ブックタイトルメカトロニクス2月号2014年

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概要

メカトロニクス2月号2014年

48 MECHATRONICS 2014.2図2-202 ホログラム反射板を用いた液晶顔図表示装置 2-128)図2-201 バイナリ型回折レンズの作製 2-127)《第58回》2 設計から始めよう(その56)5.側射型照明装置(2)充実型側方照明(エッジライト)方式⑯散乱・拡散シートⅳ 拡散シート(その6) 拡散シートを利用し活用している技術を知りつくままに、次々に話題を記録しておこう。[屈折レンズを回折レンズの形態に変化] まずは、バイナリ回折レンズの作製の件。これはLEDを凹レンズで被覆して光線を拡散し、看板など画面の背面から照明する技術に関するもので、以下のように紹介されている。 LEDは点光源で指向性が強いので、広い配光性が必要な照明用途には、配光を任意に広げる必要がある。看板照明であるから液晶画面の照明ほど精密な精度は希望しないとして、光学フィルム基板(t=0.2mm)にレンズ構造を電子線リソグラフィで作製する手法が紹介されている(図2-201)。ここでは、最初にLEDの上方に配置する屈折レンズを設定して、これを薄型化するためにフレネルレンズ様に形状を変化させる。次にこの形状を微細化すると、同心状ブレーズ格子(既出表2-31)になるので、電子線リソグラフィ技法によりバイナリ型回折凹レンズに作り上げる。バイナリ周期dmはレンズ中心で46.1μmから末端の2.2μmに行くにつれては小さくなる。この変態手法は、恰も搬送波に乗って電送されたアナログ信号をデジタル信号へ変換する状態に似ている。 作製されたバイナリ凹レンズは設計通り焦点距離が約2mmで、従来のレンズでは厚み10.5mmがフィルム厚さ0.2mmに抑えられた。構造変調型バイナリ型レンズでは、0次回折光が抑制され1次回折光を増大できた。光強度の分布は単孔を通過させた場合よりも、1.5倍に拡散されている。 液晶表示面の直下型バックライトに適用するには、平坦な光強度分布で、さらに広い拡散角60°以上が欲しい。拡散角を広げるためには屈折レンズの設計段階で、平面と凹面の組み合わせではなく、その逆姿勢で凹面と平面の組み合わせレンズにすると好い。このレンズ形状の断面図においてベンディングして凹面と凸面との組み合わせたアプラナティック面に変形すると、光強度が平坦に近づく。正確に設計するには、LEDの配光曲線を測定し照射面の所要輝度分布に対応させて、レンズ形状を算定してゆく。[液晶表示装置にホログラム反射板を用いる] LCDの種類には反射型と透過型の2種類がある。このうち反射型表示装置には、電力を節約するために、無光沢の金属薄膜が裏面偏光板に貼り付けられ、表面から透過した外光がこの金属膜で反射し、画像を伴って観察者の視点に到達する。しかし、映像を与える鏡面反射光は表面の偏光板での反射光と混合して、映像のコントラストが著しく悪化する。この反射板に体積型ホログラム(既出図2-34)を採用すると、偏光板の機能とホログラム反射板でのBragg回折光とにより、通常の1~3倍の反射輝度が得られたという(図2-202)。 体積ホログラムを作製するには、ポリエステルフィルム上にフォトポリマー厚さ20μm以下を塗布し、参照光と物体光を照射して干渉縞をフォトポリマに屈折率変調として記録する。サブミクロンオーダで屈折率の高い層と低い層とが交互に配置された縞模様になる。体積ホログラムは色選択性、高回折効率、耐環境性に優れている。 表示装置の画像を観察するときには、参照光を照射した方向から自然光を照射すると、物体光を照射した方向から映像光が観察される。半透過反射板を貼付した表示装置では、バックライトの点灯時に背面から照明されて、画像を観察する。[異方性散乱体を用いた画像表示装置] 反射型画像表示装置は、外光を照射して画像を観察すると、装置の表面が鏡面なので金属面のように反射して見えてしまう。そこで、外光の反射光を観察者の目の方向へ集めるレイヤーlight control layer技術を開発している(図2-203)。レイヤーは、屈折率差0.01(~0.1)以上をなす低屈折率領域と高屈折率領域が層状に混在し、両領域の境界が厚み方向に対して連続的に半跏するように構成された異方性散乱体である。従来の電子ペーパーでは出来なかった綺麗なカラーが出現されて動画再生が出来るので、新たなソリューション、アプリケーションが展開できるという。紙のような自然な見栄え paper like refl ective の動画表示可能な超低消費電力の反射型液晶ディスプレイとしている。