ブックタイトルメカトロニクス2月号2014年

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概要

メカトロニクス2月号2014年

46 MECHATRONICS 2014.2日本産業洗浄協議会専務理事 相模環境リサーチセンター 所長 小田切 力VOC 排出抑制の自主的取組の成果と課題~(2)今後のVOC排出抑制の課題~【第143回】■大気汚染に関する最近の動向 大気汚染に関する最近の動向について、同小委員会では、2012 年12月の中環審VOC専門委員会報告において、光化学オキシダント及びPM2.5 に関する課題を指摘。今後新たに設置される中環審専門委員会において検討することとされて以下のように報告されている(資料中の一部を紹介)1a)。(1)光化学オキシダント 環境省では、今後必要な光化学オキシダント対策、環境改善効果を適切に示す指標等を検討するため、「光化学オキシダント調査検討会」を設置した(事務局は環境省水・大気環境局大気環境課)。 2013 年度は、2012 年度から行っているデータの多角的解析のとりまとめと対策の検討等に必要なシミュレーションモデルのフレーム検討等に取り組む予定である。 経済産業省では、関係研究機関や産業界の協力を得ながら試験による実態の解明を担うことなどが考えられている。具体的には、例えば、人為起源排出量の精度向上を図る観点から、①現場での物性値の測定による排出係数の精緻化、②未特定物質の組成比、温度依存性等の実測による決定、③考慮されていない季節影響の反映など、VOC自主行動計画の参加企業の協力も得ながら調査事業等にも取り組むことが適当であるとされている。(2)PM2.5 PM2.5(微小粒子状物質)は、大気汚染物質の一つで、直径2.5 μ m(1 μ m=0.001mm)以下の小さな粒子であり、肺の奥深くまで入りやすく、肺がんなど、呼吸器系への影響に加え、循環器系への影響が懸念されている。 環境省が設置した「微小粒子状物質(PM2.5)に関する専門家会合」において、2013年1月の我が国における一時的なPM2.5濃度の上昇について、定量的な程度は明らかでないものの、大陸からの越境大気汚染の影響があったものと考えられる旨結論づけられた。 また、これまでの知見等を総合的に勘案し、日平均値70 μ g /m3 を、法令等に基づかない「注意喚起のための暫定的な指針」となる値として提案することが適当とされた(環境基準値は、日平均値35μ g/m3、年平均値15μg/m3)。 2013 年5 月、福岡県北九州市で開催された「第15回日中韓三ヵ国環境大臣会合(TEMM15)」において、大気汚染については、互いに理解を深め、協力し合うことを通じ、この問題の解決を図っていくことの重要性について認識が一致し、そのために、新たに三ヵ国による政策対話を設置することに合意した。また、三ヵ国は、日中韓のみならずアジア全体の持続的発展に対する大気汚染問題の重要性にかんがみ、既存の地域的取組を更に活用するべく協力を進めることにも合意した。(3)WHO 国際がん研究機関(IARC)が、大気汚染による発がん性を指摘 2013年10月17日、WHO 国際がん研究機関は、入手可能な最新の学術論文(5 大陸の1,000 以上の研究)を精査した結果、「大気汚染が肺がんの原因とするのに十分な証拠がある」と結論。粒子状物質は、単独で「発がん性がある」と評価した。 最近のデータによれば、大気汚染が原因で肺がんにより223,000人が死亡した。大気汚染の原因は、輸送と発電所、産業や農業からの排出、家庭での暖房と調理に加え、自然由来もあるとした。■ VOC 排出抑制に係る自主的取組の実績 経済産業省が毎年発表している“VOC排出抑制に係る自主的取組の実績”は、2012 年度の概要が2013 年4 月に発表されている2)。概略は前回に紹介したが、主要なデータは下記の通りである。・参加団体と参加企業数(表1)・自主行動計画における全国のVOC 排出量・地域別のVOC 排出量・物質別のVOC 排出量(図1)・環境省インベントリ調査との比較■これまでの取組結果を踏まえた 今後の取組について 2006年に施行された改正大気汚染防止法に基づくVOC 排出抑制の目標と達成結果は、前回に説明したように“2000 年度の排出量を基準として、2010年度までに約3 割削減すること”であった。 結果は、44% の削減を達成することとなり、2011 年度には45.3 %削減となった(前号を参照)。その結果を受けて、経済産業省は“今後の取組”について次のように述べている)1d)。 “目標とされた2010年度のVOC排出量が2000年度比で大幅に削減されたことを受け、2012 年3月の合同WG(第10 回)では、自主行動計画への参加団体等に対し、①新たな削減のための数値目標は設定しない②現在のVOC 排出抑制制度を継続する③新たに指針を作成し、2011 年度以降の排出状況 も引き続きフォローアップすることが適当と考え られる旨決定し、中央環境審議会に報告した。 同年12月の中央環境審議会においても新たな削減目標を設定せずに、現行VOC 排出抑制制度を継続することが適当とされた。 前回は、「VOC排出抑制の自主的取組の成果と課題」の第1回として、改正大気汚染防止法によるVOC排出抑制の経緯について振り返り、当初の目標を2010年には達成したことを説明した。 今回は第2回として、大気汚染の現状を整理して、VOC排出抑制の自主的取組についての今後の課題について、経済産業省の産業構造審議会に新しく生まれた小委員会が検討を開始した内容を紹介する注1)。<表1>自主的取組に参加した企業数とその所属業界団体■白書の全体構成■子供達に残す遺産(第1 部の“はじめに”) ①日本特有の自然観■ VOC 排出抑制対策の経緯 (1)光化学オキシダント (2)有害大気汚染物質の「自主管理」 (3)今回の大気汚染防止法改正による「自主的取組」■改正大気汚染防止法の骨子 (1)全体枠組み (2)対象物質 (3)法規制 (4)自主的取組 (5)VOC に関する法規制対象の6 つの施設類型■「ベストミックス」制度の成果 (1)環境政策の手法 (2)「ポリシーミックス」の必要性 (3)「ベストミックス」のもつ意義 (4)VOC の排出抑制の目標と時期■目標達成のためのベストミックス制度 (1)事業者の自主的取組への参加 (2)(一社)産業環境管理協会の支援活動■ VOC 排出抑制の目標と達成結果 (1)VOC 排出量の2000 年度推計値 (2)VOC 排出量の2010 年度の達成値■今後のVOC排出抑制対策について日本ガス協会(9)日本染色協会(41)日本製紙連合会(-)日本鉄鋼連盟(88)電機・電子4団体(129) 電子情報技術産業協会 情報通信ネットワーク産業協会 ビジネス機械・情報システム産業協会日本電機工業会日本塗料工業会(76)日本自動車部品工業会(112)日本自動車工業会(14)線材製品協会(16)日本伸銅協会(6)注1)本テーマの連載の前回の目次は以下の通り。全国鍍金工業組合連合会(207)日本電線工業会(121)日本溶融亜鉛鍍金協会(80)日本アルミニウム協会(13)日本建材・住宅設備産業協会(37)天然ガス鉱業会(5)石油連盟(18)日本化学工業協会(68)日本印刷産業連合会(5,937)ドラム缶工業会(11)軽金属製品協会(4)日本プラスチック工業連盟(35)日本オフィス家具協会(23)日本表面処理機材工業会(26)日本自動車車体工業会(170)日本接着剤工業会(85)プレハブ建築協会(10)印刷インキ工業連合会(37)日本工業塗装協同組合連合会(94)日本ゴム工業会(36)日本自動車車体整備協同組合連合会(540)日本粘着テープ工業会(17)全国楽器協会(4)日本釣用品工業会(19)日本金属ハウスウェア工業組合(51)日本金属洋食器工業組合(8)日本ガス石油機器工業会(87)