれまで培ってきた機械設計技術を活かして開設した設計事務所が始まりになります。その当時は、メーカーから依頼を受けて図面を書くような下請け的な立場でしたが、やはり依頼通りに図面を書くだけでは物足りなさを感じていたようで、自分のアイデアなどを盛り込んだ仕事をやりたかったようです。 そのため、自主独立のメーカーになることを決意し、自社ブランド製品の設計開発にチャレンジしていきました。その結果、空圧インデックスアクチュエータ『ミニデックス』を考案し、試作品を成功させることができました。それがきっかけとなり、1980 年10月には社名を「加茂精工株式会社」として、法人化することになりました。社名の“加茂”は、前社長の出身地である岐阜県美濃加茂市から付けられ、当時の従業員は社長を含め5 名でした。 そして、会社設立から5 年位はミニデックスを柱に事 TCG(トロコイドカムギヤ)やボール減速機など、機械要素部品の開発/製造/販売を行う加茂精工株式会社。今年の1月より新体制となり、独創的なものづくりを受け継ぎながら新たなスタートを切られた同社の概要と製品などについて、代表取締役 今瀬 玄太 氏にお話を伺った。加茂精工株式会社代表取締役今瀬 玄太 氏独創的なものづくりにより生まれた機械要素部品~オリジナリティー溢れる3本柱の製品群で事業展開~業展開を進め、日本の高度成長にも支えられて業績は好調でしたが、やはりミニデックスだけではニッチな部分しかフォローしていけないので、需要がそれほど伸びないということから、新たな製品開発を行うことになりました。当時は、第2 次ロボットブームということもあり、今までにないようなロボット用減速機の研究開発に着手していきました。 そして、大学の研究機関などにも協力して頂き、1986 年7 月にボール減速機の試作品に成功しました。また、翌年の1987年にはボール減速機を製品化し、販売を開始していきました。その後、ボール減速機の販売が軌道に乗り、1990 年には新工場を建設するまでに会社の規模も大きくなり、従業員も25名になりました。その頃から、営業では各地で展示会を開催し、販売に力を入れ、さらなる発展成長を目指して海外展開にもチャレンジしていきました。 さらに、新製品開発にも力を入れていき、今まで培ったボール減速機などの技術を活かし、新たな主力製品となるTCG(トロコイドカムギヤ)の研究開発に着手していきました。そして、その研究開発が実を結び、『TCGランナー』や『TCGリング』といったヒット製品を世に生み出すことに成功しました。海外への事業展開についても、韓国、アメリカへと進出を行い、グローバル化を進めていきました。 今年の1月からは、私が社長に前社長は会長に就任するという人事が行われ、当社の新たなスタートが切られることになり、TCGシリーズを主力製品として、ノンバックラッシのボール減速機やインデックスなどの割出機器といった3本柱の製品群により、機械要素メーカーとして事業展開を行っています。 社長に就任されて今までと変わったこ となどありましたらお聞かせ下さい今瀬:まだ就任してからそれほど経っていないので、何か変わったということはないのですが、今まで積み重ねたきたことをしっかり引き継いでいくことが、まず第一のスタートだと考えています。それから、少しずつ変えていきたいと考えているのは、新技術を含めた製品開発の仕組みと強化です。 今までは、前社長のアイデアをもとに自身で試作を行い、手ごたえを感じたらそれを技術部の方で本格的に研究開発し、試作品を製作して様々な試験を行っていました。そういった手順を踏んで、2~3年かけて製品化したものを育てていくというのが、当社における事業展開のスタイルでした。しかし、社長から会長に就任され、年齢的にも今までのように数多くのアイデアを生み出すというのは困難ですし、これからは私や技術部の人達が中心となっていくというのが一つのテーマになると思います。今までの独創的なものづくりを活かすため、今度は自分たちでアイデアを生み出し製品開発写真1 TCGシリーズ CRK(カムラック) 写真2 TCGシリーズ RGN(カムリング) 写真3 TCGシリーズ RPN(ローラ ピニオン)