ブックタイトルメカトロニクス1月号2014年

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概要

メカトロニクス1月号2014年

48 MECHATRONICS 2014.1表2-47 拡散板に関する特許事件例(その1)(前回からつづく)2-118)《第57回》2 設計から始めよう(その55)5.側射型照明装置(2)充実型側方照明( エッジライト) 方式⑯散乱・拡散シートⅳ 拡散シート(その5) 前回までの調査に引き続いて、拡散板に関する特許事件例(表2-47)を期日の順に従って眺めてゆこう。これの記述はじめは1996 年フィジカルオプティック社の出願事件が発端であり、その後の最近2009 年の出願事件まで延々と13 年間の特許事件例を収録してきたのであるが、拡散光学素子が意外にも多方面に活用されつつあるのに驚かされる。拡散板の本来の性質である光学拡散機能を当初は活用する事例が多かったが、光線を分光する機能を巧みに利用した技術事例が次第に注目されるようになった。2000 年を過ぎる頃からホログラム光学素子を、特に位相変調式体積形成型ホログラム( 既出表2-34) を活用する技術が萌芽してくる。 この位相変調式体積形成型ホログラムのうち、透視型ホログラムを活用した事例や反射型ホログラムを活用した事例が数件も散見される。透視型ホログラムによれば、不要な外界光を遮り再生画像のみを鮮明に観察できるように構成した装置及び方法を提示している。反射型ホログラムの活用事例では、外界光線を透過して外界情景を看視する傍ら、同時に画像再生装置からの映像光線をも反射させ、両画像を重複させて観察できるようにしたヘッドマウントディスプレイ(HMD)が紹介されている。 HMD には、再生画像のみを観察する形式と、外界の情景を直視しながら眼鏡面で反射させた再生画像をも看視できる形式とがある。同時には看視しないで時間差を設け、または再生位置をずらして二つの画像を観察する非透過型表示方式と、外界映像と再生画像とを同時に看視できる透過(シースルー)型表示方式とがある。 非透視型HMD は、二つの画像を眼鏡面に投影する機構に技巧を要する。素通しの眼鏡面で外界映像を観察し、必要なとき跳ね上げた反射鏡( コンバイナ) を眼鏡面の直前に押し戻して再生画像を看視できるようにした形式2-123)があり、また 眼鏡面の片隅など観察視野を邪魔しない位置に再生画像を常時に投影しておく形式2-124)とがある。 透過型HMD は、看視眼の前に半透明反射板(halfmirror)を設け、外界映像を透過させ、同時に再生画像を面上で反射させてその虚像を重複させ観察できるようにした形式2-125)が一般であった。半透明反射板は照射された光量をほぼ半分以下しか反射・透過しないので、画像が明るくはない。 ここで登場してきたのは、外界映像と再生画像とを明るく同時に投射させる反射型ホログラム光学素子(HOE:Hologram Optical Element)の活用である(図2-200)。HOE を用いたHMD は、液晶表示板と照明光源とを筐体に内蔵した映像再生部と、接眼プリズムとHOE とを組み合わせた映像表示部とから構成されている。装着者の視野を光学機構部分が遮蔽しないように映像再生部を上方に配置し、四角柱形状の接眼プリズムの内部で3 回の全反射を繰り返して下方へ誘導させる。その位置にホログラムを斜面に配置するが、この部分で外界光が屈折しないように補正プリズムが接合されている。映像光束はHOE で外界光と重塁して、光学瞳である観察者の眼に導かれる。表示部は3.5 mmで非常に薄いので、装着性は外見的にも違和感がない。良好な色彩映像が観察でき、視界を遮らずに外界情景を看視できる。 レンズ光学系で色収差があるように、HOE には波長選択性があるため、接眼プリズムの入射側に色補正プリズムが配置されている。その他に回折効率の波長依存性もあるので、位相補正光学の設計だけではなく、製