ブックタイトルメカトロニクス9月号2013年

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概要

メカトロニクス9月号2013年

50 MECHATRONICS 2013.9日本産業洗浄協議会専務理事 相模環境リサーチセンター 所長 小田切 力「2013年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」真に豊かな社会を子供達へ~震災復興の中でともに考える持続可能な未来~【第138回】■白書の全体構成 同白書は、3種類の関連基本法に基づいて作成されるものであり、その3種類のテーマについて、“昨年度(2012年度)の状況報告”を2部に分けて記述し、次いで“新年度(2013年度)に計画している施策の説明”を記述している(表1)。 ・環境の保全に関する状況報告と施策:  (環境基本法に基づく「環境白書」) ・循環型社会の形成に関する状況報告と施策:  (循環型社会形成推進基本法に基づく「循環型社   会白書」) ・生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関す る状況報告と施策:(生物多様性基本法に基づく 「生物多様性白書」) この3種類の白書の2012年度の状況報告は、以下の第1部と第2部の2つに分かれ、今回取り上げる「子供達の問題」は第1部で触れられている。 ・第1部:総合的な施策等に関する報告 ・第2部:各分野の施策等に関する報告■子供達に残す遺産(第1部の“はじめに”) “第1部 総合的な施策等に関する報告”は、“はじめに”と“むすび”にはさまれた2つの章よりなるが、冒頭の“はじめに”では、全体の構想を概説し、特に白書の副題に触れて、子供達に残す遺産の重要性を強調していることが従来の白書には無かったことである。以下にはその文章の内容について、サブタイトルを付け加えて要約して紹介する。①日本特有の自然観 “日本人は、四季の移ろいとともに美しく変化する風景、多種多様な鳥獣や草花、山や海の幸などをもたらす自然とともに生きることで、独特の自然観をはぐくみ、さまざまな知識、技術、豊かな感性を培ってきた。また、豊かな恵みだけでなく、時として地震や台風などの脅威をもたらす自然に対し、畏敬の念や謙虚さを抱き、人間もその一部であるとの認識の下に暮らしてきた。”②近代化・経済成長への反省 “明治期に入ると、西洋諸国に倣って近代文明を目指し、経済成長、科学技術の発展を重視した道を歩み始め、昭和期には高度経済成長を経て、経済的・物質的な豊かさを手に入れた。 しかし、急激な近代化や経済成長の陰で自然や生活環境は荒廃し、公害の原点と言われる足尾鉱毒事件注1)や、水俣病などの四大公害病注2)が生まれた。近年では、地球温暖化や生物多様性の損失などの環境問題も生まれている。”注1) 足尾鉱毒事件:同白書にコラム「足尾鉱毒事件と田中正造の思想~真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし~」が掲載されている(39ページ)。注2)四大公害病:熊本水俣病、新潟水俣病、富山イタイイタイ病、四日市ぜんそくを指す。②東日本大震災による価値観の見直し さらに、東日本大震災は、日本観測史上最大の地震と津波により、広範囲で尊い命や生活基盤を奪った。また、深刻な原子力災害によって環境中に放出された放射性物質による汚染の影響は甚大であり、除染や放射性廃棄物の処理などの長期的課題を背負うとともに、これからのエネルギー供給や自然との関係について、改めて考え直す必要に迫られている。 こうした環境やエネルギーの問題のほか、長引く経済の低迷等の問題を抱えるなか、これまでの経済社会のあり方や豊かさ、環境に対する考え方が変わろうとしている。2012年度に実施した震災後の価値観の変化に関する調査では、震災前より節電や省エネルギーを多少なりとも重視するようになった、と回答した人が、全体の約70%を占めた。また、これまでの日本における大量生産・大量消費型の経済を多少なりとも変えていく必要がある、と回答した人が、全体の80%近くを占めた注3)。注3)同白書には、3種類の調査報告書(下記)に基づいて、13項目のアンケート調査結果の図表が紹介されている(27~32ページ)。「平成25年(2013年)版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」は、去る6月4日に閣議決定され、同日国会に提出された。 今回の白書は、副題として“真に豊かな社会を子供達へ~震災復興の中でともに考える持続可能な未来~”とうたっており、報道発表資料では、更に“グリーン復興などの東日本大震災からの復旧・復興の取組に加え、持続可能で真に豊かな社会の構築のための低炭素社会・自然共生社会・循環型社会、グリーン経済を目指した取組を記述している。また、実際の現場を紹介することなどにより、真に豊かな社会を子供達につないでいく姿勢を示している。”と説明を付け加えている。本連載では、環境白書で取り上げられているトピックスを何回かに分けて紹介しているが、今回はまず、この副題にある“真に豊かな社会を子供達へ”に関係する部分を特に取り上げる(写真1)1)。<写真1>「平成25年(2013年)版環境・循環型社会・生物多様性白書」の表紙1)<表1>「平成25年版(2013年版)環境・循環型社会・生物多様性白書」の構成1) <図1>これからは心の豊かさか、物の豊かさか平成25 年版(2013 年版)環境白書循環型社会白書/ 生物多様性白書真に豊かな社会を子供達へ~震災復興の中でともに考える持続可能な未来~ 平成24 年度 環境の状況 平成24 年度 循環型社会の形成の状況 平成24 年度 生物の多様性の状況第1部 総合的な施策等に関する報告 はじめに 第1章 東日本大震災からの復興の先に目指す     豊かな地域社会の実現に向けて 第2章 真に豊かな社会の実現に向けて むすび 真に豊かな社会を子供達へ~震災復興の     中でともに考える持続可能な未来第2部 各分野の施策等に関する報告 第1章 低炭素社会の構築 第2章 生物多様性の保全及び持続可能な利用     ~豊かな自然共生社会に実現に向けて~ 第3章 循環型社会の構築に向けて 第4章 大気環境、水環境、土壌環境等の保全 第5章 化学物質の環境リスクの評価・管理 第6章 各種施策の基盤、各主体の参加及び     国際協力に係る施策 平成25 年度 環境の保全に関する施策 平成25 年度 循環型社会の形成に関する施策 平成25 年度 生物の多様性の保全及び        持続可能な利用に関する施策 第1章 低炭素社会の構築 第2章 生物多様性の保全及び持続可能な利用     ~豊かな自然共生社会に実現に向けて~ 第3章 循環型社会の形成 第4章 大気環境、水環境、土壌環境等の保全 第5章 化学物質の環境リスクの評価・管理 第6章 各種施策の基盤、各主体の参加及び     国際協力に係る施策 資料 1.語句説明 2.参考文献一覧 3.平成24年度における主な環境問題の動き 4.我が国の環境政策情報に関する   ポータルサイトの紹介 5.統計から見る環境問題と経済社会 6.日本の国立公園と世界自然遺産