ブックタイトルメカトロニクス2月号2014年

ページ
49/56

このページは メカトロニクス2月号2014年 の電子ブックに掲載されている49ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

メカトロニクス2月号2014年

MECHATRONICS 2014.2 4958図2-204 太陽光を自動調節する省エネ調光シート 2-130)図2-203 異方性散乱体を用いた画像表示装置 2-129)【参考文献】2-127)三重大学大学院工学研究科元垣内敦司「バイナリ型回折凹レンズの作製とLED照明装置への応用」国立大学法人三重大学「凹型レンズおよび光学材料、ならびにこれらを使用した照明装置」特開2012-1233712-128)モトローラ社&ポラロイド社「ホログラム反射板を用いたLCD」SID1995、ポラロイド社「LCD用白色ホログラム反射フィルム」SID19972-129)(株)ジャパンディスプレイウェスト「表示装置および異方性散乱体」特開2013-1822272-130)(独)産業技術総合研究所「夏季と冬季で太陽光を自動調節する省エネ調光シート」2013・05・16(独)産業技術総合研究所「調光透明窓用部材」特開2011-58349(独)産業技術総合研究所「透明調光部材」特開2011-75833(独)産業技術総合研究所「調光透明窓用部材」特開2011-944712-131)有・石川光学造形研究所「太陽光照明ウィンドウSOLBENE」(有)石川光学造形研究所「太陽光照明器」特開2009-266794図2-205 太陽光照明ウィンドウ“SOLBENE”2-131)2 設計からはじめよう(その57) この技術を開発したジャパンディスプレイウェスト社は元・ソニーモバイルディスプレイ社であって、ジャパンディスプレイセントラル(元・東芝モバイルディスプレイ)やジャパンディスプレイイースト(元・日立ディスプレイ)との3社が一緒に、産業革新機構INCJを中心として2011年に事業統合された企業体である。日本の将来を力強く寄与するであろう期待は非常に大きい。[省エネ調光シート] 太陽光の高度は、夏季には高く冬季には低い。窓に入射する角度の違いを利用し透明体の全反射現象を活用して、この調光シートは、自動で夏季の太陽光を遮り、冬季の太陽光を透過させる。窓ガラスに貼付するだけで自動調光作用が得られ、冷暖房負荷を軽減し省エネ効果が期待される。 この調光シートは表裏2枚の透明体から構成され、中間には傾斜7°の空気層が挟持されている(図2-204)。照射角が60°よりも高い日差しは、裏面の臨界角より大きな角度で照射するので全反射する。全反射した全ての光は室外側のシート内で屈曲しながら底部に集まるので、底部に露光発電板を設置してエネルギへと有効に活用できる。 2枚の透明体を透過した光線は、屈折が打ち消しあって1枚の透明なガラス板と同じように常に透明に視認出来るので、外の景色を鮮明に見ることが出来る。[太陽光配光プリズム“SOLBENE”] 次の「太陽光照明ウィンドウ」は太陽の明るい光を室内へ有効に導入する技術である。ほぼ四角形断面で長尺の透明材料を簾(またはブラインド)のように連ねた水平格子(プリズムパネル)構造(図2-205)。太陽光は透明材料の室外表面から入射し、底面で全反射して室内表面から射出される。このとき射出光は上方向へ導かれ天井面を照明するので、室内が明るくなる。このプリズムパネルの所要面積は、部屋床面積の5~10%が適当とされる。 考案した商品をSOLBENEと命名して、素直な構造を採用し太陽光エネルギを活用している。生産販売しているこの企業は、秀逸なホログラフィ技術を活用して画像立体視装置などを手がけて著名である。回折技術のみに限定することなく、広い視野から技術を展開し解釈して応用している姿勢に感心する。 巷には、光の本質を熟知しないで単に外形だけを真似て製作に着手している企業を散見する。回折模様ならば先端技術だろうと自負し、導光板に施して量産し始めた事業所が大量の不良品を続発して困窮している事実を知るとき、上述のこれらの企業姿勢から教えられる処は多い。